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ちょっと見てもらいたいものがあって、、

長編15
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ちょっと見てもらいたいものがあって、、

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この話は、ほぼ実話です。

しかし、

私では解決が出来ずに、

他人に頼ってしまった話です。

未だに、

あの当時の事は、理解出来ないままです。

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大学時代の話。

(こればっかだなぁ、)

3個下の後輩で、Nと言う、

それは、それは、良いヤツがいた。

彼女との交際も真面目。

私の足にも、なってくれる。

( 一応、毎回、1000円払ったけどね )

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そんなNが、

ある晩、電話を掛けてきた。

「もしもし、Kさん?」

「あ、ごめーん、

今日はタクシー、呼んで無いけど?」

「ちょっとー、Kさーん、、」

「ウソウソ、ごめんよ。

で、どした?」

「いやぁ、実は、、、」

Nは、言葉を濁す。

「えっ?彼女の相談?」

「違いますよ、

あの、、、

ちょっと見てもらいたいものがあって、、」

「え、何?」

「申し訳ないんすけど、今から家に来れますか?」

「あー、別に良いよ?

ビールがあるならね。」

Nのアパートは、私のアパートから、

徒歩で、5分も経たない所にある。

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チャイムを押すと、後ろにNがいた。

「ビックリしたー、

何で、家の中にいないの?」

「いや、Kさんが、ビールって、、、」

Nは、息を切らしながら、

手には、ビールの6缶パックを持っていた。

ここで、

彼の偉い所は、35缶じゃあ無くて、

500缶のパックだった所だ。

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部屋に入る。まずは乾杯。

そうして、私は聞く。

「見てもらいたいものって、何?」

Nは、少し躊躇う。

「あのー、、、

Kさんって、そう言う人じゃないですかー?

で、見てもらいたくて、、、」

「そう言う人って、良い意味?」

「良い意味です!」

「よーし、見てやろう。どれ?

つーかさ、、何であんた、私に見せたい訳?

何か、あったん?」

「それは、、後から話すんで、

とりあえず、見て下さい。」

そう言うと、Nは、

テレビのリモコンを操作しだした。

テレビには、

バラエティ番組らしき映像が、流れる。

「これ、先週、録画したヤツなんです。」

Nが言う。

「ふーん、で?」

「この番組って、芸人が色んな所に行って、

その地元を紹介する、みたいなコーナーが

あるんすよ、

で、今回の場所が、彼女の地元だったんです。

その日、

彼女がバイトだったんで、

とりあえず録画して、

後から一緒に見よって、事になって。」

「ふーん、へー、、」

「で、、一昨日、

一緒に見てたんですけど、、、」

「何?」

私は、2缶目のビールを開けながら聞いた。

「最初は、楽しく見てたんです。

『あー!ここ知ってるー、懐かしいー!』

って、彼女も楽しそうで。

そしたら、

ある瞬間、

テレビの画面が、真っ暗になっちゃたんです。

ちょっと早送りするんで、

見て下さい。」

画面だけが、私達の時間の流れを無視して、

焦っているかのように、動き出す。

そうして、

「この後なんです、見てもらいたいのは、、」

Nは言った。

画面は、

私達の時間の流れと同じく、動き出した。

私も知っている、

今、売れっ子の芸人コンビだ。

「 A : 『、、、ぃ眺めですねぇー、

下を見ると、

吸い込まれそうな、高さですよ?

B君も、そう思いませんか?』

B : 『そうだねぇ、、

オレの心くらい、キレイだねぇ。

あ、Aさ、背中にイモムシが、、』

A : 『えぇーっ!

早く、とって!とって!

オレ、あぁ言うニョロニョロ系、

駄目なのよ、、』

ドンッ!

『、、っ!?

、、っ、うっわぁーーーっ!!』

B : 『イモムシ、とったよ?』

A : 『って、おいっ!!

危ねぇだろー!!

お前、今、橋から落とそうとしたよなっ?』

B : 『心のキレイな僕が、

君にそんな事を、する訳が無い。』

A : 『そうだよねぇ?

僕達、仲良しだもんねー? ね?』

B : 『で、ここがですね、

紅葉の絶景スポットで、有名な、、』

A : 『オレの仲良しを、無視すんなー、、

芸人が、

面白可笑しく紹介している。

( 残念だが、面白可笑しくは無い。)

、、、その映像は、

『橋』だった。

「、、、えっ!? ウソだ、、、

そんなはず、無いだろっ!?」

Nは慌てている。

「どした?」

「いや、違うんですよ!

