只では済まなかろう。アリス君の友の災難

中編4
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只では済まなかろう。アリス君の友の災難

皆様、有馬澄斗(ありま・すみと)です。

ベランダの亡霊の次に、友人が体験した不気味な話を御送り致しましょう。

彼の名は、柄保地健康(えほち・たけやす)。

真面目なんだけど、勉強の仕方が上手くないのか、中々成績に結び付かないと言う、報われないんだかベクトルが斜め故に上手く行かないのか………と言ったもので、自宅に時折勉強しに来る友人である。

そんな彼と僕が遭遇した変な出来事を、今回は一つ。

いわゆる族や、中高生でだらし無い格好が居ると睨み付けたり、ズカズカとわざとぶつかろうとして、危なっかしい真似をする彼なのだが、「歩きスマホっての?あれをやらかす奴の列に、暴走バイクでも突っ込みゃ良いのにな」と過激と言うのか、考え方がえげつ無いので、「冗談は止(よ)しなよ」と死神が姉を連れ去ろうとした件も有って、僕は確かに奴等のやっているのは迷惑だけども、余り言い過ぎると良くない事が起きそうだと感じて、やんわりと彼を制止していた。

*********************

暮れの押し迫る月ながら、妙に暖かい日の続く土曜、部活がたまたま休みだった僕達は、時計台の見下ろす大通りを、ブラブラと歩いている。

「これを帝都某所と仮定するとだな………」

「銀ブラでしょ。東京にでも行ったらおやりよ」

柄保地君の変なシミュレーションに、呆れた母ちゃん宜しく、僕は返している。

ブォン!ブォン!フォンフォンフォンフォーン!

少し広い道路故か、この辺りは改造バイクが夜になると一台ないし数台騒がしく走り去るのだが、ツーリングシーズンの終わりでも飾りたいのか、昼も飛ばす。

「まぢうけるんですけど~」

「チョーキモイシーヤバイヤバイヤバイ!」

コンビニで買ったとおぼしきカップコーヒーとスマートフォンの、褒められない二刀流でゲラゲラと騒いでいる女子高校生の集団とを見比べて、「ならず者に押し潰されてしまえば良いのに」と、柄保地君は眼鏡の奥の眼光冷たく呟(つぶや)く。

バイクの停まる車輛用信号も、集団の居る歩行者用信号も互いが数秒間の赤信号となる。

直後、

「ぐわぁぁぁぁ─────────────っ!!」

いきなり金属の塊が、歩道に乗り上げて来る。

然し、スローモーション………言うなれば、すぐその場から素早く立ち去れば難を逃れようものが、避けられずに目の前に立ちはだかる形で、僕と彼の数m先で起きた。

自動車とおぼしき塊が騒がしいバイクの集団を巻き込み、女子高校生の集団に横滑りしながら突っ込んだのだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁ!」

「痛いよぉ!あぁぁぁぁ!」

「おかあさん!こわいよお!おかあさん!」

「110番!119番!」

腰を抜かした高齢者やスーツの中高年を、上手くスルーする形で、金属の塊に巻き込まれたバイクの集団は、女子高校生の集団に突っ込んでおり、鮮血や叫び声が流れ出している。

「………嘘だろ」

柄保地君の絞り出す様な声を聞いた僕は、彼の視線の向こうに目を向ける。

────金属の塊は自動車だった様で、有ろう事か誰も乗っていない………空席?いや、運転手がまさかブレーキを掛けずに停車か駐車したって事?

「おい、見ろよ………見えるか」

柄保地君が指差す方向を見ると、動物の尻尾やたくさんの白い手、鱗の見える細長いものが、暴走バイクのライダーや女子高校生の集団を、ギリギリと締め上げている様に見える。

「………まさか、あの辺の祠(ほこら)迄壊された?」

「一応、助かります様にって体(てい)で合掌すっか」

「心にも無い真似はやめた方が良いよ」

「あれ?」

救急車とパトカーが程無く到着するも、何だか様子がおかしい。

顔の変色した暴走バイクのライダー集団や女子高校生の集団をすぐさま運び込むが、突っ込んで来た空席の車輛を調べようとする警官に、何処からともなく現れたスーツ姿の外国人や軍服の集団が調べさせまいと、妨害している様に見える。

「あっ、まさか………」

「何だよ」

「米軍の自動運転車の公道の無許可試運転か何かか」

「何なんだそれはよ」

「ほら、青森の米軍基地の戦闘機が、燃料タンクなんて落としたから、反発の空気が広がってるじゃん」

「広がってるじゃん」じゃ無いだろう………と僕は、柄保地君に呆れた視線を送る。

────その時、

ジリリリリリン!ジリリリリリン!ジリリリリリン!

「えっ?!何で黒電話っ?!」

「僕の着信音だ。何だこれ」

怪訝(けげん)な顔をしながらもスマートフォンを取り出して電話に出る彼の姿勢と、着信音に二重の意味で僕は驚かされる。あらかじめ搭載されている電子音っぽさの有る着信音では無い………黒電話を鳴らして録音した様に、妙にリアルなのだ。

「………もしもし」

『キサマノキライナ、ボウソウゾクト、ジョシコウコウセイト、ベイグンニ、メンドウヲ、フキカケタヨ。クリスマスプレゼントト、オモッテクレタマエ』

「思っても、叶えてだなんて、言っちゃいないぞ!」

『オモッタジテンデ、セイリツシテイルノサ。フッフッフ………』

本来耳に当てた受話器スピーカー越しでは聞けない筈なのに、僕にもハッキリ聞こえた………姉さんと妹のトラブルの際に出て来た、死神そっくりの声だった。

「憎しみや殺意を抱いた時点で、罪を犯したも同じか」

『聖書』に似た感じのフレーズが有ったのを思い出しながら、現場に居合わせても僕達は何も出来ないからと、柄保地君を促して踵(きびす)を返す際、確かに二箇所の祠(ほこら)が、大型バイクと自動運転車の衝撃で無惨に潰されているのが、隙間から微(かす)かに見えていた。

Concrete
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自分としては在日アメリカ軍以上に、中国韓国北朝鮮の「便衣兵」の方が怖いけどな。不本意な失策・不祥事や多少のズルではなくて、故意の悪意があるから。
ちなみに中国韓国は「戦時動員法」があるため、有事には国民皆兵。そうなったら在日コリアンとかも、戦時国際法的にはゲリラ兵士やスパイ工作員扱いで、殺していいらしい。
「余命三年時事日記ミラーサイト」で検索すれば、詳しい話が見つかるはず。

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