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市営住宅には、小さな子供が遊ぶ遊具が有った
一人っ子のノンちゃんは、皆で遊べる事が出来るこの場所が大好きだった。
市営住宅に引っ越して来て直ぐに沢山のお友達が出来た。
しかし、たまに見かけるノンちゃんと同じ歳くらいの女の子とは、話しをした事が無い。
この子は、周りの子とも遊ばず砂場でいつも、たまに1人で遊んでいた
気になった、ノンちゃんが「一緒に遊ぼう」と声を掛けると嬉しそうに、うなずいた。
名前は、ハナちゃん
ハナちゃんは大抵、砂場で先に来て待っていてくれた。
ノンちゃん
「ハナちゃんにお誕生日会やるから来てね」
ハナちゃん
「ママに怒られるから行けない」
下を向いたままハナちゃんは、困った様に言った。
ノンちゃん
「わかった、じゃあね、ここで今度お誕生日会しようね」
ハナちゃん
「うん」
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ノンちゃんは、ハナちゃんが砂場に来る日が、何故いつも曇りの日だけなのか聞いてみた。
ハナちゃん
「病気で、お日様に当たると熱くかるから、ママに言われてるから曇りの日だけ、お外に行けるの」
とニコニコしながら教えてくれた。
ノンちゃんのお母さんが、最初は皆にまざって遊んでいたノンちゃんが、一人で遊んでいた事にきがついた。
「ノンちゃんは、何で砂場で1人で遊んでいるの?お友達とは、遊ぶのイヤ?」
ノンちゃん
「え〜、ハナちゃんと一緒に遊んでいるよ〜」
ハナちゃん?
市営住宅だ、母親同士は中が良い方だ。
聞いた事か無い子供の名前。
外から来て遊ぶ子も良くいる。
母親は、気にもしなかった
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母友からノンちゃんが、いつも見る度に1人砂場で喋りながら遊んでいた事を知らされる。
母親は、ノンちゃんに聞いた
「ノンちゃん、いつも誰と遊んでいるの?」
ノンちゃん
「ハナちゃんだよ!!」
母親は、ママ友に聞いてまわるが、誰も知らない子だと言う。
子供達にも、聞いたが知らないと言う。
母親は、少し変だと思い最後に、区会長に聞いてみる。
すると区会長は、ビックリした様子だった。
そして、ため息混じりに
「ハナちゃん、、、、、、、、」
母親
「何か分かりますか?」
「娘が、一緒に遊んでいる子なんですけと、どちらの子か気になっていて、、、、、」
区会長
「そうですか、分かりました。
少しお茶でも、飲みながら、話しましょう」
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区会長
「ビックリしないで、聞いて、、、な?」
「ハナちゃんは、もぅ亡くなっとる、14年も前になる。」
母親
「え、亡くなってる、、、、、、、、、、、でも家の子は、最近からハナちゃんと遊んでいたらしいんですが?」
区会長
「今は、昔ほど児童虐待なんて表に出なかったし、少なかったけどなぁ、、、
あの家は、狂っていたんだよ。
何度も通報したが、昔は警察もワシも、手が出せ無かった、、、、
ハナちゃんは、片親で虐待されていたんだょ、最後は食事さえも食べさせてはくれなかったみたいだ。
死因は、栄養不足だった
可哀想になぁ、、、、ハナちゃんは、夜中家から抜け出して、あの砂場で、亡くなっとったんじゃよ」
母親
「ウチの子と遊んでいた子は、病気で太陽の下では遊ぶ事が出来ないと言っていたそうなんですが、その亡くなっ子もそうだったんですか?」
区会長
「あぁ、皮膚科に通っていたらしいから、同じハナちゃんだろぅ、
明日、拝み屋さん呼ぶから、アンタの子も連れて来なさい」
