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短編2
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A BRITISH FAIRY TALE

とても美しい娘、ベアトリス。

村の男達は、ベアトリスに夢中だった。

日夜、ベアトリスの家にやってきては各々の口説き文句を口にするのだった。

しかし、ベアトリスは男達を適当にあしらったりはしなかった。一人一人の口説き文句にじっと耳を傾け、傷つけないように断るのだった。

そんなベアトリスに皆、ますます魅了されていった。

そんなときである。ベアトリスにある容疑が掛けられた。

ここ最近、若い娘が失踪する事件が起きていた。

いまだに犯人は捕らえられていなかったのであるが、その犯人がベアトリスだという者が現れたのである。

それは村の女衆であった。

彼女らはベアトリスが悪魔と契約するために若い娘を生贄にしたというのである。

そんな突拍子のない話を男達は信じようとはしなかったが、女衆のあまりに騒ぎ立てるのでベアトリスの家を調べることになった。

男達がくまなく詮索してみると、確かに儀式をしたような痕跡が見つかった。それ以外にも、どこで手に入れたのかわからないような魔術に関する本も見つかった。

男達は驚愕した。

一方、ベアトリスは全く身に覚えがないと主張した。

が、女衆はベアトリスを責め立てた。

若い女の生き血を飲んでいるなど、魔術で男達を惑わしているなど、挙句の果てには地獄に落ちろなどと、責め立てられる始末だった。

女衆達は必死で男達を説得した。奴は魔女だと、惑わされるなと。そう説得されつづけられた男達はついにある結論に達した。

それはベアトリスを死刑にすることだった。

魔女狩りである。

彼女は悪魔と契約したとしてそう求刑されたのだ。

ベアトリスは否定し続けた。なんども否定し続けた。

だが結局─。

絞首刑に処された。

本来であれば、火あぶりの刑だった。しかし、ベアトリスは最後の最後でそうお願いをしたのである。

魔女として処さなくてはならないものの、情が捨てきれなかった男達はその願いを聞き入れたのであった。

こうして、ベアトリスという娘は絞首刑に処され、棺に収められることとなった。

しかしその後─。

たった一夜にして、村人全員が謎の死を遂げる。

首には鋭い牙で噛まれた跡があり、干からびたように皺々の死体が村中に転がっていた、という。

偶然、その村を通りかかった商人がそう言い残している。

そしてもう一つ奇妙な点、それは墓が一つだけ掘り起こされていたことであった。

空っぽの棺だけが残されていたのである。

ベアトリス、墓石にはそう書かれていたという…。

ちなみに─。

この物語の原題は「枯れない薔薇の契約」である。

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