Kさんっ!!この橋の所、オレ見てません!

急に、画面が真っ暗になって、

そしたら、彼女が泣き出して、、、」

私が聞く。

「じゃあさ、Nは、

その後に、1人で、この録画を見てみた?」

「はい、

彼女が帰った次の日に、見てみました。

昨日です。」

「でー、その時も、

真っ暗になったん?」

「一瞬、真っ暗になったんですけど、

普通にその後は、見れました。

だけど、

少し飛ばされて、再生されたんです。

だから、結局、オレは、

今の橋の部分は、見た事が無かったんです。

彼女の事もあるし、

何だか、気味悪くなっちゃって、、、

それで、Kさんに電話したんす。」

「でも、今は、

1度も画面は、暗くなんなかったよね?」

「だから、不思議なんですよ、」

私は、

手っ取り早い話をした。

「じゃあさー、

その録画、消しちゃえば?」

しかし、Nは、

かなり言いにくそうに、口を動かした。

「、、消えないん、すよ、、、

その番組の上から、

違う番組を録画したんですけど、、」

「ほーぅ、消えない?

じゃあ、

今から私が、消してあげるよ、」

そう言って、私はビデオテープを

最初まで巻き戻し、録画ボタンを押す。

勿論、

ビデオテープが全て終わるまで。

( 今は、DVDや BluRay だけど、

昔は、ビデオテープだった。懐かしい。)

その間、2人で飲んでいた。

ヒマだから。

で、2時間くらい経って、ビデオテープが終わった。

2人で見てみる。

今、録画してた番組が始まる。

「良かったじゃん」

私が、そう言うと、

Nは、ホッとした様子だった。

一応、念の為に、

今の録画を再生したままにして、

2人で酒を飲みながら、

何やら、熱く語っていた覚えがある。

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その次の日、

私は電話の音で、起こされた。

( ちなみに、

以前にも、お話しした通り、

私は、最上級に寝起きが悪い。)

とりあえず、

1回目は、無視。

2回目で、着信の名前を見る。

3回目で、電話に出てやった。

( 何て、偉そうな、、)

「、、、ぁあーーっ!?」

Nも、

私の寝起きの悪さを.

知っているので、普通に話しだした。

「すみませんっ!

Kさん?今から、家に来てもらえませんか?

本当に、すみません、」

「あぁっ!?

N? 今は、、何時だろうね、、、?」

「今は、お昼の2時で、、

プツン。

私は、電話を切る。何故なら、眠いから。

また、電話が鳴る。

無視する。何故なら、眠いから。

( いや、いや、

寝起きが悪い人は、

本当に、こんな感じなんですって、、)

その後、

100回くらい電話が掛かって来たので、

仕方なく、105回目くらいで、

電話に出た。

「はいよ、何?」

Nは、かなり取り乱していて半泣きっぽい。

「Kさん!!

家に来てもらえませんか、、?

お願いしますっ!!」

「うん、良いよ、

今から行くから、待ってて?分かった?」

「、、はい、」

私は、

Nの家に向かう。

途中で、車に轢かれそうになった覚えが。

( 今、その当時を、

思い出しながら、この話を書いてるが、

あとちょっと、タイミングがズレてたら、

私は確実に、

轢かれていたように、思う、、、)

そうして、

「歩行者優先だろーがっ!!

目ぇ、見えてんのかっ!?」

と、眠さによる、かなり苛立ちから、

横断歩道でも無いのに、

意味も無く、怒鳴った覚えが、、ある。

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Nのアパートに着く。

何故だか、チャイムを何度も押した。

Nが、ドアを開けた。

すぐに、Nを、ドアから外へと引っ張り出す。

「何?どうした?」

「Kさんっ!!ヤバいんですっ!!

早く、部屋に入ってく、、

「N、、、良い?

これは、大事な話だからね?

