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この話は、私が大学時代に体験した話です。
当時、他県から1人暮らしをしている人も多く、
ヒマだし、寂しいし、
夜遅くまで皆と集まっていました。
そうなると、皆で飲もうとか、映画見に行こうとか、
やはり夏になると、心霊スポットに行こうとか、
そんな感じで楽しく過ごしていました。
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ある日、また皆で集まってると、
誰かが、言い出しました。
「 〇〇にある、あの橋、ヤバいみたいよ?
飛び込み自殺の名所だって。
丁度、橋の下に、川が渦巻いてるみたいでさ、
飛び込んでも、すぐに浮き上がれないから、
絶対に死ねる、、、とか?
だから、死体は2、3日後に、
下流の方で見つかるんだって。
だから警察も、自殺があったら
下流の方を探すらしいよ。
その辺りの人は、朱塗りの欄干だから、
” 赤い橋” って呼んでるらしいけど、、、
行ってみない?」
みんな、若いせいもあり、
しかもその県には、心霊スポットが、
数多く存在していたので、
それまでも、いくつもそのような場所には
行っていました。
もちろん、全員、
「行く!」
と言う訳で、みんな乗り気で、
車2台にギュウギュウで乗り、
10人程で、その橋に向かいました。軽い感じで。
「写メ撮ったら何か写ったりして! 絶対撮ろー!」
( 実は、この時に撮った写真が、
後に、別の不可思議な話に繋がるのですが )
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そうこう言っているうちに、目的地に着きました。
「え?橋なんてないじゃん!」
その橋に行くには、私達の車を停めた場所から、
けもの道を歩いて行かなくてはなりませんでした。
みんな 「えー!」と、言いながらも、
せっかく来たんだし、と橋まで歩きました。
「へー、ここが自殺の名所なん?
どこら辺で死体が見つかるんかな?」
みんな、如何にも若者と言った感じで、
楽しんでいました。
その時、私はふと、
反対側の欄干から、視線を感じました。
( 誰か、反対側に行ったのかな? )
そう思い、横を見ましたが、みんないます。
( どうしようかなぁ、、、) と思いつつ、
やっぱり気になります。
私は、思わず後ろを振り返りました。
すると、そこには、お餅が焼けて膨らんだような、
風船みたいなような、そんなものが大小様々、
こちらを見ていました。
橋の右側から左側、全てにです。
それらはみんな、目しか無く、
しかも、かなり小さい目でした。
あたかも浮腫んでるような。
しかも何故か、見える訳ないのに、
橋の下の川の所まで見えていて、
そいつらは、1つの根元から伸びていました。
( え、、、? 何これ、、、)
私はしばらくの間、
目が離せませんでしたが、
( このままじゃいけない ) と思い、
みんなが見ている反対側の方を向きました。
しかし、あまりの恐怖に
手はガクガク震え、口も聞けません。
すると、隣にいた先輩が、急に手を握ってきました。
( 私の様子がおかしいと思ったのでしょう )
「みんな、もう帰るぞー」と言いました。
けもの道の間も、
私の事を引っ張るように、手を握ってくれていて、
私がどれだけ安心できたことか。
やっと車に辿り着いた時に、
先輩は、何も言わずに手を離しました。
そして無事に大学に戻ってきました。
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後から、その先輩に、冗談ぽく聞きました。
「何で、手を握ってくれたんですか?
先輩の彼女さん、かなりのヤキモチ焼きなのに。
こんな事が分かったら、私、殺されますよ」
「うーん、何でだろ?
なんかさ、お前の後ろにさ、
お餅みたいなヤツがいて、有り得ん話だけど 笑。
手を握って引っ張らなきゃって思ってさ」
「そうなんですか、、、。
あ、ありがと、、、」
と、私がお礼を言い終わる前に、先輩は、
「次はさ、あそこの心霊スポット行かない?」
と、楽しそうに言いました。
「良いですねー!いつ行きます?」
私も、何だか楽しく返事をしていました。
よく、水死体は水分を含み、ブヨブヨになってて、
顔も身体も浮腫んでいると聞きますが、
私が見たお餅みたいなヤツらは、
一体何だったんでしょう?
しかも、根元が1つだったと言う事が、
1番の謎です。
まあ、そんな事がありながらも、その後も懲りずに、
心霊スポットへ行って居ましたが 笑。
ただ、
私が絶対に車から降りられない場所が、
2つありました。
それはまた、そのうちお話します。
作者退会会員
実際の体験ですが、文章にすると、あまり怖くは無いかも知れません。期待外れでしたら、申し訳ありません。
あと、長文すみません。