長編13
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20××年 5月7日 14:00 とある中学校にて

教師「ではこの問題を‥Bさんお願いします」

B「はい。答えは◯◯です。途中式は‥」

先生「正解です。相変わらず素晴らしいですね」

B「ありがとうございます」

A「けっ。頭がいいからって調子乗りやがって」

紙を丸めて、こっそりBに投げつける

B「痛っ」

A「へへっ。今日も放課後いじめてやるからな」

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20××年 5月7日 17:00 とある自宅にて

B「はぁ‥学校は毎日いじめられるし、友達いないし‥私の友達はお前だけだよ。チュー助。‥お前が人間だったらなぁ。いや。人間じゃなくてもいい。話相手になってくれたらなぁ‥そういえば、今日古本屋で買ってきた怖い話の中に、降霊術があったような‥」

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20××年 5月10日 2:00 とある一室にて

B「駄目で元々。えっと、確かやり方は鏡をこの角度にあわせて‥あとはここにチュー助をおいて‥あ、金属製のものを隠さなきゃ。あと他には‥よし、最後に呪文を唱えると」

B「きゅうそ様、きゅうそ様。お出でませ。もしお出でましになられたら、私の願いを叶えてください」

?「ワイの名前を呼んだか?」

A「あ、チュー助が喋った!あのね!Aのやつを痛い目にあわせて欲しいの!私をいじめるの!なんとかしてよ!ね?」

?「全く。最近の若い子らはこんな事でワイをよびだすなんてな‥まぁ呼ばれた以上、仕事はしないかんな。了解。てきとーにやっとくわ」

B「頼んだよ!」

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20××年 5月10日 9:00 とある中学校にて

C「おはよー!あれ?今日Aのやつは?」

D「知らないけど、今日は来てないみたい。あいつこないとBをいじめる意味がないんだよな。俺らAに言われてやっただけだし」

B「あの」

C「なに?」

B「Aなら多分‥今頃病院だよ。私すごいおまじない見つけたんだ。それでAに仕返ししたの。嘘だと思うならやってみるといい。あなたたちにも嫌いな人、いるでしょ?やり方はね‥」

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20××年 5月11日 2:00  自宅のとある一室にて

B「ねえチュー助?私すごいんだよ。いじめられっこだったのが、今じゃクラスの人気者。あのおまじないのおかげだよ。本当にありがとう」

?「クラスとかよくわからんけど、役に立てて良かったわ。ひさーしぶりに呼び出されたと思ったからびっくりしたけど、人の役に立てて喜んでくれるのは嬉しいわ。ワイな、増えること得意やねん。だから、呼ばれた所にこいつらを送り出せるから、依頼が増えるのはかまへんのや」

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20××年 5月11日 2:00 自宅のとある一室にて

E「きゅうそ様、きゅうそ様。お出でませ。もしお出でましになられたら、私の願いを叶えてください」

?「わいの名前をよんだか?」

E「あ!本当にきた!きゅうそ様、お金を下さい!」

?「なんやお前、わいが出来ること知らんのか?わいが出来るのは人に悪さをすることとか、作物を食い荒らすことみたいな、動物ができることだけや。金は無理やわ」

E「なにそれー!役にたたないじゃん!」

?「言葉に気を付けろよ?一応わいは霊の一種やからな。お前が呼び出した以上、お前の願いを叶えないといけない。それがルールや」

E「願いなんかないよ。あたし嫌いな人とかいないし」

?「そらあかんわ。わいらの世界ではルールが絶対や。怪異には必ず理由ある、って誰かがいっとったけど、それを破ったらあかんよ?」

E「無いったらないよーだ!ていうか、そんな見た目で何が出来るの?」

?「もう一度だけ聞く。本当に願いは無いのか?」

E「無いって!もう帰ってよ!」

?「ほなしゃあないなぁ。お前はルール違反や」

E「え?ちょっとなにするの!?誰か助けて!」

絶叫

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20××年 5月11日 2:30 自宅のとある一室にて

Eの親「ちょっとE?!こんな時間になにしてるの!?」

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20××年 5月11日 10:00  朝のニュース番組

キャスター「臨時ニュースです。本日未明に、××市在住の女子が殺害されているのが、親の通報により発見されました。被害者の名前はEさん。警察からの情報によりますと、被害者は全身を細かい刃物の様な物で切りつけられた状態だったそうです。警察は、最近急増している傷害事件が殺人事件に発展したものとして調査をしています。犯人は現在も逃走中‥」

