中編3
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(ノラのお仕事編)

      さて、ナニ話そう、、

ノラの話しは、ノラの体験談、その人から聞いた話しだから、やはり面白味が無い。

かと言っても、創作は苦手なのだ。

今回は、「運」ノラの体験談を話そうと思う

ノラは、良く県外に働きに行く。

一人で、フラリと半分は旅行気分が多い。

非破壊検査の派遣は、楽で、日当も良く、部屋代もタダで、飯付きの場合も有った。

かなり条件は、良いんだ。だから行く。

石油精製工場では、パイプの肉厚をエコーで測る。

パイプの塗装をブラシで、落とし、グリスを付けて、以前に測定した同じ場所を測る。

いつもは、簡単な作業だ。

同じ県から来た二つ上の先輩の二人とチームを組んでた。

ある日、タンクの中の清掃が有った。

シンナーを使い汚れを落として完了、簡単な仕事のハズだったが、先輩が送風機は要らないと言う。

モチロン、ノラはタンクの中の酸素が無くなれば、どうなるか知ってる。

何度も言ってたら、

(直ぐに終わるから、要らん!!)

と逆ギレされた。

もぅ、いいか、、、

現場に着き、タンクを確認、大人8人が座れる大きさだった。

ノラ、危ない感じがしてた。

タンクに入る、ライトを付けた。

結構、汚れてる。

取り敢えず、早く終わらせ様とする。

ガシガシ、ブラシとシンナーで落としては、布で拭き取る。 繰り返しの作業。

10分位いで、先輩一人が、気分が悪いと、外に出た。

今、考えるとシンナー酔いだ。

二人で、作業していた。

ふと、後ろから(ノラちゃん)と寂しそうな女の人の声がした。

ビックリして、振り向く?

当たり前だが、メンバーに女性はイナイ、、、

誰もイナイ、、、

中に居た先輩に、確認、(言ってない)

二人共、作業を中断し、直ぐに外に出た。

ノラは、シンナーに酔い幻聴を聞いた、少し休んで3人で送風機を取りに行く。

非破壊検査の所長には、しこたま怒られた。

当たり前だった、タンクの中の清掃に送風機は、必ず必要だから、、、

先輩二人が、特に怒られた。

所長に、ノラは謝った。送風機が必要な事を知っていたから。

所長は

(シンナーで早く気づく事が出来たから、大事に成らなかった。)

(酸欠なら三人共、死んでしまう!!

二人が、オカシイと思ったら、自分に聞きに来なさい、事故だけは起こしてはイケない!!)

(すみませんでした)と言い送風機をクルマに積んで、中断していたタンクに送風機をセットして、また3人で作業した。

送風機の風のお陰で快適!!安全!!

1時間も掛からず作業終了した。

タンク内の気体が、一酸化炭素等で、満杯だったら、、、死体が3体出来ている。

酸素が、有って、シンナー酔いで気が付いた事は、ノラ達にはラッキーだった。

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石油精製工場は、大抵が海側に有る

潮風で、鉄板の床は錆ダラケだ。

40メートルの高さの作業する時は、恐かった。

30メートルまでは階段で行ける。

その間に4ヶ所位いのおどり場が有る、その床が、錆びて腐っとる。

穴まで空いて、ヒビ割れも有った。

落ちると、、4メートル下の次の床までドスンだ。

運が悪く次の床も腐ってたら、8メートルも落下する事になる。

スリル満点だ。

鉄塔の40メートルの高さよりも床の腐り具合いが、恐ろしい。

もぅ、来る事は無い現場だが、直して欲しい

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思い出すと、危ない現場は結構ある。

職種は、変わるがキッチンの換気扇のラストの作業、外側に取り付ける丸い排気口だ。

その階は、3階。

ノラは、長く伸びるハシゴを念の為、作業車に載せ様としたら、先輩は使わないから載せるなと、、、、

もう、終業時間だ。

この先輩は、子供の迎えが有る。

ハシゴは、事務所だが近い。

先輩

(キッチンの出窓に登り、片腕をオレが掴んでるから上半身だけ外に出て付けて来い)

ノラは断った。

(命掛ける給料じゃ無い)

ノラ

(先輩は、もう、あがって下さい、ノラはハシゴ取りに行くから)

先輩は何を考えているのか

(自分がヤルから片腕を掴んでいてくれ)

ノラは、この人バカだと思った。

汗で、滑ったら?

ノラが手を離したら?

3階からコンクリートの地面に落ちる

誰も得しない死に方。

無事に取り付けられた。

人の命を預かるのは、辞めようと思った。

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コメントありがとうございます。

そう、ですね。
安全第1ですょ!
気の緩みが、命を、体を奪う。
小さな過ちでも、、、。
ノラも、気を付けて作業しますね。
               ノラょり

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