短編1
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トビネコ

子供の頃に近所のお姉ちゃんから聞いた話です。

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私は近所の野良ネコであるミャーチャンの尻尾を踏んじゃった事がある。

尻尾を踏まれた瞬間。

フーウウウウウッ

とミャーチャンは凄い悲鳴を上げてた。

私は急いで足をどけようとしたのだけども、可哀想な事に足がもつれて更に強く踏み締めてしまった。

するとミャーチャンは

ヌオオオオオオオオオオオオオオッン

という凄まじい咆哮を発っして空へと飛び上がりどこかへともなく消えてしまった。

ミャーチャンは一体どこへ消えてしまったのか。

必死に探したが見当たらない。

周囲は見晴らしの良い広場なのですぐに分かる筈だ。

ただ一つ可能性があるとすれば・・・

ミャーチャンの尻尾を踏んでしまった時に隣にあった高層ビルのみである。

「そんな馬鹿な!」

しかしミャーチャンはどこにも見当たらない。

ビルは30階である。

ぐるりと回って確認したが窓や壁にミャーチャンがへばり付いている様子は無かった。

私は眉に唾を付けるとビルに入りエレベーターで屋上を目指した。

最上階の扉が開いた瞬間、ミャーチャンがエレベーターに飛び乗って来た。

絶句する私。

ミャーチャンが30階まで飛び上がった?

あり得ない!

私の存在に気付いたミャーチャンは

フウウウウウッ

と怒りの声を上げて今度は階段の方へと走って行った。

ミャーチャンは忍者だったのだろうか?

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