短編2
  • 表示切替
  • 使い方

キ○ガイ写真

wallpaper:6423

元新興宗教信者の方から聞いた話です

separator

何らかの障害を持っているのか、いつも口からヨダレを垂らしている人が近所に居ました。

彼は深夜によく散歩していた。

彼の後を付けて自宅を突き止めて勧誘した事がある。

人が住んでいるとは思えないボロアパートで暮らしていた様だった。

話を聞くとろれつの回らない口調で霊障のせいでヨダレが止まらなくなってしまったという事を教えてくれた。

これは勧誘がやり易いと思い私は前世での悪業を浄化させて欲しいと適当な嘘をついて布教呪文を唱えだした。

すると彼は大声で

「ちがうんら!前世のせいだない!あど写真を観てからこうらったんら!」

と叫んだ。

驚いて呆気に取られている私を前に彼は部屋の奥から何かを持って来た。

それは一枚の写真だった。

wallpaper:6424

「おまいも、この写真をみど!」

それは子供が戯れる他愛も無い写真だった。

ただ、子供の頭上辺りに炎の様な影が映り込んでいる。

ああ、これが心霊写真ですか?成る程・・・供養しますんで呪文を唱えさせて下さい。

「こでは呪わででいるカメラでとったんだお!きおづけお!」

バカめ

と心の中で私は彼を中傷した。

こんなものはフィルムの感光や光の乱反射で出来た偶然のイタズラに過ぎない。

心霊写真など全てインチキだと信じていた。

しかし、いつもの様にインチキ呪文を唱え出すのだがどうもろれつが回らない。

それ所か気分が悪くなり玄関に盛大に嘔吐した。

そのまま気を失った私は数日後に病院のベッドの上で意識を取り戻した。

駆け付けた信者仲間や救急隊員の話によると私は口から青色い光を吐きながら痙攣していたそうだ。

光に口腔が焼かれ舌や歯が溶けていたらしい。

退院後にあのボロアパートを訪ねてみた。

そこはあった筈のアパートは無く木材とゴミが散乱する空き地でしか無かった。

私は仕事のストレスから精神を病み幻覚に襲われて空き地に不法投棄されていた薬品を飲んでこうなったのだと医者と警察から言われた。

霊媒など金儲けの道具程度にしか思っていなかった私が悪霊の存在を信じる様になるとは実に皮肉な事ですね。

あならもこど写真を見て見たいれづか?

さぁ・・・ろうぞ

Normal
コメント怖い
0
4
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