長編14
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イガワちゃん

wallpaper:1063

この話は、

彼らが、嘘をついていなければ、

私が、嘘をついていなければ、

脚色無しのお話です。

ただ、

彼らの、あの表情、あの話し方からは、

到底、嘘とは思えませんでしたが。

そして、長話です。

( 面倒臭ぇ〜 )

うん、そうですね。

ただ、、、これが、あひるなので。

( 好き、嫌い、激しそうですねぇ、、、)

「また、あひるかぁー」と飽きずに、

この話を、皆さんに楽しんで頂ければ、

嬉しく思います。

そして、

もし、良ければ、

この話を読んで頂いた後にでも、

もし、読まれなくても、

私の解説も読んで頂ければ、と思う次第です。

それは、私の本当で、本音です。

separator

その男友達、イガワちゃんは、

私と同じ大学に通っていたのだが、

入学して半年程経って、大学を辞めた。

理由は、色々あったらしい。

それから1年程して、

街で、女友達と2人で飲んでたら、

声を掛けられた。

「ねぇねぇ、2人とも可愛いよね!

この後さ、オレらと一緒に飲まない?

もう1人いるんだけどさ!」

私達は、完全無視。

( この私が、可愛い、、?だと?

君にはメガネが必要なようだ、お気の毒に。)

「あっ、待ってよー!

もう1人のヤツ、

かなりカッコイイからさ、連れてくるし!」

そうして、

どうでも良さそうに連れて来られたのが、、

「あっ!!」

「あぁー!!」

「イガワちゃんじゃん!!元気?」

「Kちゃん?( 私の事です) 久しぶりー!!

で、、、何してんの?」

こう言う天然が、

イガワちゃんの良い所でもあり、

悪い所でもあり、、、。

「友達と、飲んでんの。

そしたら、

ヘンテコな男に声掛けられてたんです。」

「えっ!!何っ!?

2人、知り合いなの?」

声を掛けて来たヤツは、かなり驚いていた。

そりゃあそうだろう、

ナンパした相手が、

連れの知り合いだったなんて。

( オレ、失敗したぁ、、、)

とか思ってるに違いない。

ニヤリ。

しかし、こう言う偶然って、

ドラマの世界だと思ってたけど、

本当にあるんだな、と。

( あ、恋愛とかじゃあ無いです )

まぁ、私達が知り合いとなれば、

もう1人のヤツも変な事はできまい、と、

友達の了承も得て、

近くの居酒屋に、4人で入った。

私は、イガワちゃんが、大学を辞めた理由、

その後、どうしていたのか、

色々聞いた。

私の友達も、何やかんや楽しそうだったから

良かった。

separator

居酒屋が閉店すると共に、

その場はお開きとなった。

「えーっと、カ、、何だっけ?」

私は、

イガワちゃんの連れに言った。

( 本当は名前、覚えてたんだけど。

私、性格悪ぃなぁ〜 )

「オレは、カサイだって!」

「そうだった。

カサイ君、女の子を甘く見んなよ?

ナンパの腕、磨け?

分かったか?」

「分かりやしたぁー!!!!」

他の通行人が、振り返る程に、

デカい声で叫んでいたカサイ君は、

きっと良いヤツなんだろう。

( 酔ってたとしても、たぶん、、、)

ちなみに、

イガワちゃんは下戸で、酒は一滴も飲めない。

帰り際、

「大学時代のヤツらとも会いたいし」

と、イガワちゃんが言ったので、

連絡先を交換した。

「明日さ、

イガワちゃんにナンパされたって、

皆に言いふらしとくわ!」

「ちょ、マジでやめて?」

こんな真面目な所も、変わってない。

「ウソ、ウソ!

とりあえずさ、

皆と飲み会の段取りつけとくよー!

じゃ、マタニティー!!」

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その後、「久しぶりに皆に会えた!」

って、嬉しそうな連絡が来た。

「ふ〜ん、それは、良かったですねぇ〜」

私は急なバイトで、

その飲み会に行けなかった。

うぅ、、、

私のおかげなのに、、、。

周りには、恨み辛みを言いまくり、

また、いつでも飲み会開けるし、と、

なぐさめられたが、ムカつく。

「じゃあさ、

イガワちゃんの都合が良かったら、

今週の土曜日!決定!!