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20××年 5月12日 2:00  自宅のとある一室にて

B「ねえ、チュー助?この前の殺人事件って、まさかあなたの仕業じゃないよね?」

?「ん?ワイらがやった事やで。ワイらの世界ではルールが全てなんや。多分死んだやつはそれを破ったんやろうな。そら死んで当然よ。大丈夫や。Bはわいの仲間や。この力を持って守ってやる。色々な人に噂が広まって、ワイらはどんどん強くなってる。ワイを呼び出した奴等はな、ワイがそいつの嫌いな奴を傷つけると「ありがとう」って言うんよ。わいはもっと人の役に立てるんや。こんな嬉しい事はないなぁ」

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20××年 5月14日 20:00  とある学校の屋上にて

楓「ねえ。最近流行りのきゅうそ様って知ってる?」

咲「近頃急に流行り始めたおまじないの事ね。特定の儀式をしたら呼び出す事が出来て、何でも願いを叶えてくれると」

舞「おまじないだ?あたしはそんなおまじないで何でも叶うってのが気に入らねえな」

咲「珍しく気が合うわね。それは私も同感。ちょっと調べたのだけれど、最近この町に犯人不明の傷害事件が増えていることは知ってる?あと、一件の殺人事件」

舞「そういやそんなニュースみたな。でもいっちゃ悪いが殺人事件なんて珍しくも」

咲「あのニュースの「全身を細かい刃物で切りつけられた」っていう表現が気になったのよ。あと、きゅうそ様って名前が少しひっかかるのだけれど。まぁ正直、無関係な私達が出来ることは限られてるし、あまり首をつっこむのは良くない事かもしれないわね」

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20××年 5月15日 2:00  とある自宅の一室にて

F「きゅうそ様、きゅうそ様。お出でませ。もしお出でましになられたら、私の願いを叶えてください」

?「わいらの名前を読んだか?」

F「なぁ。あんた本当に何でもできるのか?」

?「何でもはできんなぁ。取り敢えず願いを言ってみ?」

F「あいつを‥!あいつを殺してくれ!あいつは憎んでも憎みきれないんだ!」

?「なっ‥本来、わいらはルールを破った者しか殺さないんやけどな‥わいらの力は願い主の恨みの力に比例するんや。見たところ、あんたの恨みは相当なもんやな。それに今のわいらなら出来るかもしれん」

F「やってくれるのか‥?」

?「試してみるわ」

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20××年 5月15日 7:00  とある自宅の一室にて

