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中編4
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事故物件

これは、私が働いて1年目くらいのお話です。

その当時の仲の良い先輩が、引っ越す家を探すので、物件さがしに付き合ってほしいと言われました。

その先輩は私が見えるのを知っていたので。

先輩と不動産屋に行き、ある物件を紹介してもらいました。

その物件は、2LDKだったのですが、集合団地でした。

しかも、よくある何故?こんなに安いの?って物件でした。

不動産さんと先輩と3人でその物件を見に行くことになりました。

私は、部屋の中を写した写真、特にクローゼットあたりを写した写真を見て嫌な感じがしていました。

物件に到着し、その部屋へ向かいました。

向かうに連れて、物凄くいやな感じがしてきました。

まず団地の建物、いわゆる物凄く古い団地で、部屋をリノベした物件でした。

団地のあちこちから、陰気な雰囲気が漂っています。

部屋に近づくと中から異様な気配がします。

先輩と不動産屋さんは全然平気な顔をしています。

異様な気配は部屋そのものと言うより、中のある場所からだけ漂っています。

「こちらになります。中は綺麗にリノベしてあるので、使いやすいかと思います。収納も三箇所ございます。」

「へー凄い綺麗な部屋。外から見たら大丈夫かなと心配だったけど。ねえ、ここ良くない?蒼波。」

「うん。まあ。綺麗だよね。」

そんなやりとりをしながら、部屋を内見していきました。

収納を不動産さんが、順番に説明してくれ、最後の一箇所になりました。

「あっここが最後ですね。ちょっとここはあまり広くないし、使い勝手は良くないかと」

さっきは、収納が自慢的な言い方をしてたのに。

「ここ私気に入ったかも。」

最後の収納は、和室タイプの襖をあける形でした。

その部屋に入った瞬間、先程の異様な気配があきらかにその襖の中からしています。

不動産屋さんが、襖に手を開けようとした途端、ガサガサ、ドタンと中で何かが落ちる音。

嫌な予感しかしません。

「あれ?なんだろ?ここの上の部屋ですかね。なんせ古いので。」口籠もりながら、そう言いました。

明らかに変だ。なんか隠してる。その答えはここにある。

不動産屋さんが、襖にてをかけ、開けると、なかは小さな収納です。

あれ?なんもないな。確かに嫌な気配がしたんだけど。

と、先輩がまず中を見ながら、「ここは狭いね。あんま物置けなさそう。蒼波も見てみて。」

「わかった。」

私は嫌な気配が消えたのも気になり、中を覗きました。中は本当に狭い、あまりものは置けないなあと思い、中から顔を戻そうとした瞬間。

上から先程の異様な気配。

shake

凄いプレッシャーを感じます。ヤバい、これはヤバいやつだ、、、。

上はみちゃいけない。

何かいる。。。

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相手が強い霊の場合、こちらを操れます。

これはガチにヤバいやつ。むきたくないのに、顔を上にむかされます。

必死に抵抗しますが、無駄でした。

顔が天井を向かされた瞬間、そこには首だけの男がこちらを凄い形相で睨みつけています。

その男は、首だけなのかと思いよくみたら、身体はあるが、首が細くねじ曲がっています。

ヤバい、ヤバい。早く出なきゃ。

男は睨みつけたまま、私を見ています。

「私はお前とは関係ない。早くこの場から去れ。私はお前のことを助けられないし、お前を救えない。だから去れ」

そう念じるとふっと、身体が軽くなりました。

やった。収納から顔をだします。

そこには、不動産屋さんと先輩が何事もない様子で談笑しています。

「先輩ここやばい。早く出るよ。早くっ」

「不動産さん、あなた重要なこと説明してませんね。とりあえず早くでますよ。」

そう二人に言い、部屋をなんとかでました。

団地の階段をかけおり、ふとその部屋のある窓を見ると、先程の男がいます。

良くみると首には紐があり、男の身体はぶらぶらと揺れています。

なるほど。全てわかりました。

不動産さんに車で戻りながら、尋ねました。

「ここ事故物件ですよね。しかもこの部屋で少なくとも、3人死んでますね。」

「えっ、何故それを。私なんか口に出しましたか。」

「なにそれ?蒼波なにいってんの?」

「先輩。さっき行った部屋は事故物件なんです。しかも、立て続けに3人死んでます。全てあの最後にみた収納のあった場所で。」

不動産さんの顔が青ざめています。

そして、こう説明されました。

「そうなんです。仰る通りです。あの部屋は原因不明に3人のしかも最初は女性、その後に男性が2人。首吊り自殺で亡くなられています。

隠していてすいませんでした。でも、何故それがわかったんですか。」

「私には見えるんです。だから、この先輩についてきたんです。ちゃんとした物件を紹介してください。隠しても無駄です。」

そう言うと、次はかなり綺麗な良さげな物件を紹介してもらえました。もちろん、幽霊なしの。

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