中編3
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これは、伯母から聞いた話です。

私の父親は4人兄妹で、

嫁いだ父親の姉 (伯母さん)がちょくちょく、

実家である我が家に遊びに来ていました。

その日、伯母はすごい勢いで私の家に飛び込んで来たのを覚えてます。

家にいた母は、

「 Cちゃん、どうしたの?」

と聞くと、伯母は血相を変え話し始めました。

「 あのね、Kちゃん(私の母)、私はこんなに怖い体験

した事がない、、、」

私はテレビを見つつも、耳はダンボでした。

母が「 何があったの?」と聞くと、

伯母は、声を震わせながら話し出しました。

昨夜、伯母が寝ていた時の事です。

夢を見たそうです。

仲の良い近所の友達が、

「 Cさ〜ん、ゴミ出しに行くから、

一緒に行かな〜い?」

そんな事は、常日頃からある事でしたし、伯母は、

「 ちょっと待ってー、ゴミまとめるからー」

と返事をして、ゴミをまとめていたそうです。

すると、2階から娘が (私の従姉妹です) 転げ落ちるように階段を降りてきて、何故か泣きながら言うのだそうです。

「お母さん、行かないで」

伯母は、笑いながら、

「何を泣いてるのー?近所のTさんとゴミを出しに

行くだけでしょ?

いつも行ってるじゃない」

そう言ってゴミをまとめ始めたのですが、娘は泣きじゃくっています。

「お母さん、行かないで、、、」

さすがに伯母も、娘がこんなに泣いてるのに、と思い、Tさんに言いました。

「ごめーん、Tさん。私、後からゴミ出しに行くから

先に行っててー」

するとTさんは、分かったわ、と言って1人でゴミ出しに行ったそうです。

その瞬間、伯母は目が覚めました。

( 変な夢、、、) と思い、何気なく時計を見ると、

1時46分でした。

まだ寝たばかりなのに、、、と思いつつ、

伯母はまた寝たそうです。

次の朝、朝食を作っていると、

娘が2階から起きてきて、伯母に、

「昨日の夜、変な夢見たー」と言ったそうです。

伯母は「何?どんな夢?」と聞きつつ、朝食を作っていると、娘が、

「なんかさぁー、お母さんが近所のTさんと、ゴミ出

しに行くって言ってて。

私、なんでか知らないけど、イヤだって思って、

泣きながらお母さんを止めるの。

で、目が覚めて、何となく時計見たら1時45分くら

いだったかなぁー。

変な夢だよね。」

伯母は何も言えなかったそうです。

その時、家の電話が鳴りました。

( こんな朝早くから誰?) と思いつつ、伯母が電話に出ると、町内会長からでした。

「 Cさん、朝早くから申し訳ない。実は昨夜、Tさん

が亡くなって。急な心不全だったらしいんだけど。

お通夜は、、、

伯母は、途中から、話を聞ける状態ではありませんでした。

呆然と受話器を握っていました。

「お母さん、どうしたの?」

娘の声で、ハッとし、電話を切り考えました。

( あの時、娘が止めてくれなかったら、、、

夢の中で、Tさんに、”先に行ってて”って、私は言っ

てた、、、)

改めてゾッとしたそうです。

その話を、一目散に私の母に話に来たのです。

何故なら、私の母は、私とは真逆に、

そういった類のものは笑い飛ばす人だからです。

Concrete
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@アンソニー

アンソニーさん、コメントありがとうございます。
夢って、たまに不可思議な事が起きるんですね。
アンソニーさんの親友のお母様も、
お亡くなりになる前に、
アンソニーさんにお伝えしたい、
と、強く思ってらっしゃったのですね。
それが、夢と言う形でお伝えされた。
この世には、常識では有り得ない事も、
沢山起こるのだなと、
アンソニーさんのお話をお伺いして、
改めて思いました。
貴重で大切なお話を、ありがとうございます。

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似たような体験あります。高校生の時、親友の母親が危篤状態でした。御見舞いに行ったのですが、当然意識は不明で、親友に元気出せよ、と言って帰りました。その頃、親友は「学校を辞める」と公言しており、母親は心配して僕にも心境を吐露してました。
御見舞いに行った翌日の夜、「尚ちゃん(親友)といつまでも仲良くね」と母親が夢に出てきました。その翌日、母親が亡くなったと電話がありました。
これを読んで当時を思い出しました。

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