「はい、もしもし〇〇商事の営業課の竹中です。」
「もしもし。先日契約した△△会社の佐藤と申します。田中部長にお話があって連絡させていただきました。今、田中部長はいらっしゃいますか?」
「すみません、今田中は出ておりまして。今は不在です。」
「あーそうなんですか。いつごろ戻ってこられますか?」
「田中は会社から出るのは早いのですが帰って来るのは遅くてですね。夕方ごろには帰って来られると思います」
明らかに田中を嫌っているということは佐藤にも理解できた。
「わかりました、それではまたご連絡くだされば幸いです」
「はい、そのようにします」
ガチャッと竹中は電話を置いた。
竹中の背中は凍りついた、背後から突き刺すような視線を感じたからだ。振り向くと田中部長の姿があった。
作者やみぼー