異議がある者は、この場で申し出よ。」

「はぁい、大丈夫でぇす、、、」

皆、素直に飲み会を心待ちにしてくれた。

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イガワちゃんのOKは、取れたのだが、

前日の金曜日の夜遅く、、、

もう、深夜の2時をまわってたかも知れない。

急に、私の電話が鳴った。

イガワちゃんだ。

「もし? どうした?」

「やべぇんだよっ!!」

「何がだよ?」

「今から、

Kちゃんのアパートに行って良い、、、?」

「う、うん、、良いけど。

つーかさ、何があっ、、」

そこで電話が切れてしまった。

何度も掛け直したが、通じない。

と、言うか電話に出ない。

私は、

( 何があったんだ?) と、心配しつつも、、、

あのー、そのー、

私事で、大変に申し訳ないのですがね、

この私、

かなり、かなり、かーなーり、

" 待つ "

と言う事が、とにかく苦手でして、、、

と言うか、キライだ。

10分程で行く、と言われても、

「あんたの10分は、何時間ですかー!?」

って、苛つくし、

しかし、今回は、

いつ来るのか分かんない相手を待つと言う、

かなりのイライラを耐えつつの、

極限状態に達していた。

separator

30分、、1時間、、、。

私の仏心も、仏とはかけ離れてきて、

もはや、鬼に変わりかけていた、、、

そして鬼に変わる瞬間、

「ピンポーン」

ドアのチャイムが鳴った。

鬼は、玄関に向かう。

「いつまで、待たせん、、、」

そこには、イガワちゃんが、

泣きそうな顔で立っていた。

「Kちゃん、オレ、怖いんだけど、、」

「はぁ?

つーか、何があったん?

中、入れば?」

「、、、か、カサイもいるんだけど、、」

「うん。

じゃあ、カサイも中に入れば?」

2人は、

輪郭が点々な、

存在感の無〜い状態で、家に入って来た。

「で!? こんな夜更けにっ!?

( 落ち着くんだ、私、、)

、、、どした?」

暫く2人は黙ったままだったが、

カサイが喋りだした。

「ほら、今日って金曜日じゃん?」

「聞かれなくても、知ってる。

しかも、既に土曜日ですがね。」

「あー、うん、そうだね、ごめん。

あ、のさ、、それでさ、、、

「話してみ?」

「あ、うん、、、。

今日さ、仲良い友達で、

1泊のキャンプに行ってたんだよ、ね。

オレら男5人と、女の子3人と。

最初は楽しかったんだよ?

それがさ、、、」

カサイは、もごもご何か言ってる。

「それが、何?

それを言う為に、

わざわざ家に、来たんでしょうよ?」

カサイは黙ってしまった。

代わりに、

イガワちゃんが話し出した。

「昼間は魚釣ったり、川で遊んだり、

夕飯には、お約束のカレー作ったりって、

皆、楽しんでたんだけどさ、

夜になって、皆、酒とか飲んでて、、、。

それで、お決まりの怖い話とかになって。

皆さ、怖い話をして、

盛り上がってたんだよ。

でも、急に、女の子の中の誰かがさ、

『花火しない?』って。

あ、怖かったんかなぁって、オレ思って。

そんな流れになって、

川の近くに、皆で集まって、

買ってきた花火してたんだ。

そしたら、ライターの火が着かなくなって。

でさ、、、

誰かの火を貰う時って、

タバコとかも、そうかも知れないけど、

『命、ちょうだい』

って、、、言わない?」

「、、、言う、。」

この辺りだけの、方言かも知れない。

自分の地元では、聞いた事が無い。

でも、過去に私も、

同じ事を言った事が、多々ある。

「それで、

最後についてた1本の花火に、

『命、ちょうだい』って、

皆が、自分の花火に火を付け始めたんだ。

そしたらさ、急にカサイが、

『おいっ!!

