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短編2
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地獄に堕ちたいです

これは小学生の頃にやった百物語で聞いた話です。

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『○○様○○様○○様どうかおねがいします。

私は食べる為に沢山の命を奪いました。

私は歩く時に沢山の虫を踏み潰しました。

私は悪い事を沢山やって来ました。

私はもう十分生きました。

だから殺してください。

地獄に堕ちたいです。

残りの人生は私と同じ理由で地獄に堕ちた方に差し上げます。

私を殺して頂ければ私の肉体を差し上げましょう。

私の名前は○○○○と言います。

○○様○○様○○様どうかおねがいします。』

この呪文を唱えると地獄から鉈を持った亡者がやって来て自分を殺してくれるという。

亡者に殺されると亡者は殺した者と入れ替わり現世に蘇る事が出来るという。

小学生の頃に友達数人と一緒にこの呪文を唱えてみた事があった。

私の名前ではなく同じアパートに住む隣人の名前を使って。

呪文を唱えて1分位経っただろうか?

ダダダダ

と階段を登ってくる足音が聞こえてきた。

まさか!本当に来た!

心臓がバクバクだった。

私は友達と一緒にベッドに隠れ息を殺して微動だにしなかった。

ドンドンドンガンガンガン

隣人の部屋のドアが激しく叩かれる音がする。

「んだようっせーなー何時だよ今?」

ドアを開ける隣人の声が聞こえた。

「あれ?お隣の○○ちゃん?どうしたの?何で鉈なんか持ってるの?何で裸なの?こんな遅くに危ないよ・・・」

隣人の部屋のドアが閉まる音がした。

これは予想外・・・もしかしてバレた?・・・心臓が握り潰される思いだった。

ガンガンガンガンガン

今度は亡者は私の部屋のドアを激しく叩きだした。

バレたのだ!

友達と指が千切れるかと思う程に強く手を握って朝まで震えていた。

朝になるとあの亡者は消えていた。

隣人と私の部屋のドアはベコベコに凹んでいた。

隣人の通報で私のやった悪質なイタズラとして警察では処理された。

私は地獄に堕ちるのだろうか?

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