何があっても、絶対に、

私の名前を、呼ばないように。

あと、、

部屋に、彼女いるでしょ? 彼女にも伝えて。

うーん、、そうだな、、

" キャサリン " と、呼びなさい。

( 私は当時、

キャサリン・ゼタ=ジョーンズに、

ハマっていた。

何故に、

自分の名前を伏せたのかは、

ある程度の理由はあったのだが、

その思考は、未だに意味不明、、、)

絶対に、

私の本名を、口にしない事。

あと、、動いたり、話したりする時、

わざと、大きくして!!分かった!?」

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私は、部屋に入った。

そこには、Nの彼女がいた。

( 仮にAちゃんとしよう )

Aちゃんが、私に気付き、駆け寄って来た。

「キャサリンさん、私、怖いです、、、」

泣いている。

「何があった?」

「あの番組、、画面、真っ暗になって、、、

それで、、、」

( 、、うん?

あれ、上書きしたよ、ね、、?)

Nが、恐る恐る言った。

「、キャサリン、、さん、

あの番組、削除されて無かったんですよ、、

普通に、

テレビ観てたら、

急に、あの録画が再生され始めて、

キャサリンさんが、

上書きしたはずなのに、、

テレビを消そうとしても、消えないし、

コンセント抜いても、

ずっと録画が再生されてて、、、

それで、

やっぱり、

同じ所で、画面が真っ暗になったんです。

そしたら、Aがガタガタ震えて、

泣き出しちゃって、、、

でも、オレ、、、

あのビデオテープ、、捨てたんすよ?」

私は、テレビの画面を見る。

テレビの電源は、切れている。

そうして、

ビデオテープの出入口の蓋を、

指で押して、中を見てみる。

何も入っていない。

( うん、そうだよね。)

テレビの電源を入れてみる。

普通のテレビ番組が、流れている。

リモコンの再生ボタンを、押してみた。

ビデオテープが入って無いのに、

再生されるはずが無い。

しかし、

次の瞬間に、画面が変わった。

( 、、、何だ、これは。)

あの、録画した番組が流れ出した。

「Kさんっ!!

私、もう、見たくないですよっ!!」

Aちゃんが、泣き叫ぶ。

( あーぁ、言っちゃった。)

「うん? Aちゃん?

Kって誰の事かなぁ〜?

私、キャサリンねっ!? そこ、大事だから。

とにかく、

キャサリンがいるから、大丈夫だよ?」

何とか説得して、

3人で、

録画の続きを、見てみる。

ビデオテープは、入っていないのに。

Aちゃんは、私とNの後ろに隠れていた。

「Aちゃん?

目を瞑らずに、ちゃんと見てね、

じゃないと、意味が無いから、、、

Nも、キャサリンも、

一緒にいるから、、ね?」

Aちゃんは、怯えながらも頷いた。

「、、もうじきです、、」

Nが言う。

私は、Aちゃんの左手を握る。

Aちゃんが握り返してくる。

Aちゃんの右手は、Nと結ばれている。

それは、、、

突然だった。

画面が真っ暗になった。

Aちゃんが、悲鳴を上げる。

私は、Aちゃんに聞く。

「何が、見えたの?」

「、、あ、あの、、、っ、

あ、の、、画面、に、、、っ」

Aちゃんは、

かなり取り乱していた。

私は、Nに言う。

「Aちゃんと、トイレに行って!!

でも、家の外には出ないでっ!!

じゃないと、

効力が無くなるっ!!」

2人が急いで、部屋から出て行く。

私は、録画を巻き戻す。

再生。

また、録画を巻き戻す。

再生。

画面は、真っ暗にならない。

( 、、何だ?これは、、、

しかも、ビデオテープが入っていないのに、

何故に、巻き戻しや再生が出来るんだ?)

とにかく、

私の思ってた通り、

どうやら、

私だと、その現象は起こらないのだ。

( うーん、、やっぱりね。

ヤツらには、

私では無いと思わせたかったけど、、

まぁ、、

あんな幼稚な小細工が、

通じる訳、無いよなぁ、、、

意味の無い事したわ、私のド阿呆が。)

separator

もう、、、

仕方無かった。

Aちゃんを呼び、

敢えて、Nには来るな、と言った。

そうして、

何故だか、逆に、

「Kと呼ぶように」

と、言った。

私の名前を、連発しろ、と。

テレビが見えないように、

Aちゃんを、私の方へ抱き寄せて、

「再生ボタン、押して?」

と言った。

Aちゃんは、

「Kさん!怖いよっ!無理ですっ!!」

と、泣きながら訴えて来たが、

「私がっ、Kがいますよ!!」

と、

誰に言う訳でも無く、でかい声で言った。

Aちゃんは、

暫く、涙でくちゃくちゃになった顔で、

私の顔を、ジッと見詰めていたが、

軽く頷くと、

テレビを見ないように、ボタンだけ押した。

「耳、塞いで、歌を歌ってて?

