短編2
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電話の向こうから…。

これはわたしが小学校高学年の頃の話です。

この日は幼なじみの女友達と遊ぶ約束をしていました。

わたしは公園前で友人を待っていました。

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その時友人から電話が掛かってきました。

電話を出ると

「もしもし今何処に居るの?」

友人がわたしの居場所を聞いてきました。

「公園前だよ。〇〇ちゃんはどこに居るの?」

わたしが彼女に聞き返すと

「〇〇池の前だよ。」

〇〇池とはとても大きくて水深2メートルはある池で子供がよく魚やエビを釣って遊んでいる池でよく釣れると評判でした。

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「公園前だね。今から行くから待っててね。」

友人がそう言っている最中でした。

突然女の人の声が聞こえてきました。

何やらブツブツ言っていますが声が小さくてよく聞き取れません。

そしてその声は段々とはっきりしてきました。

「此処よ、此処」

と女の人は言っていました。

声からして若い女性のようです。

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「此処よ、此処、此処なのよ。」

女の人はただ此処、此処と繰り返していました。

そして次の瞬間、

「此処なのよ、

shake

わたしが…死んだ…場所…

shake

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ハッキリと聞こえました。

それを言ったのを最後に女の人の声はプツリと聞こえなくなりました。

「もしもし?」

程なくして友人の声が聞こえてきました。

「今から公園前行くね?」

友人がそう言ってきたので

「うん…。」

とわたしは返しました。酷く震えた声だったと思います。

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それから暫くして友人は公園前にきました

「ねえ〇〇池の近くに誰かいた?」

わたしは思わず友人に確認していました。

「誰も居なかったよ」

と友人が首を振りながら言っていました。

やっぱりあれはこの世の者じゃなかったのか…。

このとき改めて実感しました。

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この出来事を友人に話すと

「もう怖いこと言わないで〜」

と笑っていましたがきっと内心怖かっただろうと思います。

過去に〇〇池で何があったのでしょうか?

あの女の人の声は過去に〇〇池で亡くなった女性なのでしょうか?

それからというものわたしと友人は〇〇池には行かないようにしています。

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確かにそれもあるかもしれませんね。水深が2メートル以上の大きな池ですので死体遺棄事件の現場に使われてもおかしくないかもしれません…。
何よりあの時は怖くて怖くて仕方がなかったです。

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女性はもしかしたら、自分の遺体を見つけて欲しいのかもしれないですね。

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