インチキ占い師、、でしょ?

中編7
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インチキ占い師、、でしょ?

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私が、

今、住んでいる家は、母屋なのだが、

4人兄妹の末っ子である父親が、

母屋を、引き継いた。

長男である父親の兄は、

別の場所に、家を建てて、

そこで、父方の祖父母と、自分の家族と、

一緒に、暮らしている。

商売上の、

都合もあったのだが、

つまり、私の父親が、

母屋である、

今の私の家に、家庭を持っており、

仕出しや、

ちょっとした宴会を開けるような、

料理屋をしていた、

と言う事だ。

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今から、1年程前の、

ある一時期、

うーん、、1、2ヶ月くらいだろうか。

私は、可笑しな事になっていた。

まるで、

インチキ風水師か、

インチキ占い師のように、

変な事ばかり、口走るようになっていたらしい。

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ある晩、

唐突に、私が言ったそうだ。

「おかん、

〇〇おばちゃんと、△△おじちゃんは、

似ているようで、似ていない。

絶対に、合わない。

だから、、、で、揉めとるんやろ?

本当の、理由は知らんけど。

でも、

気の毒やけど、〇〇おばちゃんは、、、やし、

だから、、、

あと、

死んだおばあちゃんは、

おかんの事、好きやったみたいね。

雪、冷たかったのに、

でも、おかんに会いたかった。

、、そんで、

、おとんは、、、良くない、かも、知れんね。」

それは、

何の、前触れも無く、

突然に、話し始めたらしい。

父方の、親戚の事を。

おかんは、

一瞬、言葉を失ったらしい。

私の言った事は、

後先構わず、ほぼ、当たっていたらしく。

その当時、

私は、知りもしなかったが、

我が家は、

親戚関係などで、少々拗れていたらしい。

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父方のおばあちゃんは、

長男の嫁とも、折り合いが合わない、

おじいちゃんは、

怒鳴ってばっかりだったそうで、

行き場を無くしたおばあちゃんが、

裸足で、雪道の中、

長男の家から、母屋の私の家に、

来た事があったらしい。

徒歩では、、

更に、年寄りでは、

1時間以上は、かかる距離だ。

ちなみに、

おじいちゃんは養子だから、

母屋は、おばあちゃんの実家。

次男の嫁である、

おかんに、会いたかったそうだ。

私の産まれる前の話だし、

勿論、私は、

そんな出来事など、微塵も知らない。

ましてや、

今、親戚が揉めてるなんて事など、

知る由も無い。

それを聞いて、おかんは、

自分の娘でありながら、かなり怖かったらしい。

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それから、2、3日は、

私は、普通にしていたらしいが、

また、変な事を言い出したらしい。

「おかん、

あそこの納戸と、あそこの押し入れ、

普段、あまり開けん場所に、

空気を送らんと、いかんから。

でも、

開けっ放しにするのは、良くない気がする。

だから、

これから1週間、

お酒と、お塩を、あげた方が良いわ。

お膳の上の、配置はこう。

あの納戸では、虎が、

あと、

向こうの押し入れでは、龍が、

何だか、怒っている様に、感じるし。

あと、、おかん、

気を付けてや?

虎の所には、お酒は少なく、

龍の所には、塩を多めに、やよ?

本当は、

私が、してあげたいんやけど、

これは、

嫁いできたお嫁さんしか、する事が、

出来んのや、、」

(ちなみに、

干支の方角、陰陽道で『恵方』とでも言うのか、

おかんが、念の為に調べたら、

虎も、龍も、

全部、方角が合っていたらしい。

これは、後から聞いた話だ。)

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それから、更に2、3日後、

また、私は、言い出したらしい。

「おかん、

2階にある、変な造りの仏壇入れ。

あそこには、

これ以上、何も入れる事が出来んくらいに、

何が入れんとダメやわ。

『仏壇入れ』は、

何も、入っとらんと、

何か、入れたがる物やし。

やから、

マンガでも、段ボールでも、何でも良いし、

とにかく、隙間無く詰め込んで。」

すぐに、

おかんは、2階に上がって行った。

暫くして、

1階に下りてきたおかんに、

「ちゃんと、詰めたか?」

と、私は聞く。

おかんは、黙って頷く。

「そんなら、次は、、、

2階の、あの部屋にある、あのタンス。

もしかしたら、

おばあちゃんの着とった着物とか、

入っとらんか?」

今度は、

母方の祖母の話を、話し始めたらしい。

勿論、私は、

そのタンスの中身など、知らない。

「あんたの、

おばあちゃんのやろ?

もう、何も入っとらんよ、

おかん、、全部、捨てたし。」

「はぎれとかは?

それを使って、作り直した着物は?

それか、、、

おばあちゃんが作った、着物は?」

、、、、、、、

おかんは、

私の事をジッと見詰めながら、暫く黙り、

そうして、

声を震わせながら、言ったそうだ。

「、あ、、あんたの、

七五三の時の着物、、、

、、おばあちゃんが、作った、わ、、

それが、、まだ、タンスに、入っとる、、、」

「うん、

きっと、もう、いらんのやろ?