何でも良いよ、好きな歌とか、、、」

私が、そう言うと、

Aちゃんは耳を塞いで、何か歌い出した。

私は、画面を凝視する。

( 確か、この後、、かな、、)

突然、画面が真っ暗になる。

、、、、、、、、。

( 、、、はっ?)

Aちゃんを抱きしめながら、

私が、見たものは、、、

真っ暗いテレビ画面に、

鏡のように映り込んでいる私達の足元から、

幾つもの、手、手、手、、

幾つもの、顔、顔、顔、、

それらが、

段々と、画面を支配して行く映像だった、

( 、、なに? これ、、、

もう、画面の半分まで来てますけど、、?)

Aちゃんは、

悲鳴にならない様な、泣き声をあげていた。

「、、ねぇ、Aちゃん?

落ち着こう、ね?

私、聞きたい事があるんだよね、

良いかな?」

Aちゃんは、相変わらず泣き叫んでいる。

私達が、、

どんどん侵食されてゆく。

そんな、テレビ画面を見ながら、

私は、ため息を吐いた。

「Aちゃん?

良い? きちんと話を、聞きなさい?

この録画の間に、流れてた映像は、何?

時間が無いんだよ、、?

早くっ!Aちゃんっ!?」

Aちゃんは、怯えながらも言った。

「は、橋、、、」

( 、、あー、あん時に、

テレビで紹介されてた橋か、、。

でも、Aちゃんは、

その部分の映像を、見て無いはずのに、、、

、、うーん、、、

もう、時間が無いから、

とりあえず、応急処置的な感じで。)

私は、テレビを蹴り上げた。

画面は、天井を向いた。

そのテレビは、テレビデオで、

Nに、叫ぶ。

「Nっ!!

彫刻の授業の『のみ』あるっ!?

それと、速攻、酒っ!!」

ガダガダと、

音がしていたが、Nが、のみを持って来た。

「酒はっ!?」

「あ、いや、、、」

「はい、ダッシュッ!!

ワンカップで、良いっ!!」

私は、

Aちゃんを横たわらせて、

(既に、Aちゃんは、気を失っていた、)

ビデオテープを入れる所に、のみを突き立てた。

画面を見る。

ほぼ、彼らだ。

( N、早く、、、)

何となく、あのビデオテープが、

入っている気がした。

開かない。

こじ開ける。

画面を壊そうとしたが、タイムリミットが

分からなくなるので止めた。

その時、

「Kさんっ!!」

ドアから、ワンカップが飛んできた。

私は、テレビに酒を垂らした。

勿論、画面の下にある、

ビデオテープの出入口には、かなり注ぎ込んだ。

それと同時に、

テレビ画面は、本当に真っ暗になった。

、、、、、、、、、、、

何だか、ムカつく。

Nと、Aちゃんを、怖い目に遭わせた。

彼らは何も、悪い事などしていないのに。

Nの部屋は、アパートの2階。

私は、テレビを持ち上げた。

何故か、持ち上げられた。

そうして、2階から落とそうとした。

( 、、、あっ、

、、、ダメ、だ、、)

いつもは、感情に任せっぱなしだったが、

何故だか、冷静になった。

「K、さん、、?」

Nが、不安気に声を掛けてきた。

「明日、、、

お寺に持って行く。」

すると、背後から声がした。

「どうしたの、、、?」

有難い事に、Aちゃんは、

あの時の記憶が、無かったようだ。

「何でもないよ?」

私とNは、声を揃えて言った。

separator

次の日、3人で、

近くのお寺に、テレビを運ぶ。

あのビデオテープが、

入ってるのか、入っていないのかは知らない。

お寺には、事前に連絡は入れておいた。

起こった出来事も、全て話しておいた。

私は、住職に言う。

「、、、これを、

引き取ってもらえませんか?」

住職は一瞬、顔を歪めた。

そうして、私の顔を見た。

「お願いします。

私には、これ以上、

どうする事も、出来ません。

テレビを壊すだけでは、ダメだと思いました。」

私は、住職の目を見た。

暫くの沈黙が流れ、住職が言う。

「分かりました。

ただ、、、

彼女には、、、彼女の足元には、

まだ、彼らが居ます。

彼女の、、お知り合いか、何かでしょうか、、」

「どうしたら、良いですかっ!?

