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短編2
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夜の遊園地

「あーまぢわくわくするし」

勝手に付いて来た若い奴を、有芽元次(ありめ・もとつぐ)は適度な距離を置いて、その前を歩いている。

「おっさん、夜の公園でケンカでもみれんの?」

いちいち癇(かん)に障(さわ)る言い方でまとわり付く変な奴だが御仲間が、尻尾を巻いて勝手に帰宅したと思い込んでいる感じで既におめでたい。

「おいてめェ、なにかいえよクソオヤヂ。おい!うわっ!!」

「トッキーっ!アニキーっ!ユッチまでなにしてんだよ!」

ははあ、公園のぼうっとした灯りでも見えて来たか。

………彼等が梃子(てこ)の原理でシーソーが持ち上がって、首を吊らされて変わり果てた姿が。

「テメーころす!テメーぶっころす!」

茶髪どころか金色に染め上げた髪を逆立てて、パチンと折り畳み式ナイフで、有芽に突進する若者。

「おっとっと」

ザシュっ!

鋭利な刃物で切り付けられ、肉の抉られる音がして、ボタボタと粘り気の有る赤黒い液体が鈍く地面を濡らす音が聞こえる様だ。

………首許に、フィクション忍者の良く使う「くない」を、もっと細くした様な金属製の細長い物体が刺さる若者。

何が起きたか分からないまま、崩れ落ちる。

ドスっ!

変わり果てた姿の若者の頭部数cmの位置に、バターナイフの様な金属製の細長い物体が刺さる。

「………さて、今夜の執行は終わった」

有芽は蒼白い表情を変える事無く、夜の遊園地………もといぼうっとした灯りだけの公園を後にする。

………片方の短針と長針を失った柱の上の丸い時計は、文字盤が光りながら、最早(もはや)何時を指し示しているかが分からない。

Concrete
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