短編2
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夕刻の帰り道

皆さんこんばんは

今宵もニセ川ジンジュのカイ談ナイトにお越しいただき、本当にありがとうございます

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これはね

アタシがI県のSさんって方から聞いたんですが

Sさんが小学校5年生だか、6年生だかの頃のお話なんですよ

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夏休み前の学校帰り

Sさん、友達たちと校庭で目一杯遊んじゃったもんだから

夕方になっちゃったんだ

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夕暮れは逢魔が時なんていう時間ですよ

自分以外だぁ~れもいない

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そんな寂しい道を

トットットット……

Sさん、歩いてる

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町を抜けて、農道っていうんでしょうかね

道の両脇は一面畑が広がってる道に出た

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そこをSさんは

トットットット……

歩いてった

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夏が近いから、生温かい風が抜けていく

Sさん、汗でぐっちょりだったから

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何だか気持ち悪いなぁ

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そんなこと思いながら歩いてると

何処からかイヤァ~な臭いが漂ってきたんだ

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今まで嗅いだことないくらい強烈なのが

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shake

うわっ!クセェ!!

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Sさん、思わず鼻と口を押さえた

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それでも、家には帰らなくちゃいけないもんだから

途中で息止めたりなんかしたりして

Sさん歩いた

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でも、臭いはどんどんどんどん

強くなってくんですよ

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クサいなぁ~ クサいなぁ~

そう思いながら、ヒョイっと畑の方を見る

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すると、畑に穴が空いてんですよ

1メーターくらいあって、人が一人くらい入れそうな

大~きな穴が

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何でだか、その穴から

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shake

ブーーーン

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たくさんのハエが出たり入ったりしてる

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よしゃあいいのにSさん

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その穴が気になっちゃって

畑に入ってっちゃったんだ

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穴に近づくにつれて、臭いも強くなっていく

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もう、吐きそうなくらいの猛烈な臭いで

息止めてる場合じゃないんですよ

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それをグッ………!!と我慢して

Sさん、ようやく穴の近くまで行った

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でね、Sさん

その穴、見ちゃったんですよ

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ヒドいもんですよ

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穴の底には、腐って茶色くなった所の下からは白くて長いもんがのぞいてるんだ

それも一本二本なんてもんじゃない

大量のソレが折り重なるように、穴の底にあったんだ

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Sさん

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shake

うわぁぁぁあああ!!

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思わず、声上げちゃった

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何かは何となくわかったけど

Sさん、覚悟決めてソレをよぉ~く見てみた

ソレ見て、Sさん、やっと合点がいったってんです

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あぁ、そうか!

畑の肥やしにするために、穴掘って埋めるつもりだったんだ!

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ソレね

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大量の長ネギだったんです

Concrete
コメント怖い
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こめちゃん、お久し振りですね。
入院中とのことで心配でしたが、元気そうな文章が読めて少し安心しました。
外で読んでまして、ひとりマスクの内側でクスクスっとなってしまいました。私も読ませて頂きたいわ。

次回も楽しみにしています。

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