中編3
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山窩伝説

俗に言う山の民サンカ。

澤から澤へ山から山へ。

江戸末期の文献に登場し昭和期に入るまでは戸籍を持たず日本各地で漂流生活を送っていた流浪の民。

またエミシ、クマソ、ツチグモが差別用語である様に彼等は自らをサンカとは呼ばず「ケンシ」「ケンタ」「ヤコモン」等と自称していたらしい。

川漁、竹細工、箕作り箕直し、箒作り、逃散者、ささら者、坂者、修験者、落人、セブリ、犬神人、傀儡、縄文人、南朝、渡来人、マタギ、土建業界、侠客、八咫烏、大本教、山師、怪人20面相、隠密そして古史古伝・・・

虚実入り乱れた三角寛の小説から八切止夫、赤松啓介、沖浦和光、筒井功の研究・・・

土地所有の概念が無く不法侵入して農家の作物を勝手に食べて訴えられたり警察に逮捕され拷問を受けたりした。

里から落伍者や逃亡者を受け入れるが3代続かねばサンカとは認めない。

かつて山賊まがいの事をしていた。

神代文字でオーパーツを操る超能力者集団でムーやアトランティスの末裔である。

ナチスドイツがサンカに興味を持ち緑龍会に接触した。

江戸の街はサンカが築いた。

地域毎にヤゾウと呼ばれる親分に率いられていた。

ヤゾウへの挨拶の時にまるで侠客の様な仁義を切っていた。

タノモシ講やシノガラといったヤゾウの組織が確かに存在しておりその統括者はオーモト(アーモト)と呼ばれ裏切りには死の制裁が加えられた。

それとは別にアヤタチという組織も存在した。

関連が囁かれる者だけでもそうそうたる面々・・・田中角栄、出口仁三郎、千利休、豊臣秀吉、源義経などを歴史の裏から操った。

スイスにサンカの本部が存在する。

聖徳太子に仕えていた。

縄文人という説。

逆に渡来人という説。

米軍がサンカの墓を暴いて人骨を持ち帰った。

荒唐無稽なものからある程度の根拠があるものまで入り乱れており現代の研究でもその実像はハッキリとはしない。

山口敏太郎によればアメリカ日系人部隊の活躍の影にもサンカが絡んでいるとされる。

非差別民でもあった彼等は立身出世を目指し日系移民として渡米しマスコミ、ハリウッドで成功を修めた者も多かった。

中でもアメリカ軍での彼等の活躍は目覚ましく敵性外国人と差別されながらも第442連隊戦闘団はアメリカ史上最多の勲章を受けた部隊として知られる。

中でもパープルハート章を受けた日系人は9,486人にも上ると言う。

山口氏によると彼等の中に多くのサンカが居たという。

彼等はヨーロッパ戦線での活躍を買われアメリカに戦後日本の統治はサンカによって行わせるとまで約束をさせたらしい。

「真の日本人サンカよ立ち上がれ!」という謀略ビラがアメリカ軍によって日本に撒かれたとも。

しかし、その約束はサンカの恐ろしさを知るマッカーサーによって反故にされ政治頽廃と腐敗統治を好む33階位の秘密結社による支配体制が戦後日本に築かれた・・・

その後、サンカはトケコミによって忽然と歴史の闇に消えてしまったという・・・

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