全部、捨てて。

タンスも、捨てたら良いわ、私も手伝うし。」

何故だか、

母親は、私の言う事を信じて、

お酒とお塩の事も、仏壇入れの事も、

タンスの事も、全て、忠実にやったらしい。

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おかんには、申し訳無いのだが、

私は、その様な事を話した、

その時の、その記憶があまり無い。

『自信』だけが、

自分の中に残っている。

誰かが、私に教えてくれた、と言う記憶?

意味の分からない感情、、、。

だから、

私の発した言葉は、後から、母に聞いた。

、、しかし、

私にしてみれば、、ですよ?

( 自分、

バッカじゃねーの!?

恥ずかしいったら、ありゃしない。

どこの、インチキ占い師だよっ!!)

って、話ですしね?

でも、、、

しかし、だ、

何故に、おかんが、

私の、その胡散臭い話を信じたのか。

それには、

訳があったらしく。

その当時、

おとんが、事故に遭ったり、

弟が、かなりの怪我をしたり、

うちの家庭内が、

上手く行ってなかったり、、、

そんな、災難ばかりが、起こっていた。

そしたら、

娘が、急に、

気味の悪い事を、言い出した。

しかし、「もしかしたら、、、」と、

藁にもすがる思いで、と、

娘の言う通りに、してみたそうだ。

すると、

急に、全てが落ち着いたらしい。

(それは、

たまたまなのかも、知れないし、

私の発言に対する関係性も、

有るのか、無いのか、、、

私には、未だに分からない。)

おかんからは、

一応、その当時の話は聞き出せたが、

その後、おかんは、

それについては、あまり話したがらないし、

『あんたが、怖かった』

とだけ、言う。

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私は、幼い頃から、

おかんに、頼りにされ続けて来た。

昨晩の、

2階のお座敷での、宴会の片付けの手伝い。

( 幼い私には、

タバコやビールの匂いが、キツかった。)

でも、手伝う。

そうして、

両親が、仕事で忙しいから、

『あら? 私が、母親だっけ?』

と、思うくらいに、

弟の面倒を、毎日みて、、、。

でも、

何となくだけど、楽しかった。

だから、

2年前に、弟が結婚した時は、

母親の様な気持ちで、嬉し泣きした。

( 周りが引くくらいの、大号泣。)

ただ、

リゾ婚は止めてくれ、と。

何故に?

この、、この、私が? グアムへ、、、?

( ちなみに、

国外逃亡は、これが初めてだった。

くそぅ。)

、、、、、、

しかし、

何故に、おかんが、

小学生の私を、それ程に頼ったか。

それは、

" おとんが、頼りなさ過ぎるから "

の、一言に尽きる。

『仕事は、適当、ゴルフは、真剣っ!!』

(あぁーあー、

救いようの無い阿呆だなぁ。

だから、ハゲたんだよっ!!

ざまぁみろ。)

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今、大人になった私は、

当時のおかんの気持ちが、

少しくらいは分かるかな、と思う。

未だに、

おかんの口癖は、

「何で、おとんと結婚したんやろ?

何で、こんなとこに、来たんやろ。」

うん、エンドレス、、、。

そうして、

いつも私は、冗談っぽく言う。

「おかんは、

きっと、自分でも知らん内に、

『動かしてはいけない石』

を、何処かで、動かしてしまったんや。

その『呪い』やよ。

『呪い』なんやし、もう仕方無いやろ?

おとんのせいでも、

おかんのせいでも、

誰のせいでも、無い。

全部『呪い』のせいなんやし、な? 笑。

原因追求したり、

誰かを責める必要、無いやろ?

そう考えると、ラクじゃあ、無いか?

私も、

『動かしてはいけない石』、

動かしまくっとるわー。

呪われまくっとる。

だから、男運も無いし、

仕事先で揉めるし、性格悪いし、、笑。」

「、、、ほんとや、

あんたの、言う通りやわ。

『呪い』のせいやって、考えると、

自分を責めたり、

おとんを責めたり、

誰かのせいに、せんでも良いわ。

良い言葉、聞いた、

そうやっ!呪いや、呪い!!」

そう言って、

急に、元気になったおかんに、

(そこまで、良い言葉かぁ?

あんた、、ヤバいんじゃあ、、、。

しかも、

世界一、『呪い』とか、そう言うの、

信じん人やろうが、、、)

と、私は、少し笑ってしまった。

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そんな、我が家に起こった内部事情。

これをおかんが見たら、

「こんな、

家の、恥ずかしい事ばっか、書いて!

絶っ対に、

投稿したらダメやしねっ!!」

と、鬼の様な形相をして怒っている、

おかんの顔が目に浮かぶ。

鮮明に 笑。

まぁ、私には関係無いし、知ーらない。

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怖ポチつけられなくて、
後から、また試します。

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