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中編3
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おれの過去

これは小学生の時の話だ。修学旅行に行くためのバスでのこと。

おれは一番後ろの窓側の席に座っていた。バスが道路を走る中、外の風景をぼーっと見ていた。

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バスに乗って何分か経った時に担任の先生が

「みんなー!バスに乗っていると退屈かも知れないから一人ずつ今までの思い出とか、みんなの過去のことなんかを話していきましょう」と言った。

みんなと過ごせるのは今年で最後だからそういうのも良いだろうと思って聞いた。

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さっそく先頭から順に話し始めた。最初は小さい背丈のTくんだった。

「僕は両親から虐待されて育ちました。なので小さい頃の思い出はお父さんとお母さんからタバコの火を体につけられたことです!」

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僕はこの時点でとても怖くなった。普通なら重苦しい空気になるはずの話なのにみんな笑って聞いていたし、Tくんも意気揚々と話していたからだ。

続けてTくんは

「僕の体に残るタバコの火傷はお父さんとお母さんから貰った愛情の証です!」と言って締めくくった。

先生も含め、僕以外のみんなは良い話だと言わんばかりの表情で大きな拍手をした。中には感動のあまり泣いている者もいた。

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「とっても良い話でしたね。Tくんありがとう。それでは隣のAさんお願いします。」と先生はTくんの隣のAさんを当てた。

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「はい、先生。」とAさんは返事をしてから

「私の過去の思い出は3年生の時にいじめられたことです。」

Tくん同様、Aさんも重い内容の過去を話した。

「いじめを受けたことで誰よりも優しい人になれたと思います!」とAさんは締めくくった。Aさんも暗いはずの過去を楽しそうに話した。

パチパチパチパチ!!とまた拍手喝采。そして先生からの激励。生徒の中に感動して泣く者。

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次はAさんと通路挟んで隣のKくんが当てられた。

「僕の思い出は猫を殺したことです。」

「猫を殺したことで命の尊さを知りました」

例の通り楽しそうに話したし、聞いている人も感動して拍手喝采をした。

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他の人の話もレイプされた思い出や人を殴った思い出。物を盗んだことや物を壊したことなどを話した。

同様にして話す人は楽しく話し聞く人は喜んで聞いた。

気味の悪い空間になっていた。もっとも僕にとってはの話だった。

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「はーい。最後カボチャくんどうぞー」と先生から当てられた。

他の人たちはみんな僕の方を向いた。とても笑顔だった。「どんな話なのか」ワクワクしたような期待したような目で見られる。

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「僕の思い出は友達と遊んだことです。色んな人とたくさん遊んだので全部を言うのは大変ですが、友達と遊んだことが一番の宝物です!」と言った。

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先生も含めたみんなの顔が一気に歪んだ。僕が話終わってから少しの間が空いて

「そうじゃねぇだろ!!!!」と先生が怒鳴ってきた。とても怒った顔をしている。

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先生がとても怒った様子で通路を歩いて近づいてくる。僕は怖くて近くの友達に助けを求めた。

しかし、みんな無表情のまま僕を見ているだけだった。

やがて先生が僕のところへ到着した。

パチン!といきなりビンタされた。そして先生は「皆さん、可哀想なカボチャくんに思い出をあげてください」と他のみんなに言った。

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「はい!先生!!」とみんなは大きな声で返事をした。

両隣にいた人が僕の体を押さえつけ、通路の真ん中まで引っ張り出した。

「みんな、一人ずつ踏んであげてください」と先生が言った。

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僕は通路の真ん中に押さえつけられ、みんなは僕の両サイドに列を作った。

二つの列から一人ずつ順番に踏まれた。容赦なく。

やがて最後の一人が終わり、僕が血だらけになりながらうずくまっていると。

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「カボチャくん、あなたの思い出はなぁに?」と先生が優しい口調で聞いた。

床に這いつくばる僕に向けてみんなはとても笑顔で期待した眼差しを向けた、、、

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作り話です。カボチャを入れたのは話の展開が楽になるし名前を考えなくて良いからです。

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