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短編1
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年明け早々の車怪

休みの日の昼下がりに、のほほんと私は寒空を見上げてブルブル震えながら、愛車を停めた場所の斜め向かいをチラ見した。

黒い国産車輛がヌウっと姿を現して、牛乳屋の硝子張りの出入り口に横付けされる。

直後に、黒い車輛の出て来た所からいつの間にやらシルバーのドイツ車輛………フォルクスワーゲンが出て来ていたのだが、黒い車輛の後ろに居ただろう僅か数秒の内に音も無く現れ、尚且つ運転手の姿も見当たらない………

「ウヒョーっ♪」

本来、違った意味で身震いしつつ恐れおののくか、「見間違いだ」とでも割り切って、さっさと立ち去るのが通常だろうが、私は目の前のおかしな出来事に腹の中で歓喜した。

又、怪異が舌打ちしているのかな………むふふ。

Concrete
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