あまりの寒さで何度か深夜に目が覚めた。
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─そろそろ夏布団一枚ではダメみたいね。
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朝方眠い目を擦りながら私は1人愚痴る。
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季節は11月。
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今年女子大を卒業と同時に都内にある某総合商社に就職し、春先にこのマンション4階に引っ越して初めての冬を迎える私は、冬の寝具をまだ買い揃えてなかった。
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翌日はたまたま日曜日だったから、私は寝具を買いに出かけることにする。
準備をして部屋を出て一階まで降り、マンション入口から外に出ると、ジャージ姿の管理人のおじさんがエントランスを箒ではわいていた。
160センチの私よりも小柄な小太りのおじさんだ。
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「おや、○○さん、おはようございます。
こんな早くからお出かけですか?」
と声をかけてくるので、
私も会釈して「はい、ちょっと買い物に」と応える。
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するとおじさんはニヤニヤと笑いながら、
「そうですね、もうこんなに寒くなったら夏布団ではダメですよね」と言った。
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この瞬間背筋がゾッとして、
私はこのマンションを引っ越そうかと思った。
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作者ねこじろう
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