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私は高校を卒業し、他県の大学に通うため、
1人暮らしを始めました。
しかし、やっぱり寂しいものです。
毎晩、親や高校時代の友達に電話していました。
当時、私の住んでいたアパートは、
とにかく家賃が安く、
なので、必然的にボロアパートでした。
あまり裕福では無かった実家で、精一杯やり繰りしてくれたのでしょう。
私はそう思い、そのアパートで暮らし始めました。
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1、2ヶ月を過ぎたあたりでしょうか。
私は部屋の突き当たりの窓に、平行にして
ベッドを置いて寝ていました。
ある日、私は、本を読みながら寝落ちしてしまいました。
( うん?、、、)と、
何となく、目が覚めました。
身体は動きません。
以前から、こう言う体験は、何度もしてきたので、
慣れてしまってると言うか、
( あー、また金縛りかぁー )
と、そんな感じでした。
すると、窓から誰かが入って来ました。
( あらー、誰が来たなぁー )
と、いつものように、余裕と言うか、
そんな感じでした。
その人は、何となく男性だと分かりました。
彼は、最初、私の足元に居ましたが、
それから、ベッドの上を歩いている感覚が、
伝わりました。
私の身体をまたぎ、その足は、
どんどん私の顔の方に、近づいて来ます。
そいつは、私の目の前に居ます。
その時、私は、やっと恐怖を感じました。
しかし、私は、
自分で、自分が寝ている部屋全体を、
第三者の様に見る事が出来ました。
おかしな話ですが、
私は以前から、意味不明な体験をした時に、
まるで、他人からの視点の様に、
部屋中を見渡せる、と言う事が何度もありました。
自分で、自分を見れる言うか、、、
今の、自分の状況を見れると言うか、、、。
私自身も、何故なのかは分からないのですが。
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私は、私を見ました。
私に覆いかぶさってたのは、
やはり男性で、水泳選手の様に逆三角の、
かなり体格の良い人でした。
色は周りが青で、中に進むにつれて白かったです。
( 何じゃ、こいつは、、、)
しかし、
私は、金縛りに遭い、訳の分からないヤツが来た時に、
つまり、今の、この様な場合、
視覚と触覚はあるんです。
ただ、聴覚だけは働きませんが。
顔は、ぼやっと見えました。
普通の若い男性だと思います。
ただ、今回は、視覚があまり働きませんでした。
何となく違和感を感じ、
( 助けて!この人イヤだ!
南無阿弥陀仏、、、南無阿弥陀仏、、、)
私は心の中で叫びました。
しかし、効果は何も無く、
私の中に、そいつが入って来ると言うか、
フワッと私に溶け込んだかの様に居なくなりました。
その瞬間、身体は自由になりました。
( えっ? 何、、、?
あの人、何処に行ったの、、、?)
そんな感覚にとらわれました。
その後も、度々、彼は現れました。
いつもと同じように。
私は母に、相談しました。
すると、
1つの大きなクマのぬいぐるみが、
母から送られてきました。
クマの首には、御守りが巻かれていました。
しかし、母には悪いのですが、
何にも効果はありませんでした。
実際に、
自分の体調に影響が出る訳でも無いですし、
意味の分からないまま、
だけど、あのアパートで寝るのが怖くて、
友達の家を転々と泊まっていました。
久しぶりに、
自分のアパートに帰ってみても、
彼は、現れない時は、全く現れませんし、
ホッとしてると、連日、現れたりします。
正直、だんだん慣れてしまいました。
足元から近寄って来るのも、
最後には、私に溶け込む様な感じで、
いなくなる事も。
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その後、何年か経って、私は実家に帰りました。
その頃にはもう、彼は現れていませんでしたし、
逆に忘れていました。
そうして実家で暮らし始めて、
1ヶ月くらい経った頃でしょうか。
実家での私の部屋は、
窓に対して垂直な形で、ベッドが置かれており、足元が窓側に向いていました。
それは、私の実家は飲み屋街にあり、窓の方に向いて寝ると、うるさくて寝られなかったからです。
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その夜も、いつもの様に自分の部屋へ行きました。
本を読みつつ、
いつの間にか、私は寝てしまいました。
夜中に目が覚めました。
( うん、、、? 誰か来た、、、? )
その瞬間、はっきりと目が覚めました、
足元に誰かいます。
( あっ、、、) と思いました。
彼です。
気付いた時には、既に、彼は近づいて来ていました。
( え?実家なのに、、、?
何でヤツが来るの、、、!?)
そう思い、軽くパニックになりましたが、
以前と同じく、
彼は、私の顔ギリギリまで近づくと、
フッと私の中に溶け込んで行きました。
私は思いました。
( もう、イヤだ。
あいつが来られないようにしたい。
窓が無ければ、
あいつは来れないんじゃないの?)
そう思い、
私は、窓の無い部屋で寝る事にしました。
家族にも訳を話し、理解してもらえました。
それからは、快適な夜だったのですが、
しかし、とうとう彼は来てしまいました。
私の足元の襖の前に立っています。
そこからは、いつものパターンでした。
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幸いな事に、最近、彼とは会っていません。
しかし、身体に溶け込む様な感じだけは、
今でも覚えています。
一体、彼は誰なのでしょう。
何故、私に付きまとうのでしょうか。
そして、いつになったら、
私の足元から、居なくなるのでしょうか。
毎晩、( 今夜、来るのでは、、、) と考えます。
でも、最後に1つだけ、不思議な事があります。
彼が来ると怖いのに、
何故だか、安心感があるのです。
何だか分からないけど、安心するのです。
逆に、来ないと不安になる様な、、、。
そんな自分が、逆に怖いです。
作者退会会員
長文すみません。
良かったら読んで下さい。実体験です。