短編2
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すらいむ

聞いた話です。

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これは子供の頃の体験です。

凄く暑い日だった。

虫を探しながら道を歩いていたらドブに変なスライムみたいなものを見つけた。

間近でもう一度確認してみる。

確かに見間違いではなかった。

真っ赤な色をしていたので単なるヘドロではない。

これはスライムだ。

棒でつついてみる。

ビクッビクッとスライムは震えた。

と同時にスライムの表面に人面が浮かび上がった。

うわああああああああ

私は悲鳴を上げてその場から逃げ出した。

翌日、私は実体験である事を伏せて早速クラスで吹聴し瞬く間にこの話は小学校中に広まった。

「あのスライムの正体は悪魔の血で触ると魂を吸い盗られる。」

「いや、あれは太歳で見た人に不幸が訪れる。」

とか色々な怪談に派生していく様子を興味深く観察していた。

そんな中であの人面スライムを捕まえたという子が現れた。

同じクラスの○○君だった。

○○君は直接あのスライムを探しに行ったそうだ。

クラスの皆は○○君の話を全然信じていなかったが私は直接○○君に話を聞いてみた。

○○君はドブまでスライムを探しに行って本当にあのスライムを発見しバケツで捕まえたのだそうだ。

しかも捕まえたスライムと会話までしたそうだ。

私は驚いて話の続きをせがんだ。

○○君によればスライムの正体は近所の寝たきり爺さんの体から何かの拍子に尻の穴から抜け出てしまった魂だったそうだ。

なんじゃそら?

幽体離脱?

尻小玉?

しかも驚くべき事に○○君はその怪しさ炸裂のスライム爺さんに言われるが儘バケツで掬ったばっちいスライムを寝た切り爺さんの口へと流し込んで体へと戻してあげたらしい。

人面スライムを実際に見ている以上頭ごなしに否定は出来なかったが流石にこの話は信じ難かった。

数日後、爺さんが元気に歩き回る迄に回復して○○君と世間話をしている姿を目撃する迄は・・・

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