全部、古い家のせいだろう。

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全部、古い家のせいだろう。

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これは、我が家の出来事です。

全部が実話。

「こんな恥ずかしい、家の事を書いて!」

と、おかんに怒られそう、、、

いや、、、

確実に、怒られるでしょうね 笑。

しかし、

おかんに怒られるであろう、

第2弾もありますので、乞うご期待を 笑。

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私が、物心ついた頃からであろうか。

時々、2階から音がする。

「何の音や?」

おかんに聞いても、

「隣の飲み屋の音やろ」

と、かるく、流される。

私の家は、

飲み屋街の、ど真ん中にあった。

昼夜問わず、うるさいのには慣れていた。

おかんと、

そんな話をしている時、

まさに、その時に、

人が、ドンッドンッと、歩く音。

(また、音が聞こえるわ、、)

と、思ったら、

本当に、おとんが2階から下りてきた、

それ程までに、

その音は、人の足音に聞こえた。

もしくは、床を思いっきり、

足で、踏んずけてるような感じ。

私は、幼い頃から、

宴会の片付けの手伝い以外は、

2階に行くのが、

正直、あまり好きでは無かった。

しかも、以前に投稿した、

自分の部屋での、不思議な出来事。

私の部屋は、2階なのだ。

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それから時は経ち、

私は、30歳手前で、実家に戻って来た。

実家での暮らしが始まる。

ある日、

久しぶりに、あの音が聞こえた。

誰かが歩くような、、

それでいて、2、3歩で終わるような。

私は最初、黙っていたのだが、

暫くしてから、

昔のように、おかんに聞いてみた。

「ねぇ、何なん? 2階の、あの音。

昔から聞こえとったけど、、、。

2階に、誰かおるんけ?」

おかんは、

「えー?隣の家の音じゃあ、ないかー?」

いつもの返事。

私は思う。

( こんな、昼夜問わずに、

2階から、響き渡る様な音がするかぁ?

しかも、

何で、おかんは1度も、

『2階に誰かが、おる訳ないやろー』と、

否定しないのか。)

私の家は、

左の建物は平屋で、

しかも、夕方過ぎからは誰もいない。

右は、1階は飲み屋で、

2階はラーメン屋だった。

そんな、隣近所であるにも関わらず、

あんなにも直で、

頭上から、足をドンッドンッと、

踏んだような音が、聞こえてくるだろうか?

もし、おかんが嘘をついてるなら、

上手くない嘘だ。

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この話を、ある日、

今は、仕事で関東にいる、弟にしてみた。

「あー、オレも、

その音、聞いた事あるわー!

オレは、

『あの音って何や?』

とまでは、聞かんかったけど、、、。

えっ? まだ、鳴っとるん?」

「うん、鳴っとるんやってー。

十数年ぶりに、実家に戻って来ても、

未だに、あの音、聞こえとるわ。

おかんに聞いても、

『隣の家の、、、』とか、

絶っ対、有り得んやろ?って言う、

返事するしなぁ、、」

「えぇー、そうなん?

じゃあ、オレ、家出て良かったぁー」

「そんな問題じゃあ、無いやろがっ!?」

「あー、ごめん、ごめん。

でもさ、あの音って、

皆に、聞こえてる音な訳やろ?

一体、何なんかな?

オレ、何だか、あの音が懐かしいわー。」

弟は、変な思い出に浸っている。

( 弟よ、、、

さも、楽しかった思い出のように語るのは、

やめておくれ。

懐かしくなどは、無いのだよ?

私の話を、聞きなさい。)

姉は話す。

「えー、それで、ですね、、?

わたくしの見解としましては、

『2階に、もう1人、

誰かが、住んでいるのではないのか?』

既に姉は、そこまでの域に達しました。

だから、

" あの音 " が、した、瞬間にですよ?

そっこー、2階に行ってみたんです、はい。

誰も居ないんです、、。

人が隠れられる様な所も、

勿論、探しましたよ?

でも、、誰も居ないんですよ。

これは、、、

おかしい現象でわぁ、無いでしょうか、、?」

弟は、黙る。

私は話し出す。

「、、、おかしいよねぇ。

だって、あんたも小さい時から、

あの音、聞いとったやろー?

よく考えたら、

あの頃って、隣の店も、今と違ったやん?

昼間は、人おらんし、、。

じゃあ、何で昼間にまで、人の足音するん?

あんたなら分かるやろうけど、

あの音って、

すぐ真上から、聞こえてくるやろ!?」

「まぁ、まぁ、

おねぇ、落ち着いて、気にし過ぎやって!!

やけど、、、

昔って、家は商売しとったやろ?

2階がお座敷で。

おかんにもさ、

何か、言えん事、、あるんかな?」

その時に、

何故だか私は思い出した。

「ねぇ、ねぇ、

私、1ヶ月くらい前に、

トイレから出れんくなった事あれん。」

「はぁー!?」

弟は、意味不明って感じだ。

「家のトイレって、

商売しとった時からの鏡が、

同じ所に、ずっと掛けられとるやろ? 」

「あー、うん、そうやね。」

「ある日な、

トイレ行って、そんで、手ぇ洗いながら、

何気無く、鏡見てん。

そしたら、鏡の中の自分と目が合って、

そしたら、鏡の中の自分の目と、

目が離せんくなってん。

じっーっと、

鏡の中の自分と、目を合わせとるんや。

別に『ヤバい』とか、思わんの。

あんで、2、3分くらいかなぁ。

急に、( あっ!) って、我に返って、

トイレから出ようとしたんや。

そしたら、トイレのドアが、開かんのやって。

私、叫んだわいね、

『ドア、開かーんっ!!』って。

もう、半泣きや。

その後、すぐにドアが開いて、

おかんとおとんが、立っとってん。」

「えっ?

