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短編2
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単怖(単純で怖い話)

当時、小学校に通っていた真面目な生徒のNくんに起きた怖い話。Nくんは真面目に学校に行き、ちゃんと授業を受けて宿題を出し真っ直ぐ家に帰る生徒だった。

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そんなNくんだが、帰り道にふと別の道を歩きたくなる時がある。好奇心によるものだろう。Nくんは毎日同じリズムで同じことをして過ごしている。帰り道に一つ違う道を通るだけでもNくんにとっては冒険であった。

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道に迷ったら困るし万が一遭難したら親に心配をかけてしまう。と自制を効かせていたのだが、「ダメだダメだ」と思えば思うほどしてみたくなった。ついにNくんは一本違う道を通って帰ることにした。

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いつもは人通りの多い大きな道を通って帰るのだが、その日は建物と建物の間の細い道を通ることにした。夏の夕方でまだ陽が明るいというのに建物の間は薄暗く少し不気味であった。Nくんは何度か角を曲がり家のある方角に向けて歩いていた。

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途中、「カシャン、カシャン」と音がすることに気づいた。一人で知らない道を帰っていて敏感になっていふせいか、その音がとても怖かった。「カシャン、カシャン」まだ音は続いている。しだいに音は大きく早くなっていた。「カシャンカシャンカシャン」Nくんは近づいて来られていると思い走り出した。負けじと音も「カシャンカシャンカシャンカシャン」と早く大きくなりNくんに迫った。

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なんとか逃げ切ろうと必死になって走った。角を曲がり相手を振り切ろうとした。しばらくして音が聞こえて来ないことに気づいて立ち止まった。もしかしたら背後にいるのではないかと思い振り返ったが誰もいない。安心してNくんはまた歩き始めた。

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歩き始めてかなり経つのに帰れなかった。いつのまにか日も沈んでいたようで辺りは真っ暗だった。Nくんは今自分がどこにいるのか、どの方角へ歩いているのか全く分からなくなっていた。その場に座りしばらく休憩した後歩き始めたら手が何か硬いものに当たった。

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手のひらで触ってみると壁だと気付いた。壁をなぞるようにしてぐるっと一周歩いた。しかし壁が途切れることはなかった。Nくんは閉じ込められてしまった。Nくんは疲れでその場に座り込み、なぜこんなところに来たのかそもそもここはどこなのか。と考えていたがしだいに眠気に襲われ眠ってしまった。

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そのままNくんは死亡した。発見されたのは行方不明になってから3年が経った頃。トンネルの中だった。誰も使わない古いトンネルだったから取り壊しが決まり下見に来た作業員が発見した。

 

Concrete
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