小学生の頃、友達から「自分に霊感があるかを確認する方法」を聞いたことがある。正式な名前は分からないので仮に霊感チェックとしておく。
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霊感チェックのやり方は目を閉じて自分が今住んでいる家を想像する。その家の玄関から中に入り、家の中にある全てのドアや窓を開けていく。そして再度玄関に戻る。戻ったときに何かがいたら霊感がある、いなければ霊感は無い。というものだ。
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友達から霊感チェックを聞いたその日に家でやってみた。
(自分の家)まず玄関を入る、リビングの窓や廊下に通じるドアを開け、廊下の途中にあるトイレのドアと窓。廊下の窓、一階の部屋のドアと窓、二階のドアと窓、ベランダ、二階に行った後、再度玄関へ。
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結局、想像の中の玄関には何も出なかった。「何も起こらなくて面白くないな」と思いながらも反対に「家に一人でいるときに何も起きなくて良かった」と安堵していた。ゲームでもしようと思い目を開けかけた瞬間「ヒュウッバタンバタンバタン!」と大きな音が鳴り、続けて「シュウットン!」や「カラカラカラーッバン!」などという音も次々と聞こえた。おれは目を開けてダッシュで玄関から逃げ出した。幸い玄関のドアは開いたままだった。
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この話にはおかしな点が二つあります。解説の方で詳しく書きますので是非考えてから答え合わせに使ってください。
作者やみぼー
おかしな点の一つは目を開ける瞬間に聞こえてきた(大きな音」です。そしてもう一つは逃げる時に「玄関が開いたまま」であったことです。
音の正体は家の中のドアや窓を閉める音だと思います。普通、家のドアや窓を開けっぱなしで外出しませんよね?外出時にそもそも閉まっているドアを開ける人はいないでしょう。玄関のドアが開いていたのは僕が目を閉じている間に誰かが家に入ってきていたからです。普通、玄関のドアは閉めて入ります。習慣的なものなので意識してなくても閉めたはずです。
霊感チェックは降霊術にもなってしまうのかも知れません。