白「幸、仕事の時間だ。そろそろ出かけないと。今日の予定を教えてくれるかい?」

幸「はい。今日はまず10:00からの定例会議が‥あら‥?」

白「どうしたんだい?」

幸「少し周りの空気が変わった様な気がしまして‥」

白「気のせいだろ?ここは僕の家だよ。君以外に人はいないさ。あ、君も人じゃないか」

?「お前が白っちゅうやつか?」

白「誰だ?!」

?「あんたに恨みのある奴からの依頼で、あんたを殺さないかんくなった。堪忍な」 

白「なんだこいつらは‥?!ぐぁっ!?」

幸「白?!どうしたんですか!こ、これは‥」

?「女か?恨みがあるんはこいつだけや。大人しくしといてや」

幸「白はあんたたちなんかに殺させません!どこかへ消えちゃってください!!基礎術式!「魂の抜き取り」!!」

?「な、なんだこの女‥?!ただの人間じゃない‥?あかん‥わいらの魂が消える‥?」

大量のネズミの姿が薄くなって消える

幸「白!大丈夫ですか?!」

白「ごめん‥大丈夫じゃない‥救急車呼んでくれないか‥?まぁ幸がいるんだから死にはしないだろうけど‥ていうか幸強かったんだな‥?あれ打たれたら僕の命も‥」

幸「あの魔法は人間には使えないんですよ!ってそんなことより救急車救急車‥!」

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20××年 5月15日 13:00  テレビニュースにて

キャスター「最近、以前にも増して原因不明の傷害事件が急増しており、同様の殺人事件も急増しております。依然として犯人の手がかりは見つからず‥」

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20××年 5月16日 2:00  とある自宅にて

B「チュー助、今日は機嫌が悪いね‥?」

?「当たり前や!ワイの仲間が殺されたんや!しかも大量に!あんな訳のわからんやつに!しかもわいは人の役に立ってる存在や!なんでや!なんで殺されなあかんのや!ほんま腹立つわ!あいつ殺してやる!今のわいにはそれが出来る!わいは凄く強くなった!そうやろ?」

B「ねぇ。もう人傷つけるの辞めない?私はチュー助がここにいくれればそれでいい。前みたいに色んな話しようよ‥。」

?「大丈夫。わいはここにおる。仕事を

するのはわいの仲間たちや。どっちの願いも叶えたるからな!でも敵討ちは別や。あいつは絶対許さへん!」

??「とある学校の屋上に、強い霊力をもつ存在を3体確認したで!」

?「よし!取り敢えずそいつらや!仲間を殺したんは霊力を持つ存在や!霊は皆殺しや!!全員突撃!!」

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20××年 5月17日 19:00  とある学校の屋上にて

舞「なぁ。前のきゅうそ様の話、だんだんえらいことになって来てないか?」

咲「前に「怪異は噂によって力を得る」という話をしたような気がするのだけれど、今回も恐らくそのパターンね。みながその存在を信じれば信じるほど、それは巨大になっていくのよ。今回、たちの悪い事にみんなが手軽に恨みをはらす手段として散々悪用しているのかしら?最初は力が無かったものの、ついには殺人まで出来るようになってしまった、といった所ね」