ほんとに、、、?」

弟は、疑っているっぽい。

「あんたに、ウソついてどーするん?」

「まぁ、そうやけど、、

で、その後、どうなったん?」

「今、あった事を、

奪三振したかのような、

実況中継ばりに、興奮して説明したわ。

おかんは、

『こっちからは、

普通にドア開いたんやけど、

何で、開かんかったんやろか、、?』

って。

でも、次の日、

トイレの鏡、無くなっとったわ。」

「ふ〜ん、、、。

つーか、何で三振なん、

普通さー、

ホームラン打ったくらいの興奮とかって

言うんじゃないん 笑。

まぁ、そんな事は、どうでも良いんだけど。

いや、、、さ、、

、、実はさ、、、

オレも、1度だけ、

変な事があったんだよね、、、

今だから、言うけど。」

(ちなみに、私の弟は、

さすが、IT系なのか、

論破しまくり、現実を吐きまくり、

『ププブッ、

ゆうれい〜?へぇ〜 笑。』と、

至って冷静、

且つ、そう言った類を、

かなりに、バカにしているヤツだ。

私とは、全く正反対の、真逆な人間なのだ。)

そんな、面白味に欠ける弟が、

1度だけ、

おかしな体験をしたらしく、

初めて、その話を聞いた。

それまで、誰にも言って無かったそうだ。

今後も、

おとんとおかんには、話すつもりは無い、

おねぇだけに、

この事を話すつもりだ、と言う。

それは、こんな話だった。

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私が大学進学を機に、実家を出た後、

以前に、私が使っていた部屋を、

弟が、使っていたらしく。

まさに、あの2階の部屋だ。

ある夜、弟は、

部屋でマンガを読んでいたらしい。

すると、

昔、座敷に使っていた部屋の方で、

何やら、人が居る気配がしたそうだ。

軽く何かの音もする。

何となく気になった弟は、

座敷の方へ行ってみたらしい。

(まぁ、彼は、

かーなーりの、怖いもん無しなんで。)

ゆっくりと、座敷の方へ向かう。

そうして、

弟は、見たそうだ。

暗い、暗い、、

今は使われていない、座敷の真ん中で、

外の明かりに、照らされながら、

紋付袴の男が、

座敷の真ん中に、正座しているのを。

そうして、

土下座をするかの様に、

何度も、何度も、

頭を、畳に打ち付けていたらしい。

窓の方を向いて。

(、、、え?

えぇーっ!? ウソ、やん、、)

弟は、

その背中を見て、急いで部屋に戻ったと言う。

「えぇー?あんたがー?

まさか、怖かった、とか、、、笑??

ププッ、そうなん〜?」

私は、

日頃の仕返しに、笑ってやった。

(こ、心が、、狭すぎる、、、)

すると、

弟が、必死に訴えてきた。

「おねぇ!!バカかぁっ!!

違うよっ!!

あれは、本当に、ヤバかった、、、。

オレは、気付かれないように、

早く逃げないと、って、、、」

あの!冷酷非道な弟にしては、

似つかわしくない言葉が、出て来た。

私は言う。

「ごめん、からかい過ぎたわ。

やけど、気味が悪過ぎやし、

つーか、怖過ぎやろ、そんなの。

今まで、よう誰にも言わんでおれたな?

、、、そんで、

その男って、何やったん?」

「知らん。」

「、、、そりゃあ、知らんな。

何か、古い家って、ヤバいんかね〜 笑。

ねぇ、あんたさ、

家が昔、長屋やったって知っとるよな?」

「あー、何となく、、」

「で、うちが、

長屋の持ち主やったんやって。

でも、ある晩に、

長屋の隣のキャバレー?から、

火が出たらしくて、

家にも燃え移ったみたいや。他の家にも。

そん時に、おとんのアルバムも、

燃えてしまったんやって。

やけどな、おとんが言うには、

火を出したキャバレーのオーナー?って、

すんごい優しい、

おじいちゃんやったんやって。

小さかったおとんにも、

かなり優しかったって。

でもな? 火ぃ出してしもたやろ?

オーナーのおじいちゃんは、

火が燃え移った家を、一軒一軒回って、

土下座して謝ったんやって。

お金とかも、出したらしくて。

何となく、気の毒やな、、、。」

「うん、、、そうだね、、

でもさ、オレは今、おねぇから聞くまで、

そんな話、聞いた事、無かったわ。」

「、、、うん、うん、

そうだろうよ。

私は、疑問に思った事は、すぐに聞き、

すぐに解決したいので。

聞きたいけど、聞けない、、とか、

モヤモヤしてるのイヤなんでっ!

こんな性格なのは、あんたも知っとるやろ?

だから、姉は情報通なんですぅー!

それを、あんたに横流ししてるんですぅー!!

あっ!ねぇ、ねぇ、

昔、家って、正式な行事?みたいな、

お祝い事?とかも、

2階の座敷で、しとったの覚えとる?

変な盃とか?

よく分からんだけど。

でもな、片付けの手伝いの時に、

『その盃は、触らんで良いよ』

って、おかんに、言われた覚えあるんや。

何でなんか、今でも意味分からんけどな。」

そう、私が言うと、

「、、、まぁ、色々あるよねー、

おねぇもさ、

あんま、気にせん方が良いよ?

どう頑張ってもさ、

分からん事って、あれんし。」

そう、弟に宥められた。

( くそぅ、弟よ、、

この上無く、冷静なアドバイスを、、、)

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しかし、、、

私は未だに、2階で誰かが、ドンッドンッと、

2、3歩だけ歩くような音が、

納得できないし、理由も知らない。

そうして、

この話を書いている、今でも、

2階の足音が、聞こえなくなる事は、無い。

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お待ちしております。(^^)

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