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ちょっとここ数日のことを整理させてくれ

中編7
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ちょっとここ数日のことを整理させてくれ

タイトルにもある通りここ4日間で起きたことを整理させて欲しい。整理したい…というのは解決したからでは無い。まだ今も続いているからだ。

先に断っておくがこれは僕の体験談ではない。僕の高校からの友人の話だ。

『4日前』

僕、友人のAとBの3人でオンライン飲み会をすることになった。

集まった理由は簡単な近況報告だ。普段は直接会うんだが僕の仕事柄時間が合わなかったため夜遅くに集まることにした。

3人集まり早速最近はどうだこうだと話し始めたんだが、友人Aがちょっと興奮気味に

A「そうそう!聞いてや!昨日な大学のツレと心スポ行ってきた」

といってきた。僕も友人Bもオカルトが好きで特に僕が物凄く喜ぶだろうと思ってその話をしたらしい。

当然大好物なので詳細を聞く。

なんでも岐阜にはある廃屋が心霊スポットらしくそこに向かったようだ。

その廃屋にはベタな心霊話が付いており、1人で入ると女の霊に取り憑かれるとか、上の階から人の足音がして近づいてくるとかそんな感じのものがいくつかあるらしい。

友人Aと大学のツレ4人、合計5人で行ったみたいなんだが、その廃屋では特に何も起きず雰囲気は怖かったけど人数も多かったことからあまりビビったりはしてなかったと言った。男女5人なので多少はワーキャーあったらしいがそれも何も起きないとわかってからはつまんないだのなんだのいって帰ってきたらしい。

僕としてはなんかこう面白い体験があるのかと期待していたため少し残念に思いつつも、まあ心スポなんて行く心の余裕が羨ましいぜと返しておいた。

話を一通りしたあと友人Aはトイレに行ってくると言い席を立つ。少しして友人Bがこんなことを言ってきた。

B「あんさ、これあいつが戻ってきた時言わんといて欲しいねんけどな。ずっと声しとらんかった?」

声?そこで少し心当たりがあった僕は

僕「あ、ごめん。隣の部屋に息子と嫁おるからその声かな?」

と答える。すると友人Bは僕の返事に被せ気味になりながら

B「いや、そんなんちゃう。今聞こえてへんか?女の泣き声」

どうやら友人Bには女の泣き声が聞こえているらしい。

友人A、B共に高校からの友達で僕は霊感なしのオカルトマニア、Bは霊感ありのオカルト好きと言った具合だったため、なんかあったんだなと直ぐに悟った。

僕「またなんかあったんか。なんかゆーとんの?」

B「いや………まあ泣き声やな。」

となんだか煮え切らない態度。

するとそこにAが戻ってくる。

とりあえず言うなと言われていたからテキトーに話を変えるかと思って話し出したところ数分も立たないうちにBから止められた。

B「A。お前行ったんってほんまに廃屋?ちゃうとこ行ったやろ」

突然Bが詰めるような形でAに言及した。

A「いや?廃屋しか行っとらんで?」

B「そんなわけない!どこいってんお前」

A「そう言われてもなぁ………あ、そうそう。その後にななんも起きひんしおもんないから廃屋の真ん前にある墓場行ったわ」

B「……それか。お前なぁ…。はあ。」

状況が分からない僕はというとなんの事やら?と首を傾げながらなんとなくその墓場で何かあったんだなと気づいた。

B「実はさっきから俺声聞こえてんねん。間違いなくAの近くからやわ。若めの女とええ歳したおっさんの声がする。」

おっさんの声は初耳なんだが。

B「ずっとAに向かって『この罰当たりが!』『非常識にも程がある!』『どんな教育受けてきたんだ阿呆共め!!』ってブチギレてる」

A「え、え?でも俺ら墓行ったけどなんもせんと帰ったで??」

B「でも現にお前に向かってボロカスゆーてるで」

そこからBに詰められるもAは知らない記憶にないと行っていたため、その日の行動を洗い出してみることに。

すると墓に入ってすぐAとツレの男がトイレで少し離れていたことが分かりその時に残り3人が何か粗相をしたんじゃないか?という結論に至った。

と、いったが問題はAだ、心スポに行く勇気はあっても霊に憑かれるとは思ってなかったらしくどうしたらいい!?と助けを求められた。

B曰く物凄く怒ってるが直接何かをしてくるようなことは無さそうと言っていた。まあ霊感あるだけの男の話なのでなんの確証もないのだけれどAも僕もなら盛り塩と清酒を置いて結界をしとけば大丈夫だろうと決めつけその日は解散した。