舞「いや解説なんかしてねーでよ。何とかしないと」

咲「といっても、低級霊の私達に何かできるとでも?」

楓「ね、ねぇなんか変な音がしない‥?」

?「ようやく見つけたで‥!お前らかぁ!わいの大切な仲間を殺してくれよってからに!!」

舞「な、なんだお前?!喋るネズミ!?」

咲「もしやあなたは‥きゅうそ様かしら?」

?「よくもやってくれたなぁ!バラバラにしてくれるわぁ!」

咲「といっても私達はすでに死んでいる‥なんて言ってる場合じゃなさそうね」

舞「たかたがネズミ一匹があたしらに敵うとでも?あたしらそこそこ強いぜ?」

楓「いや、一匹じゃないよ!沢山いる‥」

?「わいらはネズミの化身じゃぁ!増殖することにかけては最強よぉ!全員噛み殺してくれるわぁ!!」

舞「なんだこの数!一匹一匹は大した事ねえけどよ!数十、数百?!さばききれねえ!」

咲「きりがないわね。少し不味いかもしれないわ」

楓「防御結界も限界だよ‥!」

令「おっとそれまで」

閃光

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20××年 5月17日 20:30  とある洋館にて

舞「一体何が‥?」

令「お久しぶりでございます。皆さんがた」

楓「あ、あなたは‥」

舞「調整の野郎!何しに来やがった!」

令「あー懐かしい名前ですこと。今のあっしには令って名前がね?」

咲「今さら何をしに来た?と聞いているのよ。出来ればすぐにでも目の前から消えてほしいのだけれど」

令「ひでーいいぐさですねぇ。折角助けてあげたってのに」

幽「さっさと要件を伝えなさい。あなた、ただてさえ嫌われているのに煽ってどうするの」

令「はいはい。えっと、今回は緊急事態でしてね。なんでも、現世でこの世ならざる物が暴れていると。こいつは霊界も見過ごせないってんで」

楓「あ、あの‥さっき襲ってきたネズミは‥」

令「あれがその化け物ですわ。きゅうそ様って呼ばれてるらしいんですがね。お察しの通り奴の武器はその増殖能力。あとその歯。一つ一つは小さくても、数で襲いかかれば恐ろしい事になる。犠牲者は大方それでやられてやすね。それこそ特殊な術式でも使わないかぎり勝ち目がないんすわ」

楓「なんでわたし達を‥?何もしてないのに‥」

令「まぁあんたらが襲われたのは完全なあちらさんの勘違いだ。これは昼間きいたんですがね‥」

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20××年 5月17日 13:00  とある病院の一室にて

幸「白!白!大丈夫ですか?!」

白「幸、大丈夫だから。体の至る所を噛みちぎられたけど。奇跡的に傷自体は浅かったみたい。その内治るよ。まさかとは思うけど、あのネズミは君の差し金じゃないよね?」

幸「違います!幸にそんな能力はありませんし‥というか、化物に殺されたら人間の魂を食べられたり壊されたりしまうので、そういうものから人間を守ることも死神の仕事なんですよ!」

白「冗談だよ。とにかくありがとう。助かった。いつもありがとう」

幸「そんな!幸は、幸は‥!」

令「のろけてる所すいやせんね。聞きたい事は2つ。一つは襲ってきた輩の特徴。もう1つは女、見た所死神の端くれか?どうやってあいつら追っ払った?」

白「誰だ君は?!どうやってここに?」

令「時間が惜しいんで手短に」

幸「白!この方は霊界のお偉い様です。随分前に姿を消して、二度と表舞台に出てこなくなったと騒ぎになりましたが‥答えます。1つ目の質問はネズミです。初めは一匹、すぐに大増殖しました。幸は死神の術を学んでいたので、範囲内の全ての生命を同時に奪う術式を使いました。以上です」

令「情報ありがとうごぜえます。二人ともお幸せに」

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20××年 5月17日 21:30  とある洋館にて

令「恐らくきゅうそ様は核となるのが何体もいるんでしょうね。あんたらの所に現れたやつと別の奴が殺されて、その敵討ちって所でしょうか。まぁそこそこの霊力を持つあんたらだから狙われたんでしょうなぁ」

幽「あなたたちだけの犠牲で済めばよいのですが、このままでは現世にいる幽霊が全てきゅうそ様に食われてしまうでしょう。それほどに奴等は強大になりました。よって明日の夜、奴等を殲滅します。あなたたちも巻き込まれた以上、協力してください。本来、人間界の事情に私は直接関わってはいけないのですが、特例で私も出ましょう」

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20××年 5月18日 2:30  とある場所にて

幽「今から、この場所に奴等をおびき寄せます。仲間を殺された事、昨晩取り逃がした事もあり、奴等はかんかんになっているでしょう。総力をあげて向かって来るはずです。あなたたちは奴等の進行をここで食い止めて下さい。私は根本を潰します」

咲「根本を潰す?」

幽「皆さん。令。頼みましたよ」

幽は姿を消した。同時に遠くからは凄まじい轟音と、視界を埋め尽くすほどのいくつもの赤い光

舞「マジかよ‥!あれ全部ネズミの目?!」

楓「わたし達、生きて帰れるのかな‥」

咲「やるしかないわよ。」

令「あー。こんなときにあれですけど、楓さん、でしたっけ?」

楓「?」

令「すいませんでした。色々と。ちゃんと謝れてなかったんで。大丈夫です。あっしの力中々なもんなんで。あんたら3人とも守りますよ。さて。参りますかね‥!冥界術式‥!」

