短編2
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交換

親戚の友達から聞いた話です。

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私は中校生の頃に人生を交換した事がある。

当時私は進学校に通っていた。

ノイローゼって訳では無いけどそれが嫌になった。

別にイジメられていたとか劣等生だったという訳でも無い。

親の敷いたレールからはみ出したくなってしまったというありきたりな理由からだ。

その旨を母親に告げた。

母は父と何日も相談していた。

ある時、両親に呼び出された。

何でも私と絶縁する事に決めたらしい。

両親の人格からしてこういう事態はある程度覚悟はしていたが・・・

両親はある施設の地下へと私を連れていった。

顔も知らない母子がそこに居た。

二人共気味が悪い位に顔色が青白い。

私は同い年位の青白い子供と一緒に椅子に座らされると脳波を測る様な器具を頭部に装着された。

少なくとも数時間は固定されていたと思うが薬を点滴で打たれていたので正確な時間は分からない。

この怪しげな実験が終わると両親は生気の抜けた様な表情を浮かべる私を連れて満足げに帰っていった。

私は青白い肌をした母親と共に解放された。

そう、私はあの青白い肌の子供と意識を交換されたのだった。

今にして思うとあの青白い肌をした子が不憫でならない。

私のワガママのせいで本当に申し訳無い事をしたと思っている。

そして新しい母には本当に感謝している。

皆には信じられないかも知れないが私は今、地図にも載っていない地下にある街に住んでいる。

巧妙にデパ地下を装った地下都市だ。

街に名前は無いが外部の人間からは便宜的に「スペア市」と呼ばれている。

住民の肌は皆青白く滅多に言葉も感情も現さない。

住民の多くは地下鉄やデパ地下で単純労働の仕事に従事している。

食事はかなり独特でドングリを食べたり土器を使っていたりする。

少なくとも現代日本食では無い。

新聞もテレビもネットもあるが彼等は閲覧するだけ。

書き込みとかSNSアカウント作ったりしてるのはスペア市の住人の中でも多分私位なんじゃないだろうか?

私はいつも友達からは顔色が悪いとバカにされている。

ちなみに私を含めてスペア市の住人の人権は制限されており私の体験した時の様な特別な「用事」が無ければ外出する事も認められていない。

と言うか外出したいという欲求すら感じる事が無いのだろう。

たまに外部の一般人に目撃されて怪談として噂される事もある。

不満は一切無いがここに住んでいると人間とは何なのかと考える事が多くなった。

そして今日、私は外部のある女性と結婚する事になっている。

産まれて来る子供の肌は何色だろう?

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