母は意図せず心霊写真をよく撮る。
最近だと写真を斜めに横切るように虹が写っていたり
手放す車を記念に撮ると、車内に人の影が二人写っていたりした。
そんな中でも一番気味が悪かったのが花火をしたとき。
まだ小学生にもならない妹が前日から楽しみにしていた花火。
だが当日になり、花火を始めようとなった途端に嫌がり始めた。
急にどうしたんだろう?さっきまであんなに楽しみにしてたのに。
そんなことを言いながらも皆で妹を説得して花火をした。
いざ始まると妹は楽しそうに花火をしている。
そんな妹を撮る母。
楽しい時間だったが、
妹が手に火傷をした。
幸いにも軽い火傷だった。
傷痕は残らない程度。
花火を始める前、妹が嫌がったのは虫の知らせか?
そんなことを考えながら母の撮った写真を確認した。
沢山撮った内の一枚。
妹が笑いながら花火をしている写真。
その手元の花火からは煙が出ていて妹を覆っている。
その煙の中
いや、煙全体と言うべきか
大きな少女の笑顔が写っていた。
楽しそうな雰囲気に寄ってきたのだろう。
火傷がこの写真と関係あるかは分からないが妹の直感は正しかった。
作者カスタネット