おまえ、誰だよっ!?』

って。

皆、パニックになって逃げ出して、

でも1人の女の子がさ、

『来ないでっ!!』

とか、何だか言いながら、

川の方に行くんだよ。

行っちゃダメだ!って、オレらは言うんだけどさ、

どんどん、どんどん、川に入ってくの。

何かに怯えてるって言うか、

引きずり込まれてくって言うか。

とりあえず、

急いで、川からは出したんだけど。

でも、意味分かんない事、叫んでんの。

もう、どうしようかと思って、、、。

とりあえずキャンプは、

明日、片付けに来ようって。

オレは、酒飲めないから、

女の子達を送って、

後の他の男は、飲み直しに行くとか。

で、、、

どうして良いか分からなくて、

オレら2人は、Kちゃんのとこに来た、ん、

だけど、、な、」

涙と鼻水を、

これでもかってくらい垂れ流しながら、

2人は座っている。

「、、、、、。

『どうして良いか分からなくて、

オレら2人は、Kちゃんとこに、来た、ん、

だけど、、な、』

って、何じゃそりゃ。

私には、1ミリも関係無いのですが。

そして、私、、、

暖かく慈悲深い母でも、

もの凄いパワーを持つインチキ霊能者でも、

何でも無いのですが?

私の家に来ないで、その3人と一緒に、

さっさと、酒飲みに行けっ!!」

「だって、カサイがさ、

Kちゃんとこに、行けば良いんじゃないか?

って言うし、オレも、そうだなぁって、、」

、、、私には珍しく、

ブチ切れなかった。

「その場所って、どこ、、?」

すぐに、パソコンで調べた。

「、、、。

あんたら、バカ?

ここ、ヤバいじゃん、、、」

すぐ、2人もパソコン画面を見た。

「、、、うそっ、だろ、、?」

その場所は、

県内でも有名な心霊スポットで、

川のもう少し上流にある橋から、

飛び降り自殺が、後を絶たないらしい。

「でさ、

その、、、川に入ってった女の子は、

大丈夫なん?」

私が聞くと、

「動揺してたけど、

家まではちゃんと送りとどけた、」

そう、カサイは言う。

「ふ〜ん。

なら、良いけど。

つーかさ、

さっきから電話、鳴ってますが? 誰の?

バイブにしてあるんか知らんけど。」

2人は、初めて気付いた様だった。

それは、、、

カサイの電話だった。

「もしもし、、、どした?

、、、メグ、、、!?

、、えっ、、? うん!?

ちょ、ちょっと、、、お前、大丈夫か!?

うん、うん、、、

今から、すぐ行くから、待ってて?

分かったか?」

カサイが言った。

川に引きずり込まれそうになった女の子が、

何か、ヤバいらしい。

「何が、どう、ヤバいの?」

私の質問に、彼は、

「とにかく、オレ、行くわ」

とだけ言い、部屋を出ようとした。

イガワちゃんが言った。

「メグん家に行くの?

だったら、オレも行くし。」

カサイは黙っていた。

「ね?カサイさ、

その、、、メグちゃん?って子に、

もう1回、電話してみたら?」

「えっ? 何で?

だって、今から行くって、、」

「メグちゃんも、不安だし、

何分くらいで着くよーとか、言ってあげたら、

メグちゃんも安心じゃん?」

カサイは、メグちゃんに電話をかける。

出ない。

そして、2度目の電話でようやく、

電話に出たようだ。

「メグっ!?大丈夫かっ!!」

その後、1分程で電話は終わった。

「おぃっ、カサイ!?

メグは、大丈夫なのか!?」

イガワちゃんが、焦って聞く。

「、、、。

、、メグ、、、寝てた、、みたい、、、」

「えっ?

じゃあ、さっきの電話は何だったんだよっ?

着歴にも残ってんだろっ!?」

珍しく、イガワちゃんが興奮していた。

3人で、カサイの着歴を見る。

" 着信 メグ 03 : 52 "

" 発信 メグ 03 : 57 "

" 発信 メグ 03 : 58 "

ちゃんと、メグと言う子からは、

電話が来ていたようだ。

「でもさ、

メグちゃん?だっけ?

大丈夫そうで、良かったじゃん?」

私がそう言ったが、

カサイは、

何か引っかかってる顔をしていた。

私が言う。

「何?」

「、、、。」

「何!?」

「、、、、、、

いやっ、オレ、、、最初に電話出た時にさ、

聞き間違いだと思うよ?

