短編1
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もっとたべたい

学生時代に友人から聞いた話です。

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古本屋に結構怖い内容の飛び出すお化け絵本があった。

「もっとたべたい」みたいな題名だったと思う。

大口を開けた怪物の飛び出す絵本だ。

ホラー好きな幼い弟に買い与えようと思って読んでる時に指を怪我した。

不審に思ってきゅうりを怪物の口に突っ込んでみた。

きゅうりは一瞬でズタズタにされた。

驚くべき事に飛び出す絵本の怪物の口にはカッターの様に鋭いペーパーナイフの牙が並び、入れた物を切り裂く原理になっているのだ。

よくよく絵本を調べると出版社や作者の名前が見当たらない。

装丁もかなり古い様だった。

薄気味悪さを感じて翌日、絵本は古本屋に返品する事にしたが、再び訪れたその古本屋は同じ店名のラーメン屋になっていた。

ブックオ○にでも持って行こうかと思ったが、その前にもう一度だけ読んでみたくなった。

絵本を開いた途端、何かがポロっと落っこちた。

拾い上げてみるとそれは何かシワシワになった古いソーセージの様に見えた。

しかしよくよく観察してみるとそれは乾燥しミイラ化した人間の指だった。

俺は絵本を投げ捨ててその場から逃げ出した。

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