上司と飲みに行った時に聞いた話です。
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目の錯覚とかカメラの感光やブレとかじゃ説明出来ない本物を見せてもらった事があるよ。
持ち主は俺の後輩なんだけどもね、酒の席でそいつの心霊写真を見せて貰ったんだが何の変哲も無い母校の卒業アルバムだった。
そいつは写真の端っこに映っている一人の少女を指差してな・・・
曰く機嫌が良い時は笑ってるけど悪い時は無表情になるんだと。
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いやいやこれは誰がどう見ても笑ってんだろ?
満面の笑顔じゃねぇか!
俺はそう言って絶対に信用しなかった。
酔った勢いでアルバムを借りて帰った。
開いてみてもやっぱり少女は笑っている。
それにしてもべっぴんな娘だな?
生きてりゃ今は30代位か?
どれ・・・
マジで最低な話で恐縮なのだが、俺はその少女で一発マスを掻いた後に部屋の奥から裁縫箱を持って来ると一本のマチ針を取り出した。
卒業アルバムを開きトロそうなデブの腹をチクリと刺してやった。
今日から一人つづお前の級友をブッ刺していくからな?
止めて欲しけりゃ超常現象の一つでも起こしてみせろや。
そう言って俺は眠りについた。
余り思い出したい事じゃ無んだが確かその翌日だな、
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腸が飛び出る程の交通事故に俺が巻き込まれたのは。
退院直後はアルバムを確かめる勇気は無かったな。
笑ってる筈がねぇじゃん。
後輩に後で聞いたんだがその少女は霊感とか異常に強かったらしいよ。
予知夢とかする事もあったしタロットも百発百中。
それで目をつけられてイジメられた事も何度かあったがイジメが始まると数週間後には加害者全員が情け無く大泣きしながら土下座しにやって来るのが風物詩だったそうだ。
実は武闘派もいける口だったのか・・・
呪ってたのか・・・
何かに守られていたのか・・・
どうだったのか真相は知らないがとにかく普通では無かったそうだ。
その話を聞いた後にアルバムをもう一度確かめてみた。
やはり笑ってはいなかった。
しかし驚きの感情は無い。
まぁ普通はそうなるよなと。
個人的な傲慢な自分への戒めとして後輩に許可を取ってアルバムの写真をカメラで撮らせて貰う事にした。
しかしこれもマズかった。
勿論、ロリコン趣味とかそういうんじゃ無いのだが。
現像を頼んだ写真屋が顔を引き吊らせる位のものが撮れてしまった。
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心霊写真とか通り越してもう悪霊写真とも言うべきものだった。
映っていたのは鬼の様な形相の少女と鬼に脅え表情を凍り付かせる級友達。
こんなの普通の中坊の集合写真と信じる奴はどこにも居ない。
ホラー映画のポスターか何かだと思う出来だったな。
何と言うかこの後も色々あり最終的に後輩のツテを頼って興信所まで紹介して貰い例の少女を特定し俺は少女本人に謝罪しに行った。
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詳細はあまり書けないが、
自分を守護している者が過剰反応してしまった。
恐らく針の様な尖った何かを使ったのが良く無かったのではないか?
と言われた。
初対面でここまで把握されてるとは。
お前らも肖像権守ろうな?
作者退会会員