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短編2
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占いアリス

よくテレビなんかで見かけるインチキくさい占い師っているじゃん?

じつは本当に凄い人なのかも知れないけれど、テレビにでてるってだけで妙に胡散臭さを感じてしまうんだよな。台本あるんだろうなって。あっ、これはあくまでも俺個人の感想ね。

それに比べて、俺の知ってるアリスって女は本物よ。本物の占い師だ。アリスには人の未来がはっきりと見えているし、アリスはその人が死んじまう瞬間をも鮮明に予言出来ちまうんだ。

アリスを見つけるのは簡単だ。電気街に行けばいつもメイド服姿で夕方までつったってる。アリスは正真正銘の占い師だが、職業がメイドだから彼女に占ってもらった人間は、たぶん俺以外に数人しかいない。

で、その数人の内の一人が俺の後輩なんだけど、アリスが予言した日の夜に、アリスが予言した通りの死に方をした。

後輩は、俺たちと敵対しているグループの一人に喉をハサミで掻っ切られたんだ。ああ信じたよ。信じたさ。コイツが言った事は本当になるんだってな。

で、今日なんだけど。今日は俺が殺される日なんだって。笑っちゃうよな。ああ、アリスはブルーの目をしてるんだけど、カラコンではないらしい。顔はどう見ても日本人なのにな。

でもそのブルーの目に見つめらると、なんていうか全てを見透かされている気分になるんだ。

アリスは、今日俺が車に轢かれて死亡すると予言した。それも事故ではなく殺人だ。

運転手は後輩を殺したやつらの仲間。

俺がそれを聞いて素直に殺されると思うか?

あいつらの行動は事前に把握済みだ。

どうせ殺されるなら、何人か道連れにしてやる。

俺はドスを腹に忍ばせ、電気街でアリスを探した。

するとアリスが先に俺を見つけて、向こうから俺に近づいてきた。

「ひっさしぶりじゃんロビン」

「おう。アリス、俺は本当に今日の夜死ぬのか?」

アリスは近くにあった自動販売機に百円玉を入れて、コーンスープのボタンを押した。

「ほれ、最後の晩餐!」

俺はそれを受け取ると、アリスにもう一度聞いた。

「アリス、俺は本当に今日の夜に死ぬんだよな?」

アリスはブルーの目で俺の目の奥を見て言った。

「ロビン、未来がかわってる。あんた、あと10分後にはもうこの世にいないわ」

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