中編3
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ドンッ

バタン

ギィギィ

ドサッ

ガラガラガラ

ドンッ

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夜中にこんな音が聞こえると私は友人のS子さんに相談されました。

私は霊感が強く、視えることがあるので

周りの人から、頼りにされることがありました。

ですが、視えることがいいことではありません。

見たくないものも視えるわけですから。

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久しぶりにS子さんに会い、積もる話もあったので

その日は泊まることにしました。

部屋はアパートの3階でリビングの他に洋室が2室和室が1室ありました。

時計の針が11時を指していた頃です。

辺りはもう暗く、住宅街は静まり返っていました。

不気味な音について話を聞きました。

話の内容はこうです。

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夜中の3時半頃

決まった時間にその音がなり

音がする和室へ入っても何も無い。

すると、後ろから何かが開く音が聞こえる。

見てみるとバルコニーへ通じるガラス戸が空いていて

数秒後

ドンッ

と音がなる。

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そういった話でした。

私たちは時間になるまで待つことにしました。

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時計の針は2時33分を指していました。

すると、バタンと和室から聞こえてきました。

いつもより1時間速いことに気が付きましたが

私は急いで和室へ向かいました。

そこで見たものは忘れもしません。

彼女は視えないのですから音しか感じません。

ですが、私には全て分かったのです。

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バタン

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縄に首をかけた状態で椅子を蹴る

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ギィギィ

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吊られた体の重さで天井が悲鳴をあげる。

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ドサッ

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重さに耐えきれず落ちてしまう。

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途中で落ちてしまったので

死にきれずに

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ガラガラガラ

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バルコニーのガラス戸を開け

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ドンッ

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自分にとどめをさす。

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おぞましく、恐ろしい光景でした。

いろいろなものを見てきた私でも

目を背けたくなるような光景です。

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私は引っ越した方がいいとS子へ勧めました。

ありのまま伝えては酷だと思ったので

少し子供のお化けがイタズラしている。

そうとだけ伝えました。

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私たちは何かが起きたらすぐに逃げられるように

リビングへ布団を引き

横にあるバルコニーへのガラス戸にしっかり鍵をかけ眠りにつきました。

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私が目覚めたのは

時計の針が3時30分を指していた頃です。

和室の方からバタンと音が聞こえました。

見に行こうとしますが

バルコニーの方へ目を向けたまま金縛りにあって動けませんでした。

さらに、バルコニーの方でS子が寝ていたはずですが

姿がありません。

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バタン

と音が聞こえました。

その瞬間私はS子の事で頭がいっぱいになりました。

体は一向に動きません。

バルコニーへ目を向けたまま音を聞いてる事しか私には出来ませんでした。

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ギィギィ

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ドサッ

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そして、バルコニーへ向かう姿は

やはりS子でした。

私は必死に止めようとしましたが

体も動きません。声も出ません。

S子はバルコニーへ向かって歩いていきます。

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ガラガラガラ

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ペタ

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ペタ

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ガシャン

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wallpaper:4963

shake

グシャ

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これは恐ろしい。映像として頭に浮かんできます。

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