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中編4
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病院で働く人

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私が、大学を卒業した頃だったでしょうか?卒論やら、なんやら忙しくて、

久しぶりに、地元に帰省しました。

相変わらずの景色もありますし、

こんなビルあったっけ?などと、時代の流れめ感じました。

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実家に着き、しかし何もする事も無く、

ぼんやりしていると、

幼なじみのユカを、急に思い出しました。

「 ねぇ、おかん、

昔、仲良かったユカって、まだ、S町に

住んどるの?」

「 何や、急に。

ユカちゃん家は、あんたがユカちゃんと

遊ばんようになってからは、

あんまり知らんわ 」

そりゃそうだ。と、思いつつも、

私の僅かなる連絡先を辿り、ようやくユカに繋がりました。

「 えっ? Kちゃん?久しぶりー!

よく連絡先が分かったねー 」

電話でも何だし、ユカも、そう遠くない所に住んでて、久しぶりに会おうよ!と言う話になりました。

当日、私はちょっと緊張してました。

だって、中学生以来、会うのですから。

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駅で待ち合わせして、しばらくすると、

昔の面影が、すこーし残ったユカが来ました。

「 Kちゃん?? 久しぶりー!」

昔と変わらない、ユカでした。

ユカは、結婚していて、

お母さんになっていました。

その後、近くの居酒屋へ行きました。

二人で、昔のバカ話をして、大笑いして、

楽しい時間が過ぎて行きました。

すると、ユカが、

「 ねぇ、Kちゃん?

私のおかんって、看護師しとるやろ?」

と、言い出しました。

「 うん、知っとるよ。

それがどうしたん?」

「 何か、色んな話をしとったわー 」

「 え?どんな話?」

ユカは、かるく酔っ払いながら話し始めました。

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ユカのお母さんが、まだ、

正看で働き始めたての頃、

初めてのラウンドに出たそうです。

勿論、先輩ナースも一緒に。

すると、向こうからお婆さんが来たそうです。いくら働き初めでも、顔と名前は、

何となく分かります。

( あれ、、、? この人、

○○さんのお婆ちゃんじゃ、、、?

トイレ、、、とか、、、? )

すれ違い様、お婆さんは会釈をし、

ユカのお母さんと、先輩ナースは歩き続けていました。

すると、先輩ナースが耳元で、

( 振り返っちゃダメよ。

あの人、3日前に亡くなったの )

ユカのお母さんは、怖くてたまらなかったそうです。

本気で、看護師を辞めようと思った程だったらしいです。

「 それが、今じゃさぁー! 笑!」

と、笑いながら、ユカが言うので、

何?と聞くと、

「 この前、夜勤の時に、

ナースコールが鳴ったんやって。

で、同じ夜勤だった看護師が言うんやと。

「 Uさん ( ユカのお母さん ) 、

ナースコールが鳴ってるんですけど」

って。

で、おかんが

「 どの部屋?見に行ってくるけど 」

そしたら、その看護師が言うたんやって。

「それが、、、

誰も居ない部屋からなんです、、、」

で、うちのおかんは、気にせんで良いよって

その看護師に言うたらしいけど、

その部屋からのナースが、止まらんかったら

しくて。

うちのおかん、どうしたと思う?」

急にユカが聞いてくるから、私は、

「 え?どうしたん?」

としか、聞き返せませんでした。

すると、ユカは大笑いして、

「 おかんね、その部屋行ったんやって。

そんで、ドア開けた瞬間に、

「 さっきから、うるさいわ!

こっちは、仕事で忙しいんや!

邪魔せんといてくれる!?

分かったか!!」

って怒鳴りつけたらしいんや。

そしたら、それっきり、

ナースコールは鳴らなくなったみたいで。

おかん、強いやろー?

アハハハ、、、!!」

( うん、確かに強い。

イヤな不可思議なヤツには、強気で行くのが

良いんだなぁ)

私は、勉強になりました。

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その後、何となくお開きになり、

ユカには旦那さんが、お迎えに来てました。

遠目で手を振り、私は実家へ帰りました。

何だか、ユカと会った事が後悔に感じたり、

でも、貴重な話も聞かせてもらえたし、、、

などと、帰り道、考えていました。

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その後、ユカとは会っていません。

特に、ユカからも連絡も無いので。

私も大学に戻りましたし。

ユカの話した事は、本当にあった事なのかは分かりません。

私を怖がらす為に、作り話をしたのかも。

そんな様な怖い話を、

昔、聞いた事あるかもなぁ、とも思いました。

ただ、最後にユカが、

「 うちのおかんね、” 鬼の師長 ” って

呼ばれてるらしいよ、笑えるよねー!」

と言っていました。

もしかしたら、病院と言う、

人の生死が行き来する場所では、そこまで

精神的に強くなければならないのかもなぁ、と、

ふと思いました。

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