短編1
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見掛けたよ

学生時代……大学の時の変な話でも。

講義が休みだったりすると、下宿で飯を喰い終えると、晴れの日なんかは駅前迄自転車を漕いで、のほほんと過ごすなんてのが楽しみの一つでありまして、友人が出来る迄はそんな真似をしながら、目的は近場に無い百円均一やら雑貨やらと、掘り出し物を見付けては小躍りしておりました。

中高生と、いわゆるぼっち同然な私にも大学に入ると友人が出来始めて、野郎で連れ立っての小さな飲み会やカラオケに繰り出したりと、女っ気が無いながらも、充実した日々になり始めたのであります。

そんな矢先、友人の一人に訊ねられました。

「がんも、駅前に居たよね?見掛けたよ」

怪訝な顔をして目撃した時間を訊いて見ますと、こちらが講義を受けていた時間……然し、人混みの中で「スイマセン、スイマセン」と手で刀を作って謝りながら隙間を縫う様に歩く仕種……いわゆる手切りがそっくりだったとの話。

「ほへー」と驚いたと同時に、その当人が気になったものの特にその私と似た人物とやらに逢えた訳でも無く……と、落ち無き話で申し訳有りませんで(汗)。

Concrete
コメント怖い
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あんみつ姫さん、他者からの話や体験でも自分の時以上にゾっとさせられる場合も多々有りますしね。「事実は小説よりも奇なり」をまざまざと感じさせられます。

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地味に怖かったです。
実話は、オチがない分、後を引く怖さがありますね。

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