短編2
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猫とねずみとお友達

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猫とねずみが一緒に暮らしていました。

ふたりは冬を越すためにヘットという食用油脂を壷に入れて、盗まれる心配の無い教会の祭壇の下に蓄えておきました。

しばらくして猫はヘットがなめたくて我慢できなくなりました。

そこで、猫は

「名付け親を頼まれているので、留守番を頼むね。」

とねずみを騙しました。

そしてヘットのところへ行き、上皮の部分を全部なめてしまったのです。

帰宅した猫にねずみが

「何という名前を付けたのかい?」と尋ねました。

猫は

「皮なめ」と答えました。

ねずみは、

「変な名前を付けたもんだね」と言いました。

後日、またしても我慢できなくなった猫は、また名付け親を頼まれたからとねずみを騙し、今度はヘットを半分なめてしまいました。

「今度は何という名前をつけたのかい?」とねずみに尋ねられた猫は、今度は

「半分ぺろり」と答えました。ねずみは、

「そんな名前は聞いたことがないよ」と訝しがりました。

さらにもう一度、猫が名付け親を頼まれたと言うと、ねずみは疑いながらも見送りました。

猫は、とうとう全てのヘットを平らげてしまいました。

ねずみが

「今度はどんな名前を付けたのかい?」と尋ねると、

猫は

「みんなぺろり」と答えました。

ねずみは、いよいよおかしな名前だと不審に思いました。

やがて冬が来て、外で食べ物が見つからなくなったので、ねずみはヘットの壷のところへ行こうと猫を誘いました。

しかし、ヘットは跡形もなくなっていました。

空っぽの壷を見て全てを理解したねずみは、

「ヘットを独り占めしたな」と猫を責めようとしました。

しかし、その瞬間、猫はねずみに襲い掛かり、

「みんなぺろり」と飲み込んでしまいました。

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