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オレは、ホラー映画が好きだ。
オカルト系、パンデミック系、稲川淳二系、
邦画、洋画を問わず、色んなジャンル。
特に、
ゾンビや、スプラッター物が好きだな。
内臓が、バーンッと出たりさ、
首が、スパーンッと切れたりさ、
目玉が、グリグリとくり抜かれたりとか?
で、
じっくりと見入っちゃう。
人間の臓物って、あんな長いんだな、とか?
へぇー、
ここまでされても、人間って死なないんだぁ?
とか?
でも、まぁ、それは、
映画によって違うよな。
そこが、また、オレのツボなんだけど。
だってさ、
かなりのダメージ喰らって、
あの映画じゃ、ソッコー死んだのに、
この映画では、まだまだ生きられるのね、
みたいな? 笑。
結局さ、
オレとしてみたら、ホラー映画って、
間違え探しみたいな?粗探しみたいな?
そんな物なんかな。
だって、おもしれぇじゃん?
まぁ、エクソシスト系にしてもさ、
何で、身体が浮くの?
大概、くの字に曲がってるけど、
そん時の背骨って、どーなってんの?
あと、
何で、部屋の温度が下がんの?
寒い所が好きなの?
とか?
オレも、転職して、
エクソシストになろうかなぁ 笑。
あ、、、
こんな、不謹慎な事を思ったら、
呪われるかも知れない。
やめよう。
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さて、今日も、ホラー映画を見たから、
そろそろ寝るかぁ。
あ、、、
アパートの、オレの部屋の、
左隣の部屋のドアを、誰かが頻りに叩いてる。
もしかしたら、
あの漫画の女かも知れない。
絶対に、ドアを開けて覗いちゃ駄目だ。
あ、、、
押し入れが、きちんと閉まっていない。
ちゃんと、閉めたはずなのに。
やっぱり、ガムテしとこ。
そして、オレは、
ベッドの下を確認し、布団に入る。
例の男がいたら、大変だからな 笑。
そうして、
妄想に耽りながら眠りにつく。
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そんなある日、会社帰りに、
高校の同級生の、Aとバッタリ会ったんだ。
ビックリしてさ、
まぁ、立ち話もなんだからって、
近くの居酒屋に、行ったんだよね。
Aは、
まぁ、なんと言うか、、
パシリに使われる系?で、
でも、オレは好きだったんだよね、彼の性格。
そうして、
それから、オレとAは、
定期的に飲みに行くようになった。
あいつは、絶対にオレの誘いを断らないし、
金払いも良いしさ。
いや、いや、誤解しないで欲しいんだけど、
金とかじゃあ、無いよ?
オレは、ただ単に、
Aと過ごす時間が、楽しかったんだ。
話も弾むしね。
で、毎回、オレは、
ホラー映画について、Aに語んの。
本当に内臓って、あんなのなんかな?
とか、
実際、ここまでダメージ喰らわせても、
死なないのかな?
とか。
Aは、いつも、
そんなの分かんない、って、笑ってた。
そりゃそうだ、オレも分かんないし。
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その晩も、オレはAと飲んでたんだけどね、
オレは、Aにさ、
心霊スポットに行って来て?って頼んだの。
でも、イヤだっつーんだよ。
全く、怖がりだよなぁ 笑。
で、結局、3回くらいお願いしてね?
3日後、
ようやく、心霊スポットの映像が、
手に入ったんだ。
比較的、近くにある有名な心霊スポット。
一応ね、事前にアドバイスしといたんだけど。
霊をバカにしながら行け、
気になった所を見つめろ、
でさ、いつもの居酒屋で、
Aのスマホの映像を、見せてもらったんだけど。
何も映って無い。
変な音すら、入ってねぇし。
つまんねーの。
お前さぁ、オレの言う通りにしたぁ?
不機嫌に聞くと、
Aは、笑って頷く。
その笑顔が、多少気に食わなかったけどさ、
とりあえず、
その画像、オレに送っといて、と言った。
暫くして、オレは言う。
あ、そう言えば、
お前さ、高校ん時、
Nに、かなりパシられてたよな?
あいつ、大したこと無いくせに、
偉そうだったよなぁ、
お前がさ、Nの代わりに万引きさせられて、
警察に捕まってさぁー。
Nって、最悪じゃね?
実は、オレも嫌いだったんだよねぇ。
オレさぁ、結構、お前の事を庇ってたんだぜ?
でもさぁ、
お前、知ってる?
今、Nって、あの有名な〇〇会社の、
社長令嬢と結婚してさ、行く行くは社長だと。
ムカつかね?
それなのに、お前はさぁ、
小さな工場で、汗水垂らして、安い給料で、
それでも一生懸命に、
携帯の部品を、作ってんのになぁ。
神様って、不公平だよ。そう、思わね?
所詮、水戸黄門的な?
悪いヤツは成敗される、とか、
そんなのって、
現実的には、有り得ねぇ話だよなぁ。
Aは、黙ったまま俯いてた。
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それから、2ヶ月後、
オレは、ようやく、
Aのスマホの画像を見る事ができた。
うそだろ!?
すげぇ長いじゃん、内臓って。
だから、巻尺何個も持ってけって、言ったろ?
巻尺の置き方も、パーフェクトだし。
オレさ、お前をリスペクトするよ、
いや、マジで。
あ、でもさ、
お前、誰にもバレなかったん?
オレがそう聞くと、Aは軽く笑っていた。
ますます、すげぇよ。
よし、今日はオレが奢るよ、
だって、お前さ、すげぇもん。
Aさ、何でも頼めよ?飲もうぜ?
あ、そうだ、
その画像も、オレに送っといて。
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その夜も、いつも通りオレは、
2つの心霊探知アプリを使い、部屋中を調べる。
よし、大丈夫。
そう言えば、ネットで頼んだ、
電磁波測定器、届いてたんだっけ。
早く使わないとな。
あと、監視カメラのチェックだ。
死角になってる所があると、
いつの間にやら、壁に掛けられてる物が、
逆さまになってるかも知れないしな。
でも、まぁ、死角が無いように、
ちゃんとセッティングは、してあるけどね。
オレは、
監視カメラをチェックし、
いつも通りに、箇所箇所を、点検する。
まぁ、何かあったら、
センサー探知機が、音を立てるだろうけど。
携帯の電源も、OFFにしたし、
そうして、最後にベッドの下をチェックし、
眠りに就く。
あー、
明日は何の映画を見ようかなぁ、、
でも、何でかさ、
見たいなと思った映画って、
前に見た事が、あるやつなんだよね。
映画あるある、か? 笑。
見てる途中で思い出して、
クソムカつくんだよな。
今度から、メモっとくかぁー。
そう言えば、
明後日、Aと飲みに行くんだったっけ。
楽しみだな、
あいつと話してると、おもしれぇもん。
次は、何を見せて貰おうかなぁ。
見たい物は、沢山あるしな。
まぁ、ゆっくりと考えるか。
いやぁ、
ホラー映画って、本当に勉強になるよ。
対処法っつーの?
傷の手当てとか、幽霊に遭遇した場合とか、
いざとなったら、
どうすれば良いのか、
リアルに教えてくれる教科書だよね。
映画ん中では、
みんな、かなり切羽詰まってんじゃん?
そんな状況だから、
かなり助かる知識をくれるよねぇ。
あっ、、、
ヤバいっ、時計が、
3時4分で、止まらないようにしないと。
危ないとこだったよ、
勉強した事を実践しているオレは、
かなりの優等生だよな。
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次の日、オレは、
いつも通りに、
昨晩の監視カメラのチェックをする。
安心して寝ているオレの隣で、
携帯の明かりが着いたみたいだ。
そうして、たぶん、
Aが撮影した、心霊スポットの画像が流れた。
やっぱ、監視カメラは頼りになるわぁ。
さて、さて?
こう言う時に、
ホラー映画では、どう対処するんだ?
まず、教科書を見ないとな。
模範解答が無いと。
オレは優等生だから、
そこからちゃんと学べるし、
しかも、応用も利くから。
オレは、徐に映画を探し、映画を見始めた。
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彼にとっての模範解答を、
教えてくれる映画があれば、良いけどね。
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