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短編2
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いんぼーろん!

「あーー!あぁーーあ!」

ガシャンガシャンと檻を揺らし少女が絶叫を上げる。

「ひぃっ!」

私はあまりの迫力に後退り距離を取った。

もうすでに白衣はじっとりと汗で濡れている。

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「こ、この子があの“日本史上最高数の連続殺人鬼"、津山30人殺しの真犯人なんですか!?」

檻の前に無表情に立つスーツの男は無表情のまま頷いた。

檻の中の少女は両目をくり抜かれ、目を覆うように巻かれた鉢巻には両目をかたどるように赤黒く乾いた血液がへばりついていた。

一糸纏わぬ全身は驚くほど艶やかに若さを感じるハリをもった肌をしている。

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「でも、あの事件は犯人の自殺で終わったはず……今になってなぜ私に……」

「誤解ないよう言っておこう。“彼"も“彼女"も生来きっての殺人鬼……ナチュラルボーンキラーではない……そして、それこそが“肝"なのだ」

続けてスーツの男は語る。

「いまこの国の6割が接種しているあの薬剤……いや"種"が発芽するとどういったことになるか、目の前の彼女を見れば一目瞭然だろう。」

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「それは……あのワ……」

言葉が終わるのを待たずスーツの男は続けた。

「ペット新法……全ての犬猫にマイクロチップを埋め込む法案が成立した。全てのペットを把握するそれは、同じくマイクロチップを仕込まれた人間も同様に支配し得る。」

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「私、ワクチンから金属片が検出されたってニュース聞いたことあります。でも……まさか!」

「そうだ。この国は人工的なアポトーシスを迎えつつある。それを止める基礎研究こそがキミのやるべき課題だ。」

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あれから2年……私は研究に行き詰まりを感じている。それは知識の限界を感じたわけではなく悪意の限界を知らなかったからだ。

私はもうすでに次回の参院選の選挙の勝者までわかる。

なぜなら、全てプログラミングによって決まった未来だとわかっているからだ。

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