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中編3
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思い移る

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これは、他サイト等で投稿された方に、迷惑がかからないように、書き込まさせて頂きます。

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私が、いつもの様に仕事から帰ってきて、夕飯を食べている時でした。

母は、台所を片付けながら、何気なく話しました。

「昨日、おかしな夢見ちゃって」

「何?どんな夢?」

私は夕飯を食べながら聞きました。

「えー?意味不明だよ?

何かさ、お母さん、車に乗ってるの。

何人かとね。

その人達は、お母さんが、

知ってるような、知らないような、

あと少しの所で、思い出せない人達なの。

で、何故だか、お母さんはね、

急いで逃げなきゃって思ってるの。

でも、運転手がいないのよ。

なのに、車はスゴい勢いで走り出したの。

早く!逃げなきゃ!って、

そればかり、お母さんは思ってたんだけど、

途中の道端に、女の人が立ってるの。

その人、うつむいてるのよね。

でも、車は通り過ぎてって、、、

( 何で、あの女性は、車に乗らなかったんだろ? )

って、思った所で夢が覚めたの 」

「 へえー、変な夢だね。

その女の人って、どんな人だったん?」

何気無く、私が聞くと、

「 う〜ん、あんまり覚えてないけど、

黒っぽい服に、グレーのズボン履いてたような。

髪は、、、おかっぱ? 肩につくぐらいの長さ

だったと思うんだけど、、、。

なんせ、その人、うつむいてたから、

良く見えなかったしね。変な夢でしょ?」

そう言いながら、母は笑っていましたが、

私は内心、ドキッとしました。

ちょうど一昨日の夜に、

怖い話のサイトを見ていたら、

” 心霊スポットの帰り道に、急いで帰ろうとすると、

道端に女性が立っていて、、、” って話を、

読んだのです。

その女性の容姿が、

母の話した容姿と同じだったんです。

( いやいや、そう言う事もあるよね )

と、思いつつ、

シャワーを浴びて、自分の部屋へ行きました。

その日は仕事も忙しかったせいか、知らぬ間に

寝ていました。

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次の日の朝、

「じゃあ、行ってきまーす。

今日はアキの所に泊まるからね〜 」

アキとは彼氏で、親公認の仲です。

「アキちゃんによろしくね。

今度、うちにも遊びに来てって言っといてね!」

私は「はいよ〜」と返事をし、家を出ました。

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アキと合流して、しばらくブラブラした後、

アキのアパートに行きました。

いつも通り、夕飯を食べ、映画なんか観たりして、

夜も更けて来ました。

アキは「 風呂入るわー」と言って、

お風呂場に行き、

私は食器などの後片付けをしていました。

しばらくすると、アキがお風呂から出てきたらしく、

鼻歌を歌いながら、冷蔵庫を見ています。

そんな呑気な鼻歌をしばらく聞いていると、

あれっ?って思いました。

「 〜 ろむ、く〜が〜 だ、なしじゃ〜 て、、、」

この曲、聞いた事ある、、、。

( あっ!

この前に読んだ、怖いサイトに載ってた歌だ!

白無垢が、どうのこうのって歌だった気が、、、

でも、何でアキが知ってるの?

アキは、怖いサイトなんて見ないのに、、、)

私はアキに聞きました。

「その歌って、どこで知ったの?」

「えっ?オレ、今なんか歌ってた?」

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えっ? 、、、なんで?

なんで、その話を読んでない人が、

私の読んだ話を知ってるの?

私は、一気に怖くなりました。

そしてその時、母の話を思い出しました。

( あ、、、母もだ、、、

私が、そのサイトの話を読んだからだ、、、)

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誰かから誰かに、そして更に誰かに、、、。

思いが、移って行く事もあるのでしょうか。

私が読んだ時に思いが移って、更に別の人にまで

思いを移したかったんでしょうか。

それ程、強い思いがあったのでしょうか。

今は何事もありませんが、不可思議な体験でした。

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