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20××年 5月18日 2:30  とある自宅にて

?「今夜、全勢力を持ってあいつらと決着をつける!ワイはここで指示をだすから、お前もそれを見届けてくれや!」

B「ねぇ‥チュー助のしてることって本当に人を幸せにしてるのかな‥?」

?「今更何を言うんや!?みんなありがとうって‥」

幽「そんなわけないだろうがこの大馬鹿野郎」

?「誰や!?」 

幽「お前のやった事を肯定的に受けとる人間もいるだろう。確かにお前に感謝した人間もいただろう。だが一つお前は致命的な間違いをした。それはお前がその能力を使って、人間界に大々的な影響を与えた事だ。ペットに憑依して飼い主と心を通わせる位なら見逃そうと思うかもしれないが、この世にはルールってもんがある。怪異は人間に手を出してはならない。それを大々的に破っておいて幸せも不幸せもない。それだけで処罰の対象だ」

?「うるさい!全ての核であるワイは強いで!お前も噛み殺してやる!能力、無限増殖‥」

幽「調子に乗るな若造が。冥界術式「死の帳」」

?「なっ‥がはっ‥」

B「チュー助!」

幽「お前は直に死ぬ。少しだけ猶予をくれてやろう。何か言い残す事は無いか?」

?「‥結局、ワイは何がしたかったんやろう‥人の役に立ちたかっただけなんや‥ひさーしぶりに呼び出されて色んな事しゃべって‥あぁ、でもBとしゃべっとった時は楽しかったなぁ‥もっと一緒にいたかったわ‥ごめんなぁ」

B 「私が‥変な事頼まなければ‥ごめんね。本当にごめんね」

幽「時間だ」

沈黙

幽「さて。そいつは終わった。あとはB。お前の処分だ。何。命まではとらん。このきゅうそ様の大本であるチュー助は死んだ。産み出したお前が無関係な存在となれば、この事件は片付く」

B「それはつまり‥」

幽「記憶消去だ。チュー助の幸せな記憶、及びこの怪異の記憶を消す。この事件はお前が犯人となるんだ。それで手を打つ。じきに皆話題にもしなくなるだろう」

B 「そんな‥」

幽「怪異なんてこの世にあってはならない。目を覚ませば消えてしまう。夢みたいなものであるべきだ。だが‥おっと、喋り過ぎたな。もうあうことも無いだろうが。さようなら。」

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20××年 5月18日 4:00  とある場所にて

令「まだ片付かないんすか!?」

咲「こっちだって頑張ってるわよ!」

舞「お前格好いい事言った割には全然大したことねえじゃんか!」

楓「みんな落ちついて!」

?「数で押せ押せ!本体が死なないかぎり代わりはいくらでもいるんやで!!」

舞「ん‥?」

ネズミが次々に消えていく

令「終わった‥?のか」

舞「勝った!勝ったぞ!!!」

咲「全く。たまったもんじゃないわ」

楓「もうヘトヘト‥」

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20××年 5月20日 7:00  とある洋館にて

幽「皆さんお疲れ様でした」

舞「本当だぜ全く。てかあたしらが戦う必要あったのかよ?」

令「そういいなさんな。本体を叩くには本体の意識を配下の軍団指揮に向けさせる必要があったんですよ。あと気配に気付かれて逃げられても困りやすしね」

楓「結局、犯人の女の子が名乗り出てきて事件は解決したんだけど、あの妖怪のことは誰も話題にしなくなったね‥」

咲「そういうものよ。結局、覚えてるのは私達だけ」

幽「これは私のルールなんですけどね。怪異なんてこの世にあっていけません。目を覚ませば消えてしまう、夢みたいなものであるべきなんですよ。でも、人に迷惑をかけなければ、幻みたいな夢を楽しんだって構わないでしょう?」

Concrete
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