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私が、
今、住んでいる家は、母屋なのだが、
4人兄妹の末っ子である父親が、
母屋を、引き継いた。
長男である父親の兄は、
別の場所に、家を建てて、
そこで、父方の祖父母と、自分の家族と、
一緒に、暮らしている。
商売上の、
都合もあったのだが、
つまり、私の父親が、
母屋である、
今の私の家に、家庭を持っており、
仕出しや、
ちょっとした宴会を開けるような、
料理屋をしていた、
と言う事だ。
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今から、1年程前の、
ある一時期、
うーん、、1、2ヶ月くらいだろうか。
私は、可笑しな事になっていた。
まるで、
インチキ風水師か、
インチキ占い師のように、
変な事ばかり、口走るようになっていたらしい。
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ある晩、
唐突に、私が言ったそうだ。
「おかん、
〇〇おばちゃんと、△△おじちゃんは、
似ているようで、似ていない。
絶対に、合わない。
だから、、、で、揉めとるんやろ?
本当の、理由は知らんけど。
でも、
気の毒やけど、〇〇おばちゃんは、、、やし、
だから、、、
あと、
死んだおばあちゃんは、
おかんの事、好きやったみたいね。
雪、冷たかったのに、
でも、おかんに会いたかった。
、、そんで、
、おとんは、、、良くない、かも、知れんね。」
それは、
何の、前触れも無く、
突然に、話し始めたらしい。
父方の、親戚の事を。
おかんは、
一瞬、言葉を失ったらしい。
私の言った事は、
後先構わず、ほぼ、当たっていたらしく。
その当時、
私は、知りもしなかったが、
我が家は、
親戚関係などで、少々拗れていたらしい。
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父方のおばあちゃんは、
長男の嫁とも、折り合いが合わない、
おじいちゃんは、
怒鳴ってばっかりだったそうで、
行き場を無くしたおばあちゃんが、
裸足で、雪道の中、
長男の家から、母屋の私の家に、
来た事があったらしい。
徒歩では、、
更に、年寄りでは、
1時間以上は、かかる距離だ。
ちなみに、
おじいちゃんは養子だから、
母屋は、おばあちゃんの実家。
次男の嫁である、
おかんに、会いたかったそうだ。
私の産まれる前の話だし、
勿論、私は、
そんな出来事など、微塵も知らない。
ましてや、
今、親戚が揉めてるなんて事など、
知る由も無い。
それを聞いて、おかんは、
自分の娘でありながら、かなり怖かったらしい。
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それから、2、3日は、
私は、普通にしていたらしいが、
また、変な事を言い出したらしい。
「おかん、
あそこの納戸と、あそこの押し入れ、
普段、あまり開けん場所に、
空気を送らんと、いかんから。
でも、
開けっ放しにするのは、良くない気がする。
だから、
これから1週間、
お酒と、お塩を、あげた方が良いわ。
お膳の上の、配置はこう。
あの納戸では、虎が、
あと、
向こうの押し入れでは、龍が、
何だか、怒っている様に、感じるし。
あと、、おかん、
気を付けてや?
虎の所には、お酒は少なく、
龍の所には、塩を多めに、やよ?
本当は、
私が、してあげたいんやけど、
これは、
嫁いできたお嫁さんしか、する事が、
出来んのや、、」
(ちなみに、
干支の方角、陰陽道で『恵方』とでも言うのか、
おかんが、念の為に調べたら、
虎も、龍も、
全部、方角が合っていたらしい。
これは、後から聞いた話だ。)
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それから、更に2、3日後、
また、私は、言い出したらしい。
「おかん、
2階にある、変な造りの仏壇入れ。
あそこには、
これ以上、何も入れる事が出来んくらいに、
何が入れんとダメやわ。
『仏壇入れ』は、
何も、入っとらんと、
何か、入れたがる物やし。
やから、
マンガでも、段ボールでも、何でも良いし、
とにかく、隙間無く詰め込んで。」
すぐに、
おかんは、2階に上がって行った。
暫くして、
1階に下りてきたおかんに、
「ちゃんと、詰めたか?」
と、私は聞く。
おかんは、黙って頷く。
「そんなら、次は、、、
2階の、あの部屋にある、あのタンス。
もしかしたら、
おばあちゃんの着とった着物とか、
入っとらんか?」
今度は、
母方の祖母の話を、話し始めたらしい。
勿論、私は、
そのタンスの中身など、知らない。
「あんたの、
おばあちゃんのやろ?
もう、何も入っとらんよ、
おかん、、全部、捨てたし。」
「はぎれとかは?
それを使って、作り直した着物は?
それか、、、
おばあちゃんが作った、着物は?」
、、、、、、、
おかんは、
私の事をジッと見詰めながら、暫く黙り、
そうして、
声を震わせながら、言ったそうだ。
「、あ、、あんたの、
七五三の時の着物、、、
、、おばあちゃんが、作った、わ、、
それが、、まだ、タンスに、入っとる、、、」
「うん、
きっと、もう、いらんのやろ?
