速攻で読める話です。夏休みに暇だった僕はレンタル屋に行きました。真夏の真昼で暑かったので、怖い映画でも見て涼もうと思ったのが理由です。店内はエアコンが効いていて涼しく外の暑さとは対照的でした。しかし薄暗くなっていました。窓ガラスに付いているカーテンが降りていたからです。恐らく直射日光でDVD等が傷むのを避けるためでしょう。
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僕はさっそくホラー系のコーナーに向かい、何を見ようかと選んでいました。何個かケースを手に取り裏表紙を見ていると、何やら視線を感じました。初めはただの気のせいと思い放っておきました。初めのをケースに戻し2個目のケースを取り出したとき、また視線を感じます。試しに3個目、4個目を出したときに視線の正体に気づきました。
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取り出したところに目があったのです。しかもギョロギョロと目玉を動かして時折、瞬きをしていました。あまりのリアルさと気持ち悪さに「うわ!」と声を出してしまいました。すると店員さんがやって来て「どうされました?」と聞くので「あのケースを取り出したら目が出て来たんです」とあったことを話すと。
「あー、それうちの店長が悪戯好きなものでしてそういう仕掛けを作ったんですよー」と言われました。
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「あ、仕掛けだったんですか。めちゃくちゃビックリしました(笑)」と返すと、店員は僕が手に持っていたケースを見て「その作品も面白いですが、こちらも面白いんですよ」と棚にある1つを指差して言いました。僕は咄嗟に「変だ」と思いました。普通、お客に勧めるときは手にとって見せます。と僕が考えていることを他所に店員は「あの作品はですねー、実際にあったことをそのままDVDにしてるんですよ」と話し始めました。
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「あーそうなんですかー」と返しながらも早くここから抜け出さないといけないと思いました。
店員は引き続き説明をしていました。逃げ出す策を練ることに夢中であまり覚えていませんが「あの時のあのおばさんの表情良かったなー」とか「あのイケメンも死ぬ時の顔が」とかなぜか死ぬ瞬間のことばかり話していた気がします。
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逃げ手としてはありふれたものですが「すみません、トイレを貸してください」と言ってその場を離れることにしました。まず、横目で逃げ道を確認して考えたセリフを言いました。そうしたら店員は「お客さん気付いてますよね?」と言ってきました。『もうこれは全速力で逃げるしかない!』そう思い、必死に走って店から出ました。
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今回は解説に「僕が逃げた理由」を書いておきます。色々と考察してから解説を見るという楽しみ方をして頂けたら嬉しいです。
作者やみぼー
僕が逃げた理由はケースを取り出したところにあった目玉のことを店員は「仕掛け」と言っていたが恐らく本物の「人間の目」であること。そう思ったのは目玉はいくらかの店内の光で反射していた。しかし店員の目は両方とも真っ黒で光を反射していなかった。そして「あれ面白いですよ」と店員が指差した時に気づいたが店員の指の爪はとても鋭利で長かった。DVDの説明も殺された人のことを言う。つまり、あのDVDは店員が殺した人を撮影して撮ったもの。店内の目玉は殺された人のもの。ということが考えられます。最もここまで考えられたのは逃げることができて落ち着いた後ですが。あの日は何となくあの店員の異常性を感じ取り逃げました。