『3日前』

次の日、僕は仕事があったので夕方頃まで職場で働いていた。するとAから3人のグループLINEにメッセージが来ていた。

A「なんか今日めっちゃ変。」

仕事の片手間に見ていたためどう返そうかと考えていたらBがグループ通話を開始。Aもそれに入り話している。

とりあえず仕事中だし、Bが話を聞いてくれてるなら安心かとそのまま仕事を終わらせた。

夜仕事が終わったあとLINEをしたがAは寝ていたのかLINEの返事をしなかった。

代わりにBが電話できるとの事なので夕方の事情説明を頼んだ。

要約するとこうだ、

朝8時半の電車に乗り大学に行く予定だったが、駅に行くまでに信号引っかかり過ぎて乗り過ごしてしまった。駅に着く寸前の踏切で渡りたかったが警察救急車が来ていて通れなく、確認してみると自分が乗るはずだった電車が人身事故を起こしていた。

その後は知り合いの車をみつけ乗せてもらい大学に向かった。

昼16時に大学を出て16時半の電車に乗ろうとしたが、駅までの道沿いで普段通る交差点でトラックと軽自動車による物損事故が起きた。怪我人はいなかったが自分の200メートル先くらいの歩道にトラックが乗り上げていた。

といったもの。偶然にしてはタイミングが合っているし気持ち悪い。

Aが言うには同日、大学のツレの男がバイクで転び骨折したそうだ。

これに関してはB自体意見を言う訳ではなく、たまたまって思っておいた方が精神的にいいとアドバイスしたらしい。

『1日前』

それから2日たち特に連絡もなかったため気にはなっていたが仕事が忙しく、LINE自体は無難ではあるが返信があったのでもう落ち着いたのかと感じていたところAからグループ通話が来た。

A「B。今声って聞こえる?なんか言ってる?」

B「いや、今日は聞こえへんで。」

A「ほんまに?ほんまにほんま?」

B「嘘ゆーてどーすんねん。聞こえてへんよ。」

A「………さっきさ。おばあちゃんから連絡あったんよ」

どうやら祖母から連絡があったらしく実家暮らしだったAは母親に呼ばれて電話に出たらしい。

A「おばあちゃんどしたん?久しぶりやなって声かけてんけど返事なくて、ん?どしたんや?って思ってたら受話器からおばあちゃんの声で念仏聞こえてきてん。1分か2分くらい。ビビってさ、その間もどしたん?とかなんなん?って声かけててんけど全く反応無しで唱え続けてたんよ。そして1、2分したら急に電話切られた」

僕「それまあまあやばくね?」

B「おばあちゃんの声なんそれ?」

A「間違いなくおばあちゃん。その後すぐ折り返したんやけど、繋がって今の何?って聞いたら『んー?あ、そうそうAにお使い頼もうと電話したんよ!あれ?何頼もうとしてたんやっけ?』って感じでいつものおばあちゃんの会話して終わりやった。念仏についても見に覚えないゆーてるしもう訳分からん怖い」

普通に怖かった。Aがその念仏うろ覚えで言うんだがそれを検索してもそもそもその念仏が出てこん。

明らかに南無妙法蓮華経、南無阿弥陀仏的なのではない事からその念仏の目的もわからず、よくあるおばあちゃんが念仏唱えて助けてくれたパターンなのかおばあちゃん乗っ取られて呪いでも聞かされたのかそれすらも分からなかった。

『今日』

Aとツレ(女2人)でその心スポ行ったらしい。なんでツレが着いてきたかというとやはり予想が当たっていたようでAがトイレで離れた際に残っていた男のツレがお供え物などを蹴飛ばしたりしたらしく、その日以降ツレ(女2人)も変な声を聞いたり見られてる感じがすると言った現象があったため謝りに行くということで着いてきたらしい。ちなみに荒らした張本人は病欠らしく来ていなかった。僕としてはそいつがめっちゃやばそうに感じている。

3人でお墓に行き道中で買ったお供え物を置き周りを清掃して帰ってきた。

帰る際に見られていたという視線もなくなった感じがすると答えていたらしくもしかしたら許されたのかもしれない。

そして夜、昼のことを僕とBに話すため電話をしていた。

A「ってことがあってとりあえず謝って掃除してきた」

B「それがいい。とりあえず前同様声はしてないから大丈夫やとは思うけどもう変なとこ行かん方がええぞお前」

A「うん。もう懲りたわ。行かへん。」

そういって後は雑談を少しして解散。Aが抜け、僕も落ちようと声をかける。

僕「いやー。でも許されたっぽくてよかったな。まああいつも懲りてもう行かへんゆーてるし。僕的なにはホラー的なの期待してたから少し残念なやけどな。あ、これ本人にはゆーなよ?笑」

と冗談交じりに行ってお休みと声をかけた。

するとBが僕に一言こういった。

B「あのさ、まだAの近くにはおるっぽいからでかい何かあるかもしれんし備えとけよ。事故とか色々」

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