今回は番外編です。
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稚拙な文章などあるかと思いますが
お付き合い下されば幸いです。
今回は私の私生活の話です。
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私と妻の休日の過ごし方といえば
専ら神社仏閣巡りと御朱印集めです。
元々あまりまともな趣味(心霊スポット巡りw)
も持ち合わせていない私にとっては
妻に付き合う単なる時間潰しといったところでした。
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ですが始めてみると元々歴史好きの私にとって、この趣味はまさに巡り合わせでした。
私は神社の創建にまつわる歴史の由緒書きや建造物に過去の歴史の息吹を感じ(特に千社札)
妻は(まさに悪魔の化身と言わざるを得ない普段の行動を悔い改める為に....)お気に入りの御朱印帳に丁寧に御朱印を納めます。
私達は神社仏閣を巡る際に、当たり前の事なのですが、必ずルールを守ります。信心深い訳ではないのですが、日本の神道や仏教の考え方が、個人的に非常に素晴らしく思えるから、好きなものには敬意を払いたい。という考えからです。
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知ってましたか?
日本の神社仏閣の数はコンビニなんかよりも遥かに多いそうです。
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仕事から帰ると妻は明日の御朱印巡りのルート決めに余念がありません。妻は御朱印をインスタに上げており、御朱印の繋がりから多くの友人を得たようです。
最も宗派や教え云々は妻にはどうでもよく、可愛い?御朱印が納められれば幸せなようです。
昨日は私は仕事で参加できなかったのですが、実家近隣のお寺でお茶を飲みながら御朱印を見せ合う会に参加したようで、御朱印の情報交換をしてめぼしい神社仏閣を決めていたようです。
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そのお寺の住職の奥様も自身で収集することはさすがにしていませんが、別宗派や神道の御朱印を見せてもらい一緒にキャイキャイはしゃいでいるんです。w
私も参加させて頂いた時はお寺の畳の匂いを嗅ぎながら庭を眺めて頂くお茶の美味しさに心が洗われるような気持ちになります。
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「あ、そういえば昨日の会の参加者が貴方の好きそうな話してたよ。」Googleで行きたい神社の効率的な回り方を検索しながら唐突に妻が言いました。
「うん?」
「なんかさ、書き置きの御朱印でお金は賽銭箱に入れておいて下さいっていうところも結構増えたじゃん?」
「ああ、流行りに乗るというか、商売上手というか確かに増えたね。」最近では無人の神社仏閣も多く、書き置きの御朱印も増えていた。
「それで、それがどうかしたの?」
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「うん、なんか変な御朱印があるらくて、見た目は凄い可愛くてカラフルなんだけど。普通とは違うんだって。」
御朱印は大概の場合中央には御題目(使い方間違ってるかもしれませんが)南無妙法蓮華経や南無阿弥陀仏とか、不動明王等御神体の名前が書かれていたり、神社仏閣の名前と日付、後は由来のある詩や絵などが入ります。
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「なんか梵字っていうのかな?それで書かれてるみたいなんだけど...」
「うん」
「その人はなんて書かれてるのか気になって調べてみたらしいんだよね。ただそれがどう見ても、梵字で
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死ね
shake
って書いてあるんだって...」
一瞬空気が凍りつくような衝撃が走りました。
「梵字なんか、全部同じに見えるけどな。なんかの見間違いじゃない?どこのお寺さんで?」
「それが、日付も入ってなくてわからないみたい、ただ御朱印帳の前後に入ってる神社の名前から本人は目星はついてると思う。多分適当に突撃した無人のお寺さんにあったものみたいだよ。」
話を聞く限りでは私達が明日向かう方向の市内、興味をそそられる話だ。正直に私はそう思いました。
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それを察知したのか妻は
「ダメだよ。行かない。住職の奥さんもあんまりいいものじゃなさそうだから御朱印帳ごとお焚き上げした方がいいんじゃないかって。」
住職の奥様も何か感じることがあったのだと思います。
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余計に気になる......布団に入りながらずっと考えてしまいます。
横で寝息を立てている妻は、深く思考することはあまり得意としていません。
私は深く考えることが好きです、深い思考を重ねると、意識がどんどんと深いところに吸い込まれていくような、闇の中に溶け込んでいくような感覚になります。一種のナルシズムなのかもしれませんがw
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その御朱印に書かれている梵字が事実「死ね」であったとしたら、人が無差別に誰かを呪う目的で書いていたのなら、大層な悪戯だ。
だが、日本の神社仏閣には荒ぶる神々も祀られている...梵字だから仏教系だと思うんだけどなー、災いをなす神は神道の18番のような気もする...
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そもそも神道の八百万の神々は人間に対してどうのとかあまり気にしてない。至って利己的で愛嬌(すいません)のある神々だ。悪い意味で本物の神の悪戯な訳ない。
まあ、実際に調べてみればいい。
そう思った私の魂胆に気が付いたように横から妻の歯軋りが....
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後日私はある情報(妻を通して聞いたw)を頼りに1人で該当と思われるお寺を調べに行きました。
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そこは確かに無人の御朱印を本堂にて販売しておりましたが比較的に有名な安産祈願のお寺でした。本堂の左側には大きな男性器の御神体が本堂の右側には女性器の御神体が鎮座している....(スゲーな。これ)
撫でられすぎて木製の性器の御神体は共にテカテカしてることも凄みを増しています。
私はいつも通りお賽銭を納め、本堂にて手を合わせます。
少し神様に怒られているような空気もしたのです。安産祈願や子宝に恵まれない方達が藁にもすがる思いでお参りするお寺に興味本位で訪れたことに対して、後ろめたい気持ちになりました。
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御朱印は頂かない事に決めていましたが、お気持ちは納めていく事にしました。そこに並んでいる御朱印は安産祈願や子宝祈願等が可愛いピンク色の台紙に赤ちゃんの絵と共に書かれておりました。
(印刷とはいえ悪いものじゃない。日付も毎日入れているのか今日の日付だ。)
梵字で書かれているものなどどこにもありませんでした。
違うお寺なのかもしれない。
そう思い私は寺を後にします。寺の山門をくぐり私は振り返ってもう一度手を合わせました。
私が駐車場の車に乗り込もうとした時、駐車場の別の車から夫婦と思われる男女が降りてきました。
明るい雰囲気ではなかったから恐らくは子宝に恵まれていない夫妻なのだろう。そう思いました。
帰りの車の中で昔聞いた事のある怖い話を思い出しました。
ある神社で人を呪う目的で書かれた絵馬がかけられていた事がある、そんな話だったと思います。
もしかしたら、その御朱印擬きも悪戯などの軽い気持ちでなく、子宝に恵まれなかった人物が人を呪うつもりで書いたものかもしれない。
誰かを呪う目的で書かれた御朱印擬きだとしたら、その人物は完全に精神の平衡を失っている....その念はまさに怨念、どれほど世の中を恨んでした事なのだろうか?......
住職の奥様が言ったようにお焚き上げした方が良いだろう。『人を呪わば穴二つ』
その時私の頭の中にある言葉が浮かびました。
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≪御呪印≫
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あれ?貴方の御朱印帳の中身......
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大丈夫ですか?
完
作者Shootingstar
今回は事実に少し物語らしい色をつけております。
ご容赦下さい。