でもさ、川の音、聞こえてきて、

そしたらさ、メグが、、、」

「メグが?」

「一緒に遊びたいって、、、

言うんだよ、な、、、。

オレ、どうして良いか分かんないし、

すぐに行くから待ってろっ、、て、、。

でも、メグは、家で寝てた、、、。

だけどっ、確かにあれはっ、

メグの、声だった、んだよ、、、」

( うーん、、、

かなり面倒臭い事に巻き込まれた。

正直、メグとか、知らんし。

何て薄情な、、、私。)

、、、、、。

「その川に、行く。」

私は言う。

2人は、目が点だった。

まさしく、こう言う事を言うのだろう。

「早く」

「えっ、だって、、、」

「ヘタレどもめが。

メグちゃんの事、心配じゃあ無いの?

特に、カサイ?

好きな子、守りたくないの?」

「えっ、オレはべつに、、、」

「じゃあ、

志願して下さい。

行きたい人だけで、行きます。」

結局、

3人で車に乗り込む。

イガワちゃん運転、助手席は私、

カサイは後部座席。

「何分で着くのでしょーか?」

「たぶん、夜中だし40分くらい、かな」

「ぁあーっ!?40っぷんっ!?

1回、いや2回、死んで来い。」

separator

着いた川沿いの道は、軽く舗装が、、、

されてない。

「何で、ここ選んだの?」

私が呆れて聞くと、

「分かんない」と言う。

川の方に下りると、

テントや、焚き火の後がある。

ずっと、川のざわめきが聞こえている。

うるさいくらいに。

その音は、周りの音をかき消すかの様に、

うるさすぎる。

私は、辺り一体を見回して言った。

「で、メグちゃんは、

どこら辺から、川に入っていったの?」

「うーん、、、

暗くて良く分かんなかったけど、

たぶん、その辺、かな、」

イガワちゃんが指さした方に、行ってみる。

その時刻になると、暗闇は姿を消していたが、

しかし、

山の中と言う事もあり、正直、ボヤけた感じで、

あまり良くは分からず、

霧も出ていた。

「ねーぇ!!懐中電灯とか無いのー?」

「車にあるわ、」

急いでイガワちゃんが、懐中電灯を持ってきた。

岸辺から、川の辺りを照らす。

何も無い。

「ねぇ、カサイさぁ、、酔っ払ってて、

電話から、川の音とか聞こえたんじゃん?」

「いやっ、絶対に違うしっ。

しかも、花火してる時にっ、

オレら以外の誰かが、1人、、いたんだ、よ。」

うん? と、私は思う。

「ねぇ、カサイさ、

ここから、メグちゃんに、電話してみ?」

「えっ?だって、メグは寝てる、、、」

「うん、知ってる。

だから、電話、かけてみ?」

カサイは、嫌そうに電話した。

コールが鳴っている。

あれ、、、?

「あっ、もしもし? メグ??

寝てたのに、ごめんな、

、、はっ?

、、、何言ってんの!?

お前、大丈夫か?

ちょ、ちょっと待ってっ!!」

何故か、私に電話を渡す。

「はぁ!?

あんたの友達だろうがぁー?

何で私に、電話を渡すの!?

意味不明ですが?

しかも私、

この子の事、知らないんですけど。

イヤなんですけどーっ!?」

しかし、カサイは、

" お願いしますポーズ " をする。

ブチ切れ寸前で、軽い舌打ちをしながら、

電話に出てやった。

(「出てやった」だと。偉そうな私。)

「あー、もしもし?

私は、Kと言う者でして、、、

カサイ君とは、友達?と言います、か、、。

あなたは、

メグちゃん、、?ですか、、、?」

「えーっ?

カサイ君と友達なのぉー?」

非常に可愛い声。

しかし、私の問い掛けに対しては、

名前を言わない。

「じゃあさ〜、

一緒に遊ばない? キャハハッ!!

楽しそぅーっ!!

イガワ君もいるでしょ? そこに、、、。

4人でさ、遊ぼうよ〜!!

ねっ? 良いでしょぉ?

K、、、ちゃぁん、、?」

(怖ぇー、ヤベぇー、、、

逃げて良いですかぁ、、、?

、、、、、、、。

、、くそぅ、

だけど、このままだとムカつくしな、、、。)

もはや、

何に対するムカつきなのかも、

分かりゃあしない。

しかし、この、ムカつく感情で、

今まで、何となく無事に?、、、( えっ?)

