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短編2
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チャンピオン

去年、脳梗塞でとつぜん僕たちの前からいなくなってしまった父は、大のレコード収集家だった。

主人がいなくなった父の部屋には、いまも数百、いや、ちゃんと数えれば千は超えるかもしれないレコードたちが、物悲しそうに、棚にしまわれている。

その数えきれないコレクションの中で、父の一番のお気に入りを僕は知っている。

父から直接聞いたわけではないのだが、気分が落ち込んだ時には必ず、父はこのレコード盤に針を落としていた。

アリス。

このバンドがとにかく父は好きだったようで、その中でもチャンピオンという曲が父のお気に入りだったと思う。

ところが、そんな父を亡くした母は、喪失感からか日に日におかしくなってきた。

まず、料理が極端に手抜きになり、最近では、何が入っているのかわからない緑色のドロドロしたスープが夕食にでてきた。僕も姉も一口食べて吐き出してしまった。

それに母は夜中に起きだして泣きながら外を徘徊するようにもなった。病院に行こうといえば、母は狂ったようにハサミを振り回して暴れだしてしまう。

「どうしよう…」

途方に暮れる僕と姉の耳に懐かしいメロディが聞こえた。

「チャンピオンだ」

姉が二階の天井を見上げた。

「ほんとだ、父さんの部屋かな?」

「当たり前じゃん。もしかしたらお父ちゃんは私たちに頑張れ!って言ってくれてんのかしら?」

僕は、チャンピオンの歌詞を思い出して思わず泣いてしまった。

「ぷっ!あんたなんで泣いてんのよ?さっ、そろそろお母さんお風呂からあがるだろうから着替え持っていかないと!」

そう言って微笑む姉のすぐ後ろに、包丁をふりかざしたずぶ濡れの母が立っていた。

Concrete
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りこお姉様。久しぶりのおコメントを頂戴いたしまして、ベリーサンクスです!
それはそうと、またまたロビンは無謀な挑戦企画を立ち上げようと企ているのですが、長年にわたって怖話を暖かい目で見守ってこられた、りこお姉様にも是非、読者代表として企画のご提案やご要望などがあればご意見いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします…ひ…

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猫様、ふふふ。
じつは僕も世代ではないですが、チャンピオンとスバルと24時間テレビのあの歌だけは知っています…ひひ…

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