中編4
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縁切寺

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私が大学に入りたての頃に、校内で、

ある男性を見かけた。

ヤバいくらいカッコイイ。

顔は、ジョニー・デップ的な?

( うっわぁー、

うちの大学にも、

こんなカッコイイ人、いるんだぁー )

なんて1人で、キャッキャしていた。

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それから1年後、

私はその彼と、とある飲み会で、再開する。

( やっべー!あの人だ! )

勇気を振り絞り、

その人に話し掛けてみた。

「あぁ!?なに?」

( うっわー、なんて人だ、

イメージ型崩れですけれども )

そう思い、立ち去ろうとしたのだが、

彼が、

「お前さ、片桐は〇りに似てるな、

おもしれー」

( 絶対に、似てません!髪型だけです。

これは、私のプライドを賭けて、絶対に似てません!)

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そこから、私はその先輩と、何故か仲良くなった。

その先輩は、

「怖いもんなんかねーよ 笑。」

と言う、強気中の強気な人だった。

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ある日、私はその先輩に聞いてみた。

「だけどさー、先輩にだって、

過去に、ヤバいくらい怖かった事ってあるでしょーよ。」

すると、暫く考えていた様子だったが、

「あ、1回だけあったわ。」

「なに!?」

「言わない。」

何だよ、それ、と思いながらも、

「教えてー」と、100回くらい言うと、

渋々、101回目で、話してくれた。

「オレがさ、高校?ん時にさ、

男仲間5人くらいで、

夜、集まってたんだよな。

で、そん時は夏でさ、『肝試し』とか言う話になってさ、

1人のヤツが、気味悪い場所があるらしい、とか言い出したんだよ。

オレらは、すぐに行こうって、

5人で向かったんだけどな。

そこって、『縁切寺』って呼ばれる寺で、

本来は、病気とか悪運から、縁が切れるようにってお願いするとこらしいんだけど。

で、オレらは、こっそり夜中に寺に入ったんだよな。

でもさ、普通の寺でさ、

『どこが怖えんだよ!?』

と、周りはキレてたんだけど。

『いや、気味悪いって聞いたからさ、』

言い出した本人は、かるく焦ってたけど。

とりあえず、暗闇の中で、

懐中電灯1つで歩き回ってたらさ、

いきなり懐中電灯の明かりが、ある1本の木に向けられて。

そしたらさ、

その木には写真が貼り付けられてたんだよ。男と女?が写ってる写真。

でもさ、女の顔には、

釘やら針やらが全面に刺さってて、

もう、数え切れないくらい。

ぎっしりと顔中に刺さっててさ、

それを見た瞬間、オレ達はダッシュしたよ。

大の男5人がだよ?

あれは、マジで怖かったっつーか、

ビビったね。」

「へぇー、

先輩が逃げ出すくらいだから、

相当の恐怖だったんだねー」

私は、あまりピンと来なかったので、

( 何で、

この強気の代名詞と呼べるような先輩が、

そこまでビビったんかなー?)

と、素っ気ない返事をすると、

いきなり先輩がブチ切れ始めた。

「おめぇ、あの怖さが分かんねーだろ!?

だから、オレは、

幽霊なんて信じねえんだよ!!

人間の方が、よっぽど怖えからな!!」

確かに、そう言われて思った。

その釘と針が刺さっていた写真は、

明らかに現実だ。

現実に、誰かが行ったものだ。

「、、、うん、、、

確かに、怖いわ、、、」

私は、少しゾッとして、そう言った。

「そうだろ?」

と、いつもの先輩だった。

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『縁切寺』について調べてみたが、

やはり今でも、

そのお寺の木には、そう言った類の写真が

数多く貼り付けてあるらしく、

そのお寺のご住職が、

毎朝、1番最初に行う事は、

『そういった写真を剥がしに行く、』

と言う事らしい。

よっぽど恨みを持った人間とは、

何をするか分からない。

痴情の縺れで、

その相手を殺したいくらいに憎み、恨み、

自分の愛する人と、

その、憎くてたまならい相手との縁が切れる様にと、

『縁切寺』の木で、その木の下で、

恨みを晴らそうとしたのだろう。

恨みの念を抱きながら、

釘を、何本も何本も打ち、

針を、1本1本刺したのだろう。

私は、『丑の刻参り』を思い出した。

『丑の刻参り』は、その姿を誰かに見られると、その相手を殺さないと、自分に呪いが帰ってくると言われている。

( 諸説あると思います )

まぁ、私からしてみれば、

『丑の刻参り』をした時点で、自分の事など、どうでも良いと思うけれど。

ただ、今回の『縁切寺』には、

そう言ったルール?が、無いらしく、

比較的、簡単な恨みを晴らすやり方なのかも知れない。

しかし、細い細い針を何時間もかけて、

何本も何十本も、いや何千本も刺していく、

それは、

恐怖と言うよりかは、

狂気じみた人間の性 ( さが ) を感じ、

ゾッとし、

そして、時間が経てば経つ程に、何故か怖さが増していった。

この世には、不可思議な現象、

そして生きている人間が起こす現実。

怖さの意味は違うけれど、

両方、不気味で恐怖に感じるのは同じだ。

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