やって来れたのだろうか。

" うん、悪いけど、

あんたの思い通りにはならない、

人間もいますが? " と。

「( クソったれめぇーっ!!)

、、、何で、イガワちゃんがいるの、

知ってるの、か、なぁ〜?」

「えーっ?

だってさぁ、見えてるしっ!」

「、、、、。

そうなんだぁ?

ところでさ、何して遊ぶの?」

「えぇ〜、分かんなぁい。

でも、楽しい事が、、、良いよねぇ?

Kちゃんも、そう思うでしょぉ〜?」

何故だか私は、刺激しては、ダメだと思った。

そして、

( ヤダよー、こんな事に巻き込まれんのー )

と、ムカつくよりも、涙ぐむ。

( 一体、どうしたら良いんだいっ!?)

、、、、、、

私は、ちょっと考えてみたらしい。

( 定かでは無い記憶だった。

正直、今までも、これからも、

記憶があまり無いと言う出来事は、

数える程しか無かった。)

「あっ、メグちゃん?

それで、、メグちゃんはさ、、、

今、どこに、、いるのかなぁ?」

「えっ、見えないの?」

「うん、、、

私、視力悪くてさ、ごめんね。

だから、、」

「私の事が、見えないっつーの!?

どこにいるのか、分かんないのっ!?

よく見てよっ!!」

メグちゃんは、ブチ切れ始めた。

「ごめん、ね?」

私は、素直に謝った。

だって、本当に分からないし、見えないから。

「もっとさぁ!!

ちゃんと探してっ!!

カサイ君も、イガワ君も、Kちゃんも、

皆で、ちゃんと見つけてよっ!!

、、、そしたら、、

一緒に、、楽しく遊べるじゃん?」

「そうだね、

周りも、明るくなって来たから。

だけど、見つけるの、大変かも知んない、、。

3人でさ、

一生懸命にメグちゃんを探すけど、ね?

でも、、、

私達の事が見えてんなら、

メグちゃんが、

こっちに、、

来れば良いんじゃない、ん、かな?

それは、、無理かな?」

「あっ、、、

それもそうだね?

ヤダぁ〜、

私ったら、気づかなかったぁ〜」

「うん。

じゃあ、、、待ってるね、

メグちゃん?」

私がそう言うと、途端に、 電話は切れた。

私は、川緑を暫く見詰めていた。

イガワちゃんは、何も言わなかった。

しかし、カサイはうるさかった。

と言うか、ウザかった。

separator

それから小一時間、そこに居た。

「ねぇ、もう帰ろうよー、

オレ、、怖ぇし、、、。」

( カサイのくせに、クソみたいな事を言うな。

あっ、ジャ〇アンみたいな事を思ってしまった。

すまない、カサイ、、、)

separator

それから暫く経ち、私はカサイに言った。

「まず、警察に電話。」

そして、、、

それは、止めといた。

「何で、警察なんだよ!?」

そんなカサイの言葉に、

私は川緑を、静かに指差した。

いくら、カサイでも状況を飲み込めたらしく、

すぐに電話を掛けていた。

separator

それから、1ヶ月ぶりくらいに、

イガワちゃんから連絡があった。

「カサイが、また会いたいって。」

「うんっ!ありがとう!

しかし、私は会いたくはないっ!!

、、、で、

その後、メグちゃんはどう?」

「全然、ふつー。

笑っちゃうくらい。

しかもさ、カサイと付き合ってるらしいよ?

かなり、笑えるよな!」

私は、ホッとした。

そして、イガワちゃんに言った。

「でさぁー、いつ飲む?」

電話口で、

イガワちゃんの笑い声が聞こえた。

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@まっちゃり
まっちゃりさん、いち早いコメントを、
ありがとうございます!
今回の話は、大学時代の話を題材に
しました。
しかし、それと共に、
「よく分からないもの、」
に対する相談を受けたり、、と言った際の、
私のスタンスと言いますか、
こう言う感情で、言葉を発し、
そして、行動してます、と言ったものを示す、
良い機会になりました。
これを読まれた、どなたかにしてみたら、
「何と軽はずみな!」と、
お叱りを受けるやもしれません。
( お叱り、受付中です。)
しかし、これが、あひるでございます。
頼って下さる方が、
いらっしゃった事だけでも、嬉しく思う次第です。

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