私、何でもしますから、、、

あの橋に、お花を添えれば、良いですか!?」

「違いますね。

心の籠っていない供養は、

意味のある事では、ありませんし、

逆に、災難を呼びます。

特に、その橋に関しては。」

「じゃあ、、、」

「お二人で、彼女を見守って下さい。

常に、

『この世にいる』

と、感じさせて下さい。

それが、、彼女をこちらに戻す道です。」

「分かりました、、、」

separator

その後、住職と2人で、話をした。

気になる事があったから。

「あの、、、

私、あの時、

自分の存在を隠すかのように、

2人に、

自分の名前を、呼ばせないようにしたんです。

" キャサリン " と呼べ、と。

でも、失敗でした。

私、自分の言動が分からなくて、、。

何故でしょうか、、、?」

住職は、言う。

「ハッハッハ、、、

" キャサリン " 、良いじゃあないですか。

そう言う相手には、

少しでも、自分の立場を、

優位に立たせる事が重要です。

、、と言いましても、

未だに、私自身、

修行が足りないのですがね、、、。

しかし、

あなたが、そうした方が良いと、

思われたのでしょう?

それが、真実であり、、正しい行いだった。

、、何と、申しましょうか、、、。

私が、思いますに、

これは、飽くまで、私の考えですので、

どうか、あまりお気になさらずに、、。

あなたは、、、

このような世界から、

離れて生きていく事は、出来ません。

非常に、お辛い事かも知れません。

私は、初めてあなたに、お会いした時から、

そう、察しておりました。

あなたは、、、言わば、敏感なアンテナです。

キツい言葉になりますが、

そのせいで、

あなたのせいで、

引き寄せてしまうトラブルも、

きっと、あるでしょう。

これからも。

、、、、、、

あなたは、お強いのですが、

無茶をし過ぎた事は、ありませんか?

あなたの感覚は、

あなたの言動は、

ほぼ正解です。

それは、、後ろ盾が、強いのですよ。

あなたの、お爺様でしょうか、、、

あなたが無茶をする度に、

お爺様は、頑張っておられています。

その事を、忘れずに。

感謝の気持ちを、お持ちなさい。」

separator

帰りの車中、私は黙り込んでいた。

( 前も、誰かさんに、

同じ事を言われたなぁ、、、

でも、

私のせいで、トラブルを引き寄せるって、

何かショックなんですけど、、。

山奥で、1人ひっそりと、

暮らしたら良いのかなぁ、、、)

などと、打ちひしがれていると、

急に、Nが話し出した。

「、、、Kさん?

今回は、本当にありがとうございました。

Kさんに相談して無かったら、

Aは、どうなっていたか、、って思うと、

かなり怖いですよ。」

「あー、

別に、気にしないで?

私、こんなのばっかりだから。

しかも、今回は、

結局、私自身、何も出来なかったしね、、、

ごめんよ。」

「そんな事無いです!!

Kさんがいてくれたから、

オレもAも、

『Kさんが、何とかしてくれる』って、

安心感もありましたし。」

( まぁ、、私としてみれば、

自分で解決出来なかったと言う、

自分への、苛立ちや腹立たしさが、

あったのだのだけれど、、、)

そうして、

少しの沈黙の後、急に、Nが言い出した。

「オレ、、、

結婚します。まずは、同棲から。」

私は言う。

「はい、、、どうぞ。」

肝心の、Aちゃんは、

後部座席で静かな寝息を立てていた。

そうして、

私は家に帰り、

改めて、例の橋を調べてみた。

その橋は、

紅葉スポットでもあり、

自殺の名所でもあり、心霊スポットでもあった。

separator

その後、2人は学生結婚をした。

Aちゃんのお腹には、子供がいる。

ある日、

Nが、私に言った。

「Kさん、子供の名前、、、

名付け親に、なってくれませんか、、?」

私は、言う。

「良いよー?

じゃあ、、、" キャサリン " で。」

Nは、嬉しそうに笑った。

ちなみに、

産まれて来たのは女の子で、

" 茜 " と、名付けられた。

おぃ、待てよ、

" キャサリン " は、どこ行った?

わざわざ、

この?この私が?考えてやったのに。

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