高校生も半ばに入り、あと1年で卒業か、と妙に感慨深い気分になりながら部屋でタバコを吸ってた。(喫煙はハタチからw)
何気なく寝転んだまま部屋の壁紙を見ると変な形のシミがあった
こんなシミあったっけ?と思ったけどすぐに忘れて寝た
nextpage
そのころ仲間内で夜中にツーリングに行くのが流行ってて、オレはなけなしのバイト代はたいて買った中古のDIO(原付)に乗ってノロノロ走ってた
あのとき一緒だったのは確かオレ含めて4人だったかな
よく行くコンビニでいつものようにバカ話しながらタバコ吸ってたんだが、コンビニの壁に見覚えのあるシミがあった
nextpage
まあそれも話ししてる内に忘れてたんだけどさ
なんか気分が乗って朝から学校に行ったとき
5時限目を前にして、やっぱめんどくなってきて保健室に行ったんだ
保健室の先生ももうなんも言わずにベッド指指してさ
他のヤツら集まるくらいまで一眠りしようと思って寝転んだ
すると、保健室の天井にシミがあった
nextpage
さすがに嫌でも覚えてたよ
どう見たって最近よく見るあのシミとおんなじに見えるんだ
その日はツレと集まらずに家に帰ったんだ
nextpage
その日の夜、ツレから電話があった
ツレの1人が事故ったらしい
運ばれた病院教えてもらって急いで原付走らせたよ
nextpage
救急の受付で病室聞いて、駆け込んだ
そしたらさ、もう無理だろって感じだった
他のツレもみんなめっちゃ落ち込んでてさ
nextpage
どうやら居眠り運転のトレーラーに突っ込まれたらしい
大人しく赤信号で止まってたっていうのによ
先頭のそいつだけ引かれてトレーラーの何個もあるタイヤに巻き込まれて足がぐしゃぐしゃになってた
nextpage
上半身はほとんどケガらしいケガはなかったけど、即死じゃなかったんだな
そいつの顔はあのシミそっくりにゆがんでた
nextpage
それから、あのシミはみていない
作者春原 計都
春原 計都 春の彼岸祭り②
「みんな、墓参りに行こう!」