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中編3
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マネキンと少女の夢

また夢の話だ。あれは、数年前に見た夢。前の食人の村の夢よりは短いが今でもハッキリと覚えている。怖くもどことなく不思議な夢で今でも思い出すあの夢。そんな夢の話。

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それは、都会に働きに出た友人二人と地元でばったり会ったときの話。仮に友人二人をBとCとして、俺はAとする。久し振りに会ったことで会話が弾み、何処で何をしているのかとか最近こんなことがあったとか雑談をしながら歩いていた。

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ふと、前を見ると作業着姿の男が滑車に段ボールを2つ積んで運んでいた。その段ボールの蓋のところに長い髪の毛が見えたから、(あぁ、カツラかな?)と思ったのだがうちの地元にカツラの工場はない。その作業着姿の男が工場の前に段ボールを置いた後、早足にこちらに向かってきた。その時よくわからなかったのだが咄嗟にヤバいと感じ友人二人と一緒に逃げた。

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逃げた先で右側に坂があるのだがそこには見たこと無いような大きなプレハブが口を開けてそこにあった。俺は咄嗟に(あ、これは夢だな)と思ったのだが、すぐ後ろにあの作業員が迫ってきてる。よく見るとそれはカツラではなく、大量のマネキンの首だった。友人二人は顔が真っ青になっていた。すぐに、プレハブの中に入り全力で走った。中は暗く何も見えなかったがとにかく全力で走った。

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ふと気付くと、Bの息切れの声が聞こえなくなり程なくしてCの息切れも聞こえなくなった。が、俺は全力で走り転びそうになった。で、転びかけた拍子にプレハブの扉を無意識に開けていたんだと思う。そこには森があった。森があり、かつて小学生の時に利用していた通学路の階段があって、その上に白い服と白いスカートを履いた少女とサングラスに黒いスーツの男が二人。呆気にとられていると、少女が「待ってたよ」と声かけてきた。

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後ろを見るとプレハブは苔むしており、中を見ると大量のマネキンが走るポーズで固まっていた。よく見ると友人二人組もマネキンだった。もしかして、捕まったりするとマネキンにされるのかと考えたが俺の考えを見透かすように少女が言う。

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「今日あなたにあった時点でその二人はマネキンだった」と言っていた。訳もわからず少女に「じゃあ、BとCは?」と尋ねると「都会にいます。働いていますよ」とニコッと微笑んだ。取り敢えず俺は体を起こすと辺りを見回す。深い森の中で人工物はプレハブ以外に見当たらない。不思議そうに見回していると少女が「少し話しましょう」と言ってきたので黒服二人を置いて少女と会話していた。

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「君は?」

「私は○○(そこは聞き取れなかった)。ずっとあなたを待っていたの。不気味に思われても仕方ないと思うけど、ここで会うのは縁なんだよ」

「そうか、でも何で俺なんだ?」

「そういう"おつげ"があったから。そういうの信じる?」

「俺はオカルトが好きなんだ。まぁ、信じてるよ」

「ふふ、ありがと。……さて、私はそろそろ行くね。この話が終わればあなたは夢から覚める。だけど、覚えておいて。私はまたあなたの夢から現れる。だから、私とSP二人組、私と話をしていた事を忘れないで。いつかまた会いに来るから。そして、最後は現実で迎えに行くから」

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その言葉を最後に夢から覚めた。あれから一度も少女が夢から出てくることはないが、忘れない限りまた出てくるのだろうか。怖いと言うより少し不思議な夢の話でした。

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