短編2
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体験談2

 前回に引き続き、俺が某県で体験した奇妙なことを書いていく。

 前回も言っておくべきだったかもだが、俺は0感で某県でも、はっきりと何か見た、ということはなかった。

 そのため、オチがなかったり、意味不明なこともあるだろうがご容赦いただきたい。

 本題に入る。

 某県に引っ越してから、一ヶ月くらいか。食事の調達はコンビニでしていた俺だった。

 夜、最寄りのコンビニまで歩いていると、前方から小さい(小学校低学年くらい?定かではない)男の子を連れた若い母親が歩いてくる。

 この人たちとは、タイミングが合うのかけっこうよくすれ違いになる。

 

 何となく気まずい思いをしながら、やり過ごした。

 と、少しして背後から、

「とおっ、とおっとおっ」

 みたいな声が聞こえた(覚えている限りではそんな感じ)。

 とっさに振り向くと男の子が何かしゃべっている。

 小さい子だし、そんなにおかしなことではないだろうが、何となく注視した。

 母子は背中を向けていたし。

 男の子は指を高く上げて上を指さしながら、

「とおっ、とおっ」

 と、嬉しそうにはしゃいでいる。

 

 何事?

 男の子は通りにある建物の2階か屋上くらいを指さしているように見えた(正確なところは分からん)

 特段、そこには何もない。ように見える。

 母親も慣れているのか、何なのか、特に不思議に思う様子もなく、指を指すのを止めさせようとしていた。

 あんまり、見ているのもなんなのでその時はそこから立ち去ることにした。

 その日から、数日後、また、母子とすれ違い、何とまた同じ場所で男の子は

「とおっ、とおっ」

 と声を上げた。

 さすがに何か原因があるのか、思い、じっくり見てしまったが、相変わらず、男の子が声を上げるようなものはない、と思った。

 結局、分からずその場を去った。

 ところが、さらに数日後、また例の母子とすれ違ったら、男の子は何も言わなかった。

 あれだけ、何かを指さしてはしゃいでいたのに、いたって普通の様子だった。

 母親も特に反応しない。

 何か、見えていたわけではないのか?

 それとも、移動、したのか? 

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