【実話】私はあの日6匹の猫を殺しました。

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【実話】私はあの日6匹の猫を殺しました。

お久しぶりです。精神ボロボロですが投下しておきます。閲覧注意。

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今年の2月頃からでしょうか…月1のペースで、我が家の前に、段ボールやら発泡スチロールやらに入れられた子猫が捨てられていました。

平均3~4匹くらい。手のひらサイズで目も開いていない状態。

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先天的な奇形とかをもつ猫が主に捨てられていました。

捨てられた当時を思い返すと本当胸くそなんですが、

同じ箱の中で亡骸の兄弟姉妹がいるんですよ。

唯一生き延びていた子に厚く世話をしても、時には栄養失調で数日もたず亡くなったり…。

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うちは元々、近所でも有名な猫屋敷でした。しかしながら、2年ともたず何かしらの原因で亡くなる子が多かったため、暫くは飼わないでおこう…と決めた矢先にこれです。

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やはり可哀想だと、祖父母が保護してそのまま飼い猫にしたため、今年6月の時点で15匹の猫たちを飼っていました。

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15匹の猫たちは、綺麗な、賢い子に育ちました。

親は違えど皆仲良しで、お客さんに甘えては可愛がられ、勿論我が家の愛をいっぱい受ける、穏やかな日々が続いていました。

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6月10日火曜日、あの日は小雨が止まない蒸し暑い日でした。

あんな悪夢、もう二度と見たくない。

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この日はたまたま休校だったので、私は猫たちと留守番をして過ごしていました。

お昼前、玄関のチャイムが鳴りました。

私が出ようとすると、4匹が急に「ヴー…ッ」と威嚇し始めました。

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この4匹は、2月、3月に捨てられた古株の子たちです。

滅多に怒らないのにどうして?と宥めるのに必死でしたが、

他の部屋で寝ていた子たちがその声に反応したのか、

何故か一斉に玄関近くにやって来て扉を凝視していました。

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これは開けちゃダメだ。

ひとまずインターホンを確認してからにしようかと、画面を開きました。

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玄関の前にいたのは、父でした。

何も問題ないじゃん、と思う方が多いと思います、普通は。

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私の父は、去年の夏、母から離婚届を出された翌日に家を出た、絵に描いたような【クソ野郎】です。

詳細は省きますが、表沙汰にならない程度に家族を蔑ろにした挙げ句「自分は子供を愛してる」と離婚調停で熱弁(しかし親権はいらないという矛盾)した男です。

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当時、まだ離婚調停中なので家に帰るなんておかしい話です。

何も言わずただ玄関の前でインターホンを睨んでいる父。

実に1年ぶりの再会に涙もありません、汗がどっと吹き出ました。

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猫たちはやはり扉の前で唸っています。

何も言わずとも、何か分かるんでしょうね。

リビングのカーテンは閉まっていることを確認して、相手の様子を窺うことにしました。

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再びチャイムが鳴らされます。

続けて2回。

3回。

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明らかにイライラしている様子で何度も鳴らしてきます。

すると始め威嚇していた4匹が、リビングの窓に移動しました。

一番の古株である「熊悟朗」という黒猫は、今にも飛びかかりそうな勢いで威嚇していました。しかし声は荒げません。

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玄関から、カチャカチャと音がしました。

鍵を回す音です。

二重ロックで独特の音がするためすぐ分かりました。

しかし父が失踪してからすぐ、私たちは鍵自体を変えたので、父が持つキーでは開けることは不可能です。

それが分かったようで、父は「クソッ」と扉を蹴ってから、何処かに移動しました。

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まさか、と思ったらやはり猫たちが待機する窓に来ました。

ガタ ガタ ガタ

冊子を外そうとする音が聞こえてきました。

しかしなかなか外れないのか、またしても「クソッ!!」と吐いて冊子を殴ります。

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母にメールをしました。祖父母にもメールをしました。

私は押し入れに隠れて、生まれて初めて警察に通報しました。110って本当に繋がるんですね。

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いざ電話して名前を言うと、どうやら母が事前に、

父が家にやって来て暴れそうになったらすぐ駆けつけるよう頼んでいたらしく、

10分以内に駆けつけると言われました。

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電話はなるべく繋がった状態にしておくよう指示されたので、

へっぴり腰ながらも安心して猫たちの方へ向かいました。

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その時、本当ちょうどその時

ガラスが何かの衝撃で亀裂が入った音がしました。

猫たちは危ないのに、全員逃げようとせず威嚇したままです。

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ああ本当、もう後悔しかない。

私は思わず「誰かーッ!!」と叫んでしまいました。

その声で逃げる…かと思いきや、更にガラスを破ろうとしてきます。

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「出てこいや!此処破ったるかんな、お前がそこにおるのは分かっとるんぞ!!」

父から殺されると覚悟した私は、ソファを窓の前に置いて、熱いコーヒーの入ったポットとゴキジェットを構えていました。

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本当はキックボクシングを習っているなら攻撃をしちゃいけないのは分かっていますが…刃物を使って万が一猫たちを怪我させたらと思うと、身近にあったものに手を伸ばすしかありませんでした。

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とうとう、警察の到着前に、ガラスがめげました。

猫たちはいよいよ全員唸り声をあげ始めました。

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カーテンを開けたら錠前を外そうとする父がいました。

たった1年でどれだけ酒を飲んだのでしょうか、顔がパンパンに腫れて、息がとてつもなくお酒臭かったのです。

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ゴキジェット噴射。驚いた父はガラスの破片で腕を切りました。

熊悟朗たちが窓を越えて襲いかかり、こんなに猫を飼っていたとは知らない父は窓から離れました。

ああああ可哀想だった、あれは本当に可哀想だった。

熊悟朗が叩きつけられました。

まるでスローモーションのように見えたそれに、

私は窓を開けて父に向かってコーヒーをぶっかけました。

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命中しましたが、その後すぐに取っ組み合いになり、

猫たちが助けてくれては父から攻撃を加えられて、

それに怒った私が反撃しようとすれば、元ボクサーの父の拳が飛んできて…

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警察が駆けつけてくれたのは、30分も過ぎていた頃でした。

もっと、早く来てほしかったです。

父はそのまま逮捕、私は病院行きとなりました。

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私は骨折もなく打撲程度で済み、今は元気です。

このまま離婚になるのかな…と思っていたのですが、

どうやらコロナ禍ということもあり訴訟すること自体難しいらしく、まだ長期化するかもしれないと母は嘆いていました。

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「でもね、あんたがいなかったら、家に火を付けられていたかもしんないんよ。お金も盗られてたかもしれん。

だから姉ちゃん、家を守ってくれてありがとうね」

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…今は猫たちは9匹に減りました。

熊悟朗、カネゴン、やす、いちご、あられ、みみ

6匹が、あの日に亡くなってしまいました。

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間接的に、私が殺したようなものです。何度謝っても謝りきれません。

だから、精神ボロボロなんです。本当、本当、死にたい。

ごめんなさい。

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