全部、捨てて。
タンスも、捨てたら良いわ、私も手伝うし。」
何故だか、
母親は、私の言う事を信じて、
お酒とお塩の事も、仏壇入れの事も、
タンスの事も、全て、忠実にやったらしい。
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おかんには、申し訳無いのだが、
私は、その様な事を話した、
その時の、その記憶があまり無い。
『自信』だけが、
自分の中に残っている。
誰かが、私に教えてくれた、と言う記憶?
意味の分からない感情、、、。
だから、
私の発した言葉は、後から、母に聞いた。
、、しかし、
私にしてみれば、、ですよ?
( 自分、
バッカじゃねーの!?
恥ずかしいったら、ありゃしない。
どこの、インチキ占い師だよっ!!)
って、話ですしね?
でも、、、
しかし、だ、
何故に、おかんが、
私の、その胡散臭い話を信じたのか。
それには、
訳があったらしく。
その当時、
おとんが、事故に遭ったり、
弟が、かなりの怪我をしたり、
うちの家庭内が、
上手く行ってなかったり、、、
そんな、災難ばかりが、起こっていた。
そしたら、
娘が、急に、
気味の悪い事を、言い出した。
しかし、「もしかしたら、、、」と、
藁にもすがる思いで、と、
娘の言う通りに、してみたそうだ。
すると、
急に、全てが落ち着いたらしい。
(それは、
たまたまなのかも、知れないし、
私の発言に対する関係性も、
有るのか、無いのか、、、
私には、未だに分からない。)
おかんからは、
一応、その当時の話は聞き出せたが、
その後、おかんは、
それについては、あまり話したがらないし、
『あんたが、怖かった』
とだけ、言う。
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私は、幼い頃から、
おかんに、頼りにされ続けて来た。
昨晩の、
2階のお座敷での、宴会の片付けの手伝い。
( 幼い私には、
タバコやビールの匂いが、キツかった。)
でも、手伝う。
そうして、
両親が、仕事で忙しいから、
『あら? 私が、母親だっけ?』
と、思うくらいに、
弟の面倒を、毎日みて、、、。
でも、
何となくだけど、楽しかった。
だから、
2年前に、弟が結婚した時は、
母親の様な気持ちで、嬉し泣きした。
( 周りが引くくらいの、大号泣。)
ただ、
リゾ婚は止めてくれ、と。
何故に?
この、、この、私が? グアムへ、、、?
( ちなみに、
国外逃亡は、これが初めてだった。
くそぅ。)
、、、、、、
しかし、
何故に、おかんが、
小学生の私を、それ程に頼ったか。
それは、
" おとんが、頼りなさ過ぎるから "
の、一言に尽きる。
『仕事は、適当、ゴルフは、真剣っ!!』
(あぁーあー、
救いようの無い阿呆だなぁ。
だから、ハゲたんだよっ!!
ざまぁみろ。)
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今、大人になった私は、
当時のおかんの気持ちが、
少しくらいは分かるかな、と思う。
未だに、
おかんの口癖は、
「何で、おとんと結婚したんやろ?
何で、こんなとこに、来たんやろ。」
うん、エンドレス、、、。
そうして、
いつも私は、冗談っぽく言う。
「おかんは、
きっと、自分でも知らん内に、
『動かしてはいけない石』
を、何処かで、動かしてしまったんや。
その『呪い』やよ。
『呪い』なんやし、もう仕方無いやろ?
おとんのせいでも、
おかんのせいでも、
誰のせいでも、無い。
全部『呪い』のせいなんやし、な? 笑。
原因追求したり、
誰かを責める必要、無いやろ?
そう考えると、ラクじゃあ、無いか?
私も、
『動かしてはいけない石』、
動かしまくっとるわー。
呪われまくっとる。
だから、男運も無いし、
仕事先で揉めるし、性格悪いし、、笑。」
「、、、ほんとや、
あんたの、言う通りやわ。
『呪い』のせいやって、考えると、
自分を責めたり、
おとんを責めたり、
誰かのせいに、せんでも良いわ。
良い言葉、聞いた、
そうやっ!呪いや、呪い!!」
そう言って、
急に、元気になったおかんに、
(そこまで、良い言葉かぁ?
あんた、、ヤバいんじゃあ、、、。
しかも、
世界一、『呪い』とか、そう言うの、
信じん人やろうが、、、)
と、私は、少し笑ってしまった。
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そんな、我が家に起こった内部事情。
これをおかんが見たら、
「こんな、
家の、恥ずかしい事ばっか、書いて!
絶っ対に、
投稿したらダメやしねっ!!」
と、鬼の様な形相をして怒っている、
おかんの顔が目に浮かぶ。
鮮明に 笑。
まぁ、私には関係無いし、知ーらない。
作者退会会員
当時の私の発言、出来事、
おかんから聞いた話でもありますので、
私からしますと、
『実話』と、断言出来ない面もあります。
よって、脚色は生じます。
とりあえずは、
我が家で起きた出来事です、
とだけ、言っておきます。
あと、表紙画像は、適する物が無く、
一色にしました。