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翌日、お昼過ぎ頃、遊具の隅の砂場にノンちゃんと母親、区会長、そしてハナちゃんの両親が来ていた。
ハナちゃんの両親が、母親に会釈した。
母親は、ハナちゃんの両親を睨む、、、
言いたい事は山程有るが、ノンちゃんが居る前だ、必死に我慢している。
重たい空気が流れる
拝み屋さんが来た。
若い女性だった。
区会長が詳細を説明している。
ノンちゃん
「何するの?」
母親が、しゃがんでノンちゃんの両肩に手を置いて話す。
「ハナちゃんはね、幽霊さんなの。
ちゃんと天国に行って天国で、また新しい友達と遊べる様にお願いするの、ノンちゃん出来る?」
ノンちゃん
「もう会えないの?」
母親
「そうね、会えないの。
でもね、いつかは会えるから。ちゃんとお願いするのよ。」
ノンちゃん
「いつ会えるの?」
母親
「ママも、いつ会えるか分からないけど、いつか、きっと会えるから今は笑ってバイバイしようね?」
ノンちゃんは、下を向き小さな声で
「わかった、、、、バイバイする」
と言った。
拝み屋さんが、皆に言う
「ハナちゃんをちゃんと天国に送る、、、
皆さん、思う所あるかと思います、これが最後になるちゃんと気持ちをお伝え下さい
ノンちゃん、ちょっとコッチおいで、、、」
拝み屋さんは、ノンちゃんの手を握る。
そして言った。
「ノンちゃん、ハナちゃんはね、もう天国に行かなきゃ行けない。
最後にちゃんと、お別れするんだよ」
ノンちゃんは、うなずいた。
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拝み屋さんは、祈りを始めた。
皆、砂場で手を合わせている。
ノンちゃんも、母親も、ハナちゃんの両親、区会長、皆泣いていた。
ハナちゃんは、亡くなったのは5才の時だった。
ハナちゃん
「おとうさん、おかあさん、ありがとう、ノンちゃんまた、いつか遊ばうね」
皆が、聞いたハナちゃんの言葉、
最後の言葉。
ノンちゃんだけが、砂場の真ん中を見て大きな声で
「ハナちゃん!!また、いつか遊ばうね!!」
と叫んだ。
大きな声だった。
拝み屋さんの祈りも終わり、すすり泣く大人の中、ノンちゃんだけが笑顔だ。
拝み屋さん
「ノンちゃん、ちゃんとお別れ出来たね。
えらいね、」
ノンちゃん
「ハナちゃんもバイバイしてたよ!!」
拝み屋さん
「そうね、笑ってたね、ノンちゃんがちゃんとバイバイ出来たから、天国に行けたんだよ、偉い偉い!!」
と、ノンちゃんの頭を撫でた。
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母親
「ありがとうございました」
拝み屋さん
「ノンちゃんは、見える子でしたか?」
母親
「いえ、こんな事、今まで有りませんでした」
拝み屋さん
「そうですか、今回は、たまたま波長が合っただけかもしれないですね。
もし何か有りましたら電話して下さい」
と言って御守りを1つ渡した。
母親「あの、この御守りは?」
拝み屋さん
「念の為に、ノンちゃんに渡して置いて下さい」
そう言うと帰って行った。
家に帰って母親は、ノンちゃんに聞いて見た
「今までに、ハナちゃんみたいな子と遊んだ事ある?」
ノンちゃん
「?」
「ハナちゃんみたいな友達は、居ないよ」
「でもね、変な人は居たよ」
母親
「どんな人?」
ノンちゃん
「黒い人とか、、足が無い人、、」
母親は、全く知らなかった。
「ノンちゃん、これ御守り、あのお姉さんからノンちゃんにって、カバンに付けようね」
ノンちゃんは、見える体質だった。
そして、中学生になる頃には、ハナシも出来る様に成る。
お祓い屋さんから、ソレらからの逃げ方、対処法を教わり、今も健在だ。
このお話しは、フェイクを入れました。
霊は、ハナシが通じない方が多いので、霊感有る方は相手にしない、無視して下さい。
のらョリ
作者サンタ…まりあ