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中編3
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友達?

前回の「おれ的怖い話」に書いたものをそのまま載せます。

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大学生の男2人が遊園地へ遊びに行って高速道路を走って帰っていた。

助手席の友達が怖い話を始め出した。

トンネルが見えてきた頃に、あのトンネルで左見たらダメだと言う。

運転手の「おれ」は試しに左を見て走行してみた。

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異質な気持ちの悪い存在を目にした。

おれは叫んで友達の方を見た。

友達はそいつの方に顔を向けていた。首が動かないと友達は叫ぶ。

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そうこうしている内にトンネルの出口が見えた。

おれは全速力で走り抜けた。

少し落ち着いたところで友達を見た。

平然とした様子で座っていた。

おかしな様子だったことを伝えたが、

「お前の方こそケラケラ変な笑い方を仕切りにしていたぞ」

と逆に指摘された。

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その時は何事も無かったのでそのまま高速を運転した。

話題は明るい話になり、おれは気分が落ち着いてきた。

出口に差し掛かると、先ほどトンネルで見た異質なアイツに遭遇した。

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アイツはこちらを向きながらケラケラと笑っている様子だった。

友達に「おい!また出たぞ!!アイツ!」と指差しながら言ったが

友達は平然とした様子で話をしている。

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友達は好きな趣味の話や好きな女の話など、今の状況に合っていない話をしていた。

しかも、相槌を打ったり「でもさ」と言ったりと誰かと話しているようだった。

おれ以外に他の人は車内にいないのに。

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意味不明な状況だが、おれは運転に集中した。

ハンドルをしっかり握り、サーと走り抜ける。

だが、速度はあまり出せない。

高速を降りている最中なためカーブが長いのだ。

カーブをできるだけ早く安全に曲がっていると、急に強い力で左肘を押された。

咄嗟に左を見ると、それは友達ではなくバケモンだった。

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「やめろーー!!!」と言いながら、おれは急いでブレーキをかける。

車は急ブレーキと急ハンドルにより大きくスリップした。

ガードレールにぶち当たり、車はやがて止まった。

おれは気絶した。

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目が覚めたところは病院のベッドだった。

医者から事故のことを聞いた。

ガードレールの向こうが芝生だったのと、エアバックがしっかり効いたために一命は取り止められたようだ。

その後で医者から驚くべきことを言われた。

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「高速道路を一人で運転する時は注意しないといけないよ」

「いや、一人じゃなかったと思いますが、友達がいたはずです!」

「あれ、おかしいな。警察の話だと壊れた車の中には君一人しかいなかったし、エアバッグも運転席しか作動してなかったようだけど」

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そんな話を医者に聞かされていると、プルルと電話が鳴った。

おれのケータイからだ。名前はさっき一緒に車で事故にあったはずの友達からだった。

「ほら、先生。これ見てください。今、電話かけてきているのが助手席に乗ってたやつです。アイツ心配でかけてくれたようです」

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「出てみなさい、少し気掛かりだが」

医者はそう言った。

おれが出てみると、アイツの声でこう言われた。

「お前生きてたんだな、死ねば良かったのに」

それだけ言われてブツッと切られた。

おれが動揺して固まっていると医者が静かに言った。

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「実はね。君が事故に遭った後、君の友達を名乗る人物から病院へこんな電話があったんだ。『アイツ死にましたか?』と。

無事なことを伝えると、『チッ殺す気で押したのになぁ』残念そうにそう言われたよ。

その時はいたずら電話だと思ったのだが、まさかその電話番号と今、君から見せられた番号が一致するとは思わなかった」

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