お隣さんから聞いた話
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幼い頃に茶道教室に通っていた。
そこは古い民家だったのですが「なんちょさんのま」と言われている絶対に入っちゃいけない部屋があった。
ふざけて入ろうとする子が居ると茶道の先生に必ず怒られていた。
普段は温厚な先生だけにギャップが怖かった。
ある時、近所の悪ガキが勝手にその部屋に入った事がある。
私は偶然そこに居合わせて一部始終を見ていたのだけど、青い顔をして泡を吹いている悪ガキちゃんがタンカで救急車へ運ばれていた。
私は恐怖心よりも好奇心が勝りどさくさ紛れにその部屋を覗いてみた。
畳が紫色である以外は何の変哲も無い茶室だった。
あの部屋に入るとああなるんだなと子供心に感じたけども大人になった今冷静に考えてみるとちょっと不可解な体験